【帚木416-3】「主上」とは☆
源氏物語イラスト訳のあいです
さあ!今日は重要古語!
毎日、少しずつ入れていきましょぉ♪
(ノ´▽`)ノ
【今回の源氏物語】
「…らうたげに見えしを。身近く使ふ人にせむ。主上にも我奉らむ」
とのたまへば、
――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【らうたげなり】…かわいらしげである
■【見ゆ】…見える(ヤ行下二段)
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【を】…順接の接続助詞
■【身近く】…身近に
■【使ふ】…用いる。召し使う
■【人】…ここでは小舎人童をさす
■【に】…変化の格助詞
■【せ】…サ変動詞「す」の未然形
■【む】…意志の助動詞「む」の終止形
■【主上(しゅしやう)】…帝
■【に】…対象の格助詞
■【も】…列挙の係助詞
■【我(われ)】…私
■【奉る】…差し上げる(光源氏⇒主上への謙譲)
■【む】…意志の助動詞「む」の終止形
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…おっしゃる(作者⇒光源氏への尊敬)
■【ば】…順接偶然条件の接続助詞
↑単語の意味と文法的説明です。
―――――――――――
1.今日の古語 「主上」
―――――――――――
(名詞)
…天皇の尊敬語
*「学研全訳古語辞典」より
特に、今上帝(きんじょうてい)のことをさして、話し言葉の中でよく出てきます。
今上帝とは、
今、在位している天皇のことです。
要するに、
光源氏の父親、桐壺帝のことですね!
ヽ(゚◇゚ )ノ
―――――――――――
2.関連古語 「小舎人童」
―――――――――――
光源氏は、
空蝉の弟、小君を、自分の「身近く使う人」にしたいと、紀伊守に申し出ました。
平安当時の貴族たちは、
自分の世話をしたり雑用をしたりする少年を身近に召し使っていたようです。
そういう少年のことを、
小舎人童といいます☆
(^O^)/
(名詞)
…近衛の中将や少将が召し使った少年。転じて、広く、貴人が雑用に召し使った少年
*「学研全訳古語辞典」より
―――――――――――
3.関連古語 「殿上童」
―――――――――――
「主上にも奉らむ」とは、
光源氏が、
「父の桐壺帝にも、この小君を献上しよう」
と言っているのです。
ヽ(゚◇゚ )ノ
列挙の係助詞「も」があることから、
小君は、光源氏の小舎人童として仕えるだけでなく、
宮中に出仕して、桐壺帝の雑用もしたらどうか
ということのようです。
そういう少年を、殿上童と言います☆
(o^-')b
(名詞)
…元服前の公卿の子で、宮中での作法見習いのために特に許されて殿上の間に出仕している者
*「学研全訳古語辞典」より
…実は、
貴族の身辺に年少者が仕える制度
は、かなり古くからあったようで、
こうしたおそばに仕える美少年が、
主君の目に止まれば、寵愛を受ける
という関係性(少年愛?)が存在していたようです。
※Wikipedia「少年愛」参照
光源氏は、もちろん姉である空蝉との仲を取り持つ下心のために、
小君を利用しようと思っているのですが…
(`・д´・ ;)
あとの記述には、
小君と同衾(=共寝)している場面もあり…
ヽ(*'0'*)ツ
※またそのうち出てきます^^;
そういうかわいらしい様子の小君を、
まずは空蝉との連絡係として
自分のそばに仕えさせ、
ゆくゆくは、
光源氏が後見となって
殿上童として参内させよう。
任せておけ!
(°∀°)b
…ということですね。
もし、殿上童にでもなって、
帝の目に止まったら…
紀伊守の出世も間違いなし!
というわけです!
(;゚;∀;゚;)
【今回の源氏物語】
「…らうたげに見えしを。身近く使ふ人にせむ。主上にも我奉らむ」
とのたまへば、
● 過去記事リンク
■らうたし
■~げなり
■見ゆ
■使ふ人
■も
■のたまふ
ーーーーーーーーーーーーーー
今日もご訪問ありがとうございました☆
お役に立ちましたでしょうか?(o^-')b