源氏イラスト訳【若紫367】滂沱 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫367】滂沱

とてもかくても、頼もしき人びとに、後れたまへるが、いみじさ」と思ふに、涙の止まらぬを、さすがにゆゆしければ、念じゐたり。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

「…とてもかくても頼もしき人びと後れたまへいみじさ

訳)「…とにもかくにもあてにすべき身内方々先立たれなさっことひどくお気の毒なこと」

 

 

思ふ、涙止まらを、

訳)思う、涙止まらないのを、

 

 

さすがにゆゆしけれ念じたり

訳)そうはいってもやはり不吉なので我慢して

 

 

【古文】

「…とてもかくても頼もしき人びと後れたまへいみじさ思ふ、涙止まらを、さすがにゆゆしけれ念じたり

 

【訳】

「…とにもかくにもあてにすべき身内方々先立たれなさっことひどくお気の毒なこと」思う、涙止まらないのを、そうはいってもやはり不吉なので我慢して

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【とてもかくても】…ともかくも

■【頼もしき】…シク活用形容詞「頼もし」連体形

※【頼もし】…あてにする

■【人びと】…ここでは、亡くなった尼君などをさす

■【に】…対象の格助詞

■【後(おく)れ】…ラ行下二段動詞「おくる」連用形

■【後る】…先立たれる

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(少納言乳母⇒若紫)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形

■【が】…連体修飾格の格助詞

■【いみじさ】…ひどく気の毒なこと

■【と】…引用の格助詞

■【思ふ】…ハ行四段動詞「思ふ」連体形

■【に】…順接の接続助詞

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【とまら】…ラ行四段動詞「とまる」未然形

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【を】…対象の格助詞

■【さすがに】…そうはいってもやはり

■【ゆゆしけれ】…シク活用形容詞「ゆゆし」已然形

※【ゆゆし】…不吉だ

■【ば】…順接確定条件(原因・理由)の接続助詞

■【念じ】…サ変動詞「念ず」連用形

※【念ず】…がまんする

■【ゐ】…ワ行上一段動詞「ゐる」連用形

■【たり】…完了の助動詞「たり」終止形

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「滂沱(ぼうだ)の涙」ということばがあります。

 

少納言の乳母(めのと)は、若紫や自分たちの境遇を思いやると、涙が止まらずに、流れ落ちてくるのでしょうね。

 

えーんえーんえーん

 


 

>>次へ

 

>>初めから読む