【夕顔389-2】「ぬべき」の文法理解☆
イラスト解釈では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
入試対応オリジナル問題を掲載しています☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。失意の中、喪も明け、光源氏はかつて関係のあった人妻の空蝉へ、そして一夜の逢瀬であった軒端荻へと、想いを馳せるのでした。
【今回の源氏物語】
なほ「こりずまに、またもあだ名立ちぬべき」御心のすさびなり。
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☆ 古文オリジナル問題~「ぬべき」~☆
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なほ「こりずまに、またもあだ名立ちぬべき」御心のすさびなり。
問)傍線部の文法説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.打消の助動詞+推量の助動詞
2.完了の助動詞+推量の助動詞
3.強意の助動詞+婉曲の助動詞
4.強意の助動詞+命令の助動詞
5.打消の助動詞+当然の助動詞
古典文法の助動詞は、
⑴ 文法的意味
⑵ 基本形および活用形
⑶直前の接続
この3つをそれぞれ正確に理解することから始まります。
以前、「うさぎとび」が問題になったことがありましたが
古文読解において、
助動詞の理解は必須!
メンドクサイけど
がんばって、まずは覚えてしまいましょう!
【ぬべし】
【連語:完了の助動詞+推量の助動詞】
①(「べし」が推量の場合)きっと~だろう。~してしまうにちがいない
②(「べし」が当然・義務の場合)当然~するはずである。~してしまわなければならない
③(「べし」が意志の場合)からしてしまうつもりだ。きっと~しよう
④(「べし」が可能の場合)確かに~できる。~できそうだ
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
こういうふうに、辞書にも載ってます。
けっこう古文で慣用的に出て来るんですね。
特に、「―ぬべき」と出て来た時には
私は「~てしまいそうな」と訳すと
しっくりくる場合が多いです。
もちろん、「強意+推量」の訳し方です。
1.打消の助動詞+推量の助動詞
2.完了の助動詞+推量の助動詞
3.強意の助動詞+婉曲の助動詞
4.強意の助動詞+命令の助動詞
5.打消の助動詞+当然の助動詞
ゼッタイに文法的意味の異なる選択肢をまず削除して
あとは、「べし」の文脈判断で決めましょう!
「ぬべし」の「ぬ」は「強意」だからと
飛びついてはいけませんよ!
センターレベルでは
「完了」という助動詞の種類のくくりで
出て来ますからね~;;
【答え】…2