源氏イラスト訳【若紫368】几帳 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫368】几帳

こなたは住みたまはぬ対なれば、御帳などもなかりけり。惟光召して、御帳、御屏風など、あたりあたり仕立てさせたまふ。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

こなた住みたまはなれ御帳などなかりけり

訳)こちら使用なさってない対の屋であるので御几帳などなか

 

 

惟光召して、

訳)惟光お呼びになって、

 

 

御帳、御屏風などあたりあたり仕立てさせたまふ

訳)御帳や、御屏風などここかしこに整えさせなさる

 

 

【古文】

こなた住みたまはなれ御帳などなかりけり惟光召して、御帳、御屏風などあたりあたり仕立てさせたまふ

 

【訳】

こちら使用なさってない対の屋であるので御几帳などなか惟光お呼びになって、御帳や、御屏風などここかしこに整えさせなさる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【こなた】…こちら

■【は】…取り立ての係助詞

■【住み】…マ行四段動詞「住む」連用形

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【対(たい)】…対の屋。寝殿の別棟の建物

■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形

■【ば】…順接確定条件(原因・理由)の接続助詞

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)

■【張(とばり)】…仕切りの布。几帳(きちょう)

■【など】…例示の副助詞

■【も】…類推の係助詞

■【なかり】…ク活用形容詞「なし」連用形

■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形

■【惟光(これみつ)】…光源氏の腹心の従者

■【召し】…サ行四段動詞「召す」連用形

※【召(め)す】…「呼ぶ」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【御帳(おんとばり)】…御几帳

■【屏風(びょうぶ)】…仕切りの装飾品

■【あたりあたり】…ここかしこに

■【仕立て】…タ行下二段動詞「仕立つ」未然形

■【させ】…使役の助動詞「さす」連用形

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「張(とばり)」というのは、部屋の仕切りに使う調度品のことです。

 

「几帳(きちょう)」などとも言われます。

 

「源氏物語」では、こういう古文常識もよく出てくるので、

1つひとつ、イメージを湧かせて理解をしていくことが望ましいと思います。

 

 

ウインク

 


 

>>次へ

 

>>初めから読む