源氏イラスト訳【若紫387】相聞 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫387】相聞

「よからねど、むげに書かぬこそ、悪ろけれ。教へきこえむかし」

とのたまへば、うちそばみて書いたまふ手つき、筆とりたまへるさまの幼げなるも、らうたうのみおぼゆれば、

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YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

よからむげに書かこそ、悪ろけれ

訳)うまくなくてもまったく書かないのは良くないよ。

 

 

教へきこえかしのたまへ

訳)教え申し上げようおっしゃる

 

 

うちそばみ書いたまふ手つき

訳)ちょっと横を向い書きなさる手つきや、

 

 

 

とりたまへさま幼げなるらうたうのみおぼゆれ

訳)筆をお持ちなさっている様子あどけないのもかわいらしくばかり思われるので

 

 

【古文】

よからむげに書かこそ、悪ろけれ教へきこえかし

のたまへうちそばみ書いたまふ手つき、筆とりたまへさま幼げなるらうたうのみおぼゆれ

 

【訳】

うまくなくてもまったく書かないのは良くないよ。お教え申し上げよう

おっしゃるちょっと横を向い書きなさる手つきや、筆をお持ちなさっている様子あどけないのもかわいらしくばかり思われるので

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【よから】…ク活用形容詞「良し」未然形

■【ね】…打消の助動詞「ず」已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

■【むげに~(打消)】…まったく~ない

※【むげに】…ナリ活用形容動詞「むげなり」連用形

※【むげなり】…甚だしい。ひどい。最悪だ

■【書か】…カ行四段動詞「書く」未然形

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【こそ】…強意の係助詞(「わろけれ」が結び)

■【悪(わ)ろけれ】…ク活用形容詞「わろし」已然形

■【教へ】…ハ行下二段動詞「教ふ」連用形

■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」未然形

※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(光源氏⇒若紫)

■【む】…意志の助動詞「む」終止形

■【かし】…念押しの終助詞

■【と】…引用の格助詞

■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」已然形

※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【うちそばむ】…ちょっと横を向く

【て】…単純接続の接続助詞

■【書い】…カ行四段動詞「書く」連用形イ音便

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)

■【手つき】…手の様子

■【とり】…ラ行四段動詞「とる」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形

■【さま】…様子

■【の】…主格の格助詞

■【幼げなる】…ナリ活用形容動詞「幼げなり」連体形

■【も】…強意の係助詞

■【らうたう】…ク活用形容詞「らうたし」連用形ウ音便

※【らうたし】…かわいらしい

■【のみ】…強意の副助詞

■【おぼゆれ】…ヤ行下二段動詞「おぼゆ」已然形

※【おぼゆ】…思われる

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「うちそばみ」とあります。

これは、若紫が横の手本を見て、一生懸命、手習いを書いている場面です。

 

当時、相聞歌は、贈歌の歌意やキーワードをきちんとふまえて、それを入れ込んで返歌しなければならないので、

 

なんとか光源氏の贈歌をよく理解しようと、

必死な姿が浮かんできます!

 

おねがい

 

「たまへる」の識別は、入試頻出です。

 

「たまへ」は、

1.四段活用ならば、尊敬語

2.下二段活用ならば、謙譲語

 

「る」は、

1.受身・尊敬・自発・可能の「る」終止形

2.完了・存続の「り」連体形

 

着目ポイントは、助動詞の接続です。

 

 

受身の「る」は、【四段・ナ変・ラ変動詞の未然形】にしか接続しません。

つまり、「ア段」にしか、つかないのです。

 

なので、「たまへ(e)・る」となった時点で、

この「る」は、受身の助動詞「る」ではありません!

 

したがって、「たまへ」も、

四段動詞の尊敬語でしか、ありえないのです。

 

チュー

 


 

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