【夕顔207-3】古文常識「上童」
古文の意味問題は、単に知識を問うものもあれば、
前後の文脈から推察して考えるものもあります。
さて、今回はどっちでしょう?
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
この院の預りの子、むつましく使ひたまふ若き男、また上童一人、例の随身ばかりぞありける。
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今回出てきた古文単語
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■【この】…指示連体詞
■【院】…廃院のこと
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【預かり】…管理人
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【子】…息子
■【むつましく】…シク活用形容詞「むつまし」連用形
※【むつまし】…親しい
■【使ひ】…ハ行四段動詞「使ふ」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【若き】…ク活用形容詞「若し」連体形
■【男(をのこ)】…男の人
■【また】…また。それから
■【上童(うへわらは)】…殿上童
■【例の】…いつもの
■【随身(ずいじん)】…従者
■【ばかり】…限定の副助詞
■【ぞ】…強意の係助詞
■【あり】…ラ変動詞「あり」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
◇ 今回は「例の」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「上童」 ☆
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この院の預りの子、むつましく使ひたまふ若き男、また上童一人、例の随身ばかりぞありける。
問)傍線部の意味として、最も適当なものはどれか。
1.光源氏に仕えている殿上童。
2.管理人の長男。
3.夕顔に仕える女の童。
4.宮中から派遣されてきた内親王。
5.なかでも年長の子ども。
古文の意味問題は、
■重要古語の知識で考える
■前後の文脈から考える
この2つのポイントを意識して解くことが肝心です。
とくに古語は、丸暗記して答えられる知識よりも
前後の文脈から意味をつきとめるものの方が
出題されやすいです。
このブログで、文脈判断で解く力もつけていきましょうね♪
(o^-')b
【上童(うへわらは)】
【名詞】
①「殿上童(てんじゃうわらは)」に同じ
②貴族の家で、奥向きの用に仕える(女の)子供
古文によく出る常識語「上童」。
読みにも注意しましょうね。
今回は、内裏でなく光源氏が連れているので、
②の女の子というふうにも考えられますが…
渡殿の先で寝入っている状況から考えて、
②よりも①の意味で捉えたほうがいいでしょう。
【殿上童(てんじゃうわらは)】
【名詞】
…元服前の公卿(くぎよう)の子で、宮中での作法見習いのために特に許されて「殿上の間(ま)」に出仕している者
※Weblio古語辞典より
要するに、ちょっと身分の高い男の子ってわけ。
その子が、光源氏に仕えているんですね。
選択肢を見てみると…
1.光源氏に仕えている殿上童。
2.管理人の長男。(×)
3.夕顔に仕える女の童。
4.宮中から派遣されてきた内親王。(×)
5.なかでも年長の子ども。(△)
語義からすると、1か3かですが…
夕顔に仕えるのなら、
渡殿でなく夕顔の側にいるはずですよね!
(ㆁωㆁ*)
【正解】 1
この院の預りの子、むつましく使ひたまふ若き男、また上童一人、例の随身ばかりぞありける。
● 過去記事リンク
■預かり
■例の
■ばかり
■ぞ・ぞや
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