【夕顔269-3】古文単語「行き触れ」
いよいよ夏休みも終盤に入ってきました。
スケジュール通り、勉強できてますか?
目標は高く! あと少し、高く!!
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【古文常識】で文脈判別しましょ♪
【今回の源氏物語】
立ち返り、「いかなる行き触れにかからせたまふぞや。述べやらせたまふことこそ、まことと思うたまへられね」
と言ふに、
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今回出てきた古文単語
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■【立ち返る】…戻る。引き返す
■【いかなる】…どのような
■【行き触れ】…死者などけがれたものに会い、そのけがれを身に受けること
■【に】…対象の格助詞
■【かかる(掛かる)】…降りかかる。出遭う
■【せたまふ】…~あそばす。~なさる(最高敬語)
※【せ】…尊敬の助動詞「す」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(頭中将⇒光源氏)
■【ぞや】…~か。~であるか
■【述べやる】…言い及ぼす。言い切る
※【―やる】…すっかり~しきる
■【せたまふ】…~あそばす。~なさる(最高敬語)
※【せ】…尊敬の助動詞「す」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(頭中将⇒光源氏)
■【こそ】…強意の係助詞
■【まこと】…本当。真実
■【と】…引用の格助詞
■【思うたまへ】…存じて。思い申し上げて
■【られ】…可能の助動詞「らる」未然形
■【ね】…打消の助動詞「ず」已然形
■【と】…引用の格助詞
■【言ふ】…ハ行四段動詞「言ふ」連体形
■【に】…順接の接続助詞
◇ 今回は「ね」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「行き触れ」 ☆
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立ち返り、「いかなる行き触れにかからせたまふぞや。述べやらせたまふことこそ、まことと思うたまへられね」
と言ふに、
問)傍線部の意味として最も適当なものを一つ選べ。
1.どのような帝のお触れがあったのだろうか。
2.どのようなご命令を承ったのだろうか。
3.どのような穢れに出遭いなさったのか。
4.どのような事故に巻き込まれたのか。
5.どのような病気にかかって亡くなられたのか。
こういう問題は、大学入試、
特に、国公二次などでもよく出てきます。
一見、「行き触れ」という古語の知識確認問題ですが、
「行き触れ」なんて単語帳に載ってないですよねー!
(;・`ω・´)
【行き触れ(いきふれ・ゆきふれ)】
【名詞】
…死者などけがれたものに会い、そのけがれを身に受けること
※Weblio古語辞典より
まさに、こういう古語は、
単語の意味、というよりも、
古文常識として、文脈から読み解く問題です。
(σ・∀・)σ
光源氏は、宮中に参内できない理由として、
少しだけ真実も取り混ぜて、現実味を持たせて
頭中将に伝えようとしています。
遺体と一緒にいたってのはホント☆
ただし、亡くなったのは夕顔ですよね!
ウソの上手い人は、
すべてをウソで塗り固めようとせず、
真実の中に、少しだけウソを取り入れて言う人だ。
…って、古畑任三郎で言ってました。
頭中将は、ここまで光源氏の話を聞いて、
いったんは納得して帰ろうとします。
しかしながら、
「行き触れ」というのは真実なので
説得力があったものの――
下人の遺体と同じ家にいた…というのは、
…う~ん;; 少しムリがあったようで……;;
本当の「行き触れ」(穢れを受けること)を
教えてくださいよ! って言ってるんですね。
【解答】…3
立ち返り、「いかなる行き触れにかからせたまふぞや。述べやらせたまふことこそ、まことと思うたまへられね」
と言ふに、
● 過去記事リンク
■いかなる
■掛かる
■せたまふ
■ぞ・ぞや
■こそ
■たまふ
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