内裏にも、聞こしめし、嘆くこと限りなし。御祈り、方々に隙なくののしる。祭、祓、修法など、言ひ尽くすべくもあらず。
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【源氏物語イラスト訳】
内裏にも、聞こしめし、
訳)帝におかれても、お耳になさって、

嘆くこと限りなし。
訳)嘆くことこの上ない。

御祈り、方々に隙なくののしる。
訳)御祈祷を、あちらこちらでひっきりなしに大声でする。

祭、祓、修法など、言ひ尽くすべくもあらず。
訳)祭礼や、お祓い、加持祈祷など、数え尽くすことができそうにもない。

【古文】
内裏にも、聞こしめし、嘆くこと限りなし。御祈り、方々に隙なくののしる。祭、祓、修法など、言ひ尽くすべくもあらず。
【訳】
帝におかれても、お耳になさって、嘆くことこの上ない。御祈祷を、あちらこちらでひっきりなしに大声でする。祭礼や、お祓い、加持祈祷など、数え尽くすことができそうにもない。
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■【内裏(だいり)】
■【に】
■【も】
■【聞こしめし】
※【聞こしめす】
■【嘆(なげ)く】
■【限りなし】
■【御―】
■【祈り】
■【方々(かたがた)】
■【に】
■【隅なく】
※【隅(くま)なし】
■【ののしる】
■【祭(まつり)】
■【祓(はらへ)】
■【修法(しゅほふ・ずほふ)】
■【など】
■【言ひ尽くす】
■【べくもあらず】
※【べく】
※【ず】
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☆本日の『源氏物語』☆
内裏とは、宮中、そしてそこにお住みになっている
今上天皇のことをさします。
要するに、光源氏の父帝のこと。
息子の衰弱した様子をお聞きになって、
加持や祈祷など、できる限りのことを行っているんですね。
光源氏の母、桐壺更衣が亡くなった時のことを
思い出されていたのかもしれません。

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