源氏イラスト訳【若紫304】疎遠
「頼もしき筋ながらも、よそよそにてならひたまへるは、同じうこそ、疎うおぼえたまはめ。…」
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【源氏物語イラスト訳】
「頼もしき筋ながらも、
訳)「頼りになる血筋であるけれども、
よそよそにてならひたまへるは、
訳)ずっと遠く離れてそれになじんでいらっしゃったからには、
同じうこそ、疎うおぼえたまはめ。…」
訳)私と同じく、疎遠に思われなさるだろう。…」
【古文】
「頼もしき筋ながらも、よそよそにてならひたまへるは、同じうこそ、疎うおぼえたまはめ。…」
【訳】
「頼りになる血筋であるけれども、ずっと遠く離れてそれになじんでいらっしゃったからには、私と同じく、疎遠に思われなさるだろう。…」
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■【頼もしき】…シク活用形容詞「頼もし」連体形
※【頼もし】…頼りになる。あてになる
■【筋(すぢ)】…血筋。血統
■【ながら】…逆接の接続助詞
■【も】…強意の係助詞
■【よそよそに】…ナリ活用形容動詞「よそよそなり」連用形
※【よそよそなり】…遠く離れている
■【て】…単純接続の接続助詞
■【ならひ】…ハ行四段動詞「ならふ」連用形
※【ならふ】…なじむ
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒若紫)
■【る】…完了の助動詞「り」の連体形
■【は】…取り立ての係助詞
■【同じう】…シク活用形容詞「同じ」連用形ウ音便
■【こそ】…強意の係助詞
■【疎く】…ク活用形容詞「疎し」連用形
※【疎(うと)し】…疎遠だ。よそよそしい
■【おぼえ】…ヤ行下二段動詞「おぼゆ」連用形
※【おぼゆ】…思われる
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒若紫)
■【め】…推量の助動詞「む」已然形
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若紫の父である兵部郷宮も、
若紫を引き取る算段をしていた――!
こんな、「父」という正統な筋の引き受け先があるならば、
もはや、光源氏の出る幕はありませんよね。。。
しかし、光源氏は、そこでめげません!
「疎遠」というキーワードを使って、
父宮も、あんまり正統とは言えないことをあげて
論破しようとしていますね。
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