源氏物語イラスト訳【若紫181】世には
世には心も解けず、うとく恥づかしきものに思して、年のかさなるに添へて、御心の隔てもまさるを、いと苦しく思はずに、
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【源氏物語イラスト訳】
難解な『源氏物語』でも
現代語訳とイラストとの組み合わせで
ビジュアル的に理解できれば、
受験古文に重要な速読が身につきます☆
世には心も解けず、
訳)少しも打ち解けず、
うとく恥づかしきものに思して、
訳)(源氏の君を)よそよそしく気が引ける相手だとお思いになって、
年のかさなるに添へて、御心の隔てもまさるを、
訳)年月が重なるにつれて、お気持ちの隔たりが増さるのを、
いと苦しく思はずに、
訳)とても辛く、心外で、
【古文】
世には心も解けず、うとく恥づかしきものに思して、年のかさなるに添へて、御心の隔てもまさるを、いと苦しく思はずに、
【訳】
少しも打ち解けず、(源氏の君を)よそよそしく気が引ける相手だとお思いになって、年月が重なるにつれて、お気持ちの隔たりが増さるのを、とても辛く、心外で、
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■【世に~(打消)】…決して~ない。少しも~ない
■【は】…強意の係助詞
■【心も解く】…気を許す。打ち解ける
※【も】…強意の係助詞
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【うとく】…ク活用形容詞「うとし」連用形
※【うとし】…よそよそしい。わずらわしい
■【恥づかしき】…ク活用形容詞「恥づかし」連体形
※【恥づかし】…気が引ける
■【と】…資格の格助詞
■【思(おぼ)し】…サ行四段動詞「思(おぼ)す」連用形
※【おぼす】…「思ふ」の尊敬(作者⇒葵上)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【年】…年月
■【の】…主格の格助詞
■【かさなる】…重なる。たび重なる
■【に】…変化の結果の格助詞
■【添へ】…ハ行下二段動詞「添ふ」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【御心】…光源氏の心。お気持ち
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【隔て】…隔たり
■【も】…強意の係助詞
■【まさる】…増す
■【を】…対象の格助詞
■【いと】…とても
■【苦しく】…シク活用形容詞「苦し」連用形
■【思はずに】…ナリ活用形容動詞「思はずなり」連用形
※【思はずなり】…思いがけない。心外だ
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光源氏と、正妻葵の上の夫婦仲です。
お互いが共有できる会話もなく、
だんだん、年が重なるにつれ
夫婦仲に溝ができてしまっていますね。