源氏物語イラスト訳【若紫182】時々は | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【若紫182】時々は

「時々は、世の常なる御気色を見ばや。堪へがたうわづらひはべりしをも、いかがとだに、問うたまはぬこそ、めづらしからぬことなれど、なほうらめしう」

と聞こえたまふ。

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【源氏物語イラスト訳】

源氏物語イラスト訳では

一語一語の逐語訳(現代語訳)と

まんが(イラスト)との組み合わせで

難解な古文もビジュアル的にイメージできます。

 

 

 

時々世の常なる御気色ばや

訳)時々世間並みである(妻らしい)あなたのご様子たいものだ

 

 

堪へがたうわづらひはべりをもいかがだに

訳)私が苦しく病んでましことをもせめてどうですかだけでも

 

 

問うたまはこそめづらしからことなれ

訳)お尋ねくださらないのは、前から珍しくないことであるけれど

 

 

なほうらめしう聞こえたまふ

訳)やはり残念で申し上げなさる

 

 

【古文】

時々世の常なる御気色ばや堪へがたうわづらひはべりをもいかがだに問うたまはこそめづらしからことなれなほうらめしう聞こえたまふ

 

【訳】

時々世間並みである(妻らしい)あなたのご様子たいものだ。私が苦しく病んでましことをもせめてどうですかだけでもお尋ねくださらないのは、前から珍しくないことであるけれどやはり残念で申し上げなさる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【時々】…ときどき

■【は】…取り立ての係助詞

■【世の常】…世間並み

■【なる】…断定の助動詞「なり」連体形

■【御―】…尊敬の接頭語(光源氏⇒葵上)

■【気色(けしき)】…ようす

■【を】…対象の格助詞

■【見】…マ行上一段動詞「見る」未然形

■【ばや】…願望の終助詞

■【堪へがたく】…ク活用形容詞「堪へがたし」連用形

※【堪へがたし】…耐えがたい。苦しい

■【わづらひ】…ハ行四段動詞「煩ふ」連用形

※【煩(わづら)ふ】…病む。病気で苦しむ

■【はべり】…ラ変動詞「はべり」連用形

※【はべり】…丁寧の補助動詞(光源氏⇒葵上)

■【し】…過去の助動詞「き」連体形

■【を】…対象の格助詞

■【も】…強意の係助詞

■【いかが】…どうですか疑問副詞

■【と】…引用の格助詞

■【だに】…せめて~だけでも最低限の希望

■【問う】…ハ行四段動詞「問ふ」連用形ウ音便

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒葵上)

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【こそ】…強意の係助詞

■【めづらしから】…ク活用形容詞「めづらし」未然形

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形

■【ど】…逆接確定条件の接続助詞

■【なほ】…やはり

■【うらめしう】…シク活用形容詞「うらめし」連用形ウ音便

※【うらめし】…残念だ。恨めしい

■【と】…引用の格助詞

■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒葵の上)

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

葵の上と光源氏の夫婦仲は

いくら逢っても、溝が深まっていくばかり…・

 

光源氏の訴えが、

葵の上の耳に届くのでしょうか…?

ショボーン

 

 

 

 


 

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