源氏イラスト訳【若紫303】四十九日忌 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫303】四十九日忌

「…かくてのみは、いかが。もの怖ぢしたまはざりけり」とのたまへば、

「宮も御迎へになど、聞こえのたまふめれど、この御四十九日過ぐしてや、など思うたまふる」と聞こゆれば、

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

かくのみいかが

訳)こうばかりいてどうしたものだろうか

 

 

もの怖ぢたまはざりけりのたまへ

訳)姫君はおびえたりなさらなかったよおっしゃるので

 

 

迎へど、聞こえのたまふめれ

訳)父宮迎えなど申し聞かせていらっしゃるようだけれど

 

 

この四十九日過ぐしなど思うたまふる聞こゆれ

訳)今度の故尼君の四十九日忌過ぎからなどと存じております申し上げる

 

 

【古文】

かくのみいかがもの怖ぢたまはざりけりのたまへ

迎へど、聞こえのたまふめれこの四十九日過ぐしなど思うたまふる聞こゆれ

 

【訳】

こうばかりいてどうしたものだろうか。姫君はおびえたりなさらなかったよおっしゃるので

父宮迎えなど申し聞かせていらっしゃるようだけれど今度の故尼君の四十九日忌過ぎからなどと存じております申し上げる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【かく】…こう。このように

■【て】…単純接続の接続助詞

■【のみ】…限定の副助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【いかが】…どんなものだろうか。どうしたものか

■【もの怖(お)ぢ】…怖がること。おびえておどおどすること

■【し】…サ変動詞「す」連用形

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

■【ざり】…打消の助動詞「ず」連用形

■【けり】…詠嘆の助動詞「けり」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」已然形

※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【宮(みや)】…父宮である、兵部郷宮をさす

■【も】…添加の係助詞

■【御―】…尊敬の接頭語(少納言の乳母⇒若紫)

■【に】…目的の格助詞

■【など】…引用の副助詞

■【聞こえのたまふ】…申し聞かせていらっしゃる

※【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連用形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(少納言乳母⇒若紫)

※【のたまふ】…申し聞かせる

■【めれ】…推定の助動詞「めり」已然形

■【ど】…逆接確定条件の接続助詞

■【この】…指示連体詞。ここでは今度の、くらいの意

■【御―】…尊敬の接頭語(少納言乳母⇒亡き尼君)

■【四十九日】…四十九日の法要

■【過ぐし】…サ行四段動詞「過ぐす」連用形

※【過ぐす】…やり過ごす

■【て】…単純接続の接続助詞

■【や】…疑問の係助詞

■【など】…引用の副助詞

■【思うたまふる】…存じております

※【思う】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形ウ音便

※【たまふる】…ハ行下二段動詞「たまふ」連体形

※【たまふ】…謙譲の補助動詞(少納言乳母⇒光源氏)

■【と】…引用の格助詞

■【聞こゆれ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」已然形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏が、若紫をもらい受けたいと提案しましたが、

実は、父宮(兵部郷宮)も、若紫を引き取る算段をしていたようです。

びっくりびっくりびっくり

 

「四十九日」というのは、

故人が亡くなってから、四十九日めの忌のことをさします。

 

現代でもありますね。

…こんな、平安時代からの慣習なんですね~!!

口笛

 


 

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