【若紫48-2】☆「たてまつる」の識別☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳
2019年12月04日

【若紫48-2】☆「たてまつる」の識別☆

テーマ:┗【若紫】イラスト解釈

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源氏物語イラスト解釈

 

【これまでのあらすじ】

 天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。

 ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れます。そこである僧都の屋敷を垣間見ることとなります。

 

【今回の源氏物語】

簾すこし上げて、花たてまつるめり。中の柱に寄りゐて、脇息の上に経を置きて、いとなやましげに読みゐたる尼君、ただ人と見えず。

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 ☆ 古文オリジナル問題~「たてまつる」~☆

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簾すこし上げて、花たてまつるめり。中の柱に寄りゐて、脇息の上に経を置きて、いとなやましげに読みゐたる尼君、ただ人と見えず。

 

問)傍線部の敬語説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。

 

1.作者から光源氏への尊敬語


2.作者から尼君への謙譲語

 

3.作者から御花への尊敬語

 

4.作者から仏様への謙譲語

 

5.作者から御簾への丁寧語

 

笑い泣きゲロー笑い泣きゲロー

 

源氏物語イラスト訳では

このアプローチが効率的に行えるよう

ブログを展開しています。

 

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⑵ イラスト解釈

⑶ 古文単語

    上矢印

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「イラスト解釈」では、文法古文常識の力を、

 

この「イラスト解釈」のカテゴリでは、

古典文法を鍛えていきましょう♪

 

 

 

大学入試共通テストのプレテストをみると

資料A・Bの読み比べなど

複眼的思考力を問うものも多く出ていましたが

 

 

私は、上のような識別問題も

まだまだ出題される傾向があると思います。

٩(๑•̀o•́๑)و ☆

 

 

 

文法事項でも、今回の敬語の識別

チョームズに感じる人もいると思いますが…

 

 

 

上のような問題を何度も解き重ねて

ポイントをつかんでいきましょう!

チューおいで

 

 

今日のポイントはここ☆

ウインク下矢印ウインク

【たてまつる

【他動詞:ラ行四段活用】

①【「与ふ」の謙譲】差し上げる。献上する

②(人を人のもとへ)参上させる

③【「食ふ」「着る」の尊敬】召し上がる。お召しになる

④【「乗る」の尊敬】お乗りになる

【補助動詞:ラ行四段活用】

①【謙譲】~申し上げる。お~する

②(人のもとへ、使者を)差し上げる。お伺いさせる

 

 *Weblio古語辞典より

   

 

本動詞の「たてまつる」は

尊敬語謙譲語の両方の意があります。

 

 

1.作者から光源氏への尊敬語


2.作者から尼君への謙譲語

 

3.作者から御花への尊敬語

 

4.作者から仏様への謙譲語

 

5.作者から御簾への丁寧語

   上矢印

選択肢をみると

すべて「作者から」となっています。

 

 

そう。

地の文作者からの敬意表現でしたね。

ウインク

 

 

 

 

 

 

そして、

今回のポイント「たてまつる」の意味です。

 

 

もしも「たてまつる」が尊敬語なら

④の場合ですね。

 

 

しかし、この場合は

目的語が決まっています。

 

 

飲食物を⇒たてまつる(召し上がる

お着物を⇒たてまつる(お召しになる

車・輿に⇒たてまつる(お乗りになる

   上矢印

この場合が、尊敬語の「たてまつる」です。

 

 

しかし、今回の文脈では

 

を⇒たてまつる

 

ですよね。

びっくり

 

 

つまり、この目的語とのつながりでは

「たてまつる」は尊敬語にはなり得ません。

笑い泣き

 

1.作者から光源氏への尊敬語


2.作者から尼君への謙譲語

 

3.作者から御花への尊敬語

 

4.作者から仏様への謙譲語

 

 

では、いったい誰に対しての敬意なのでしょうか?

キョロキョロ

 

 

 

謙譲語は

動作の受け手に対する敬意表現です。

 

なので

 

2.作者から尼君への謙譲語

 

4.作者から仏様への謙譲語

 

花を「たてまつる」主語である尼君への敬意ではないはずです。

びっくり

 

 

 

 

 

えーじゃあ、目的語の「お花」に対する敬意なの?

 

 

 

 

 

謙譲語

あくまで動作の受け手(客体)に対する敬意表現。

 

 

目的語に対するかどうかは

文脈判断してくださいね!

 

 

花を―仏様に―お供えしている

 

という、S+V+O+O構文の文脈です。

 

なので、動作の受け手(客体)

」と「」です。

 

あとは、文脈判断と常識で考えてくださいねっ!

チューおいで

 

 

 

 

 

 

【答え】…

 

 

 

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