【夕顔415-3】古文単語「作りごと」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回は漢字のイメージで覚える古語です♪
【今回の源氏物語】
作りごとめきてとりなす人ものしたまひければなむ。あまりもの言ひさがなき罪、さりどころなく。
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今回出てきた古文単語
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■【作りごと】…作り話
■【―めく】…~のようである
■【て】…単純接続の接続助詞
■【とりなす】…取り沙汰する
■【人】…世間の人々
■【ものしたまふ】…いらっしゃる
※【ものす】…「あり」の代動詞
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒人々)
■【けれ】…過去の助動詞「けり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【なむ】…強意の係助詞
■【あまり】…あまりに。度を越して。必要以上に
■【もの言ひ】…ものを言うこと。話の内容
■【さがなき】…ク活用形容詞「さがなし」連体形
※【さがなし】…たちが悪い。口が悪い
■【罪(つみ)】…罪。欠点
■【さりどころなく】…ク活用形容詞「さりどころなし」連用形
※【さりどころなし】…避けられない
◇ 今回は「なむ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「作りごと」 ☆
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作りごとめきてとりなす人ものしたまひければなむ。あまりもの言ひさがなき罪、さりどころなく。
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.光源氏が人工的な人物像となることを避けたかったので。
2.この物語を嘘っぽく言う人をこらしめたいと思ったので。
3.作り話のように取り沙汰する人がいらっしゃったので。
4.光源氏のことを嘘つきのように言う人がいらしたので。
5.光源氏が帝の御子だというのは作り話だとされたので。
『源氏物語』第四帖「夕顔」のラスト部分です。
『源氏物語』は、あまたの女性たちと逢瀬を重ねた光源氏という貴族を主人公に描かれた平安王朝の長編物語です。
『源氏物語』の語り手は、
言わずと知れた、紫式部ですが
光源氏に仕えた女房の「問わず語り」
という体裁で描かれています。
『源氏物語』の主役である光源氏は、
正一位河原左大臣・源融(みなもとのとおる)をモデルにした
とする説が有力ではありますが
紫式部が描いた虚構(フィクション)
であることは間違いありません。
しかしながら、その内容には
少なからず、一条天皇の御代の宮廷事情が反映されている可能性も指摘されます。
『源氏物語』の作者紫式部は、
一条天皇の后である中宮彰子(藤原道長の娘)に仕え、
『枕草子』の作者清少納言は
一条天皇の后である中宮定子(藤原道隆の娘)に仕えました。
宮廷の複雑な事情は
すべて見知っているはずです。
ならば…
【作り事(つくりごと)】
【名詞】
…人が作った物。人工のもの。作り物
【作り言(つくりごと)】
【名詞】
…作り話。うぞ
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
ま、まさかまさかまさか――
これって、当時の宮廷の事実だったりして!
ならば――
神武天皇から今まで
126代続いてきた天皇家の血筋は…
…
【時期学習指導要領及び高大接続における古典のポイント】
・複眼的問題文の読み比べ
・複数の問題文の抽象化・要約
・客観的根拠・論理的視点による理解
新学習指導要領によると
「我が国の伝統的な言語文化に対する理解」を深め、
「古典などを通した先人たちのものの見方、感じ方、考え方との関わり」の中で伝え合う力を高め、
「他者や社会に関わろうとする態度」を養う。
とあります。
まさに、こういう問題にも
主体的・対話的に関わっていきたいものですね!
【答え】…3
作りごとめきてとりなす人ものしたまひければなむ。あまりもの言ひさがなき罪、さりどころなく。
● 過去記事リンク
■~めく
■ものす
■あまり
■もの言ひ
■さがなし
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