源氏イラスト訳【若紫274】心配
「…すこしもなぞらひなるさまにもものしたまはず、年よりも若びてならひたまへれば、いとかたはらいたくはべる」と聞こゆ。
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【源氏物語イラスト訳】
「…すこしもなぞらひなるさまにもものしたまはず、
訳)少しも(あなた様に)ふさわしい品格である様子でもいらっしゃらず、
年よりも若びてならひたまへれば、
訳)年齢よりも幼げに振る舞ってそれに慣れていらっしゃるので、
いとかたはらいたくはべる」と聞こゆ。
訳)とても見ていられない状態でございます」と申し上げる。
【古文】
「…すこしもなぞらひなるさまにもものしたまはず、年よりも若びてならひたまへれば、いとかたはらいたくはべる」と聞こゆ。
【訳】
「…少しも(あなた様に)ふさわしい品格である様子でもいらっしゃらず、年齢よりも幼げに振る舞ってそれに慣れていらっしゃるので、とても見ていられない状態でございます」と申し上げる。
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■【すこし】…副詞
■【も】…強意の係助詞
■【なぞらひ】…同程度のもの(「なずらひ」と同じ)
■【なる】…断定の助動詞「なり」連体形
■【さま】…様子
■【に】…状態の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【ものしたまふ】…いらっしゃる
※【ものす】…「あり」の代動詞
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(少納言⇒若紫)
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【年】…年齢
■【より】…比較の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【若び】…バ行上二段動詞「若ぶ」連用形
※【若ぶ】…幼げに振る舞う
■【て】…単純接続の接続助詞
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(少納言⇒若紫)
■【れ】…存続の助動詞「り」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【いと】…とても
■【かたはらいたく】…ク活用形容詞「かたはらいたし」連用形
※【かたはらいたし】…きまり悪い。見ていられない
■【はべり】…「あり」の丁寧語(少納言⇒光源氏)
■【と】…引用の格助詞
■【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒光源氏)
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少納言の言葉の締めくくりです。
長かったぁぁぁ~!
会話文の長いときには
結局、何がいいたかったのか、を
最後に頭の中によみがえらせる必要があります。
そのためには
・ラストの締めくくり
・文中の係り結びの法則
などに着目して、もう一度イメージを湧かせてください。
今回の少納言の言葉は
「若紫が幼くて、今後のことが心配」ってわけですね。