* マイケル・ジャクソンのゼロ・グラビティの秘密 *
レジェンドとなったマイケル・ジャクソンのパフォーマンスは世界中の人を魅了しましたが、なかでも「スムーズ・クリミナル(Smooth Criminal)」でマイケルが見せてくれた「ゼロ・グラビティ」という動きは圧巻でした。
今日はCNN.comで取り上げられていたこのゼロ・グラビティと、それにかかわる英語表現をお伝えします。
CNNの記事では、ゼロ・グラビティは以下のように表現されていました。面白いと思ったのでピックアップしました。
Jackson and a few of his dancers lean forward 45 degrees, backs straight, feet flat upon the floor, and hold the pose until they return upright with little apparent effort.
わかりやすいように、まずブロックごとに区切ってみます。
Jackson and a few of his dancers / lean forward 45 degrees, /backs straight,/ feet flat upon the floor, /and hold the pose /until they return upright /with little apparent effort.
次に分解して1つずつ説明していきます。
Jackson and a few of his dancers →ジャクソンと彼の何人かのダンサーは
lean forward 45 degrees, → 45度に前傾して
(lean forward=前に傾く)
backs straight → 背中はまっすぐ
feet flat upon the floor, → 足は床にぴったりとつけた状態
(flat=平らな、upon=床との接触を示しています)
and hold the pose → そのポーズを維持し
(hold=ある状態を維持する)
until they return upright (直立状態に戻るまで)
(until=~まで、return=戻る、upright=直立状態)
with little apparent effort. → 簡単そうに
(withは状態を表します、little~ = a がついていないので「ほとんど~ない」、apparent effort=見た目の努力、)
ゼロ・グラビティの動きを見ながら各部分を読むと、イメージとして頭に表現が残ると思います。動きを頭でイメージしながら、口に出して言ってみてくださいね。
そして、全部をわかりやすくつなげると
「ジャクソンと彼の何人かのダンサーは、背中はまっすぐ、足は床にぴったりとつけた状態で45度に前傾し、一見簡単そうに直立状態に戻るまで、そのポーズを維持します」
となります。
この動きが公開された当初は、ワイヤーで上から吊っているのではないかといううわさも流れましたが、これには実は驚きの仕掛けがあります。
マイケルとバックダンサーが履いていた靴のかかとに、ネジをひっかけられるような仕掛けがあったんです。舞台の床にネジが仕込まれていて、そのネジを靴のかかと部分で引っかけて、自分の体重を支えていたのです。
実はこの特殊な靴は、1993年にマイケル・ジャクソンが「Method and means for creating anti-gravity illustion(反重力のイリュージョンを作り出す方法及び手段)」という名前で特許をとっています。
ゼロ・グラビティを動画でご覧になりたい方は、こちらのCNN.comのリンクからニュース記事を参照してください。このページの1つ目または3つ目の動画をクリックしてみてください。
この仕掛けのおかげで「ゼロ・グラビティ」は一見簡単そうに見えますが、実はかなりの危険がともなっているようです。
専門家によると、ゼロ・グラビティをできるようになるには、人並みはずれた筋力が必要で、バランスを失って倒れたら、脊髄だけでなくアゴや首の大きなケガにつながったり、普段はそんなに使わない背中や脚、腱を痛めるかもしれないと指摘しています。
実際、「スムーズ・クリミナル」がヒットしていた当初、靴の仕掛けを知らなかったファンは、マイケルのゼロ・グラビティを必死にまねようとしてケガをするケースがあったそうです。
ゼロ・グラビティでなくとも、ブレークダンスなどでケガする人も結構いるようなので、自己流ではなく専門家の指導を受けたほうがいいとニュースは締めくくっています。ダンスは安全第一で楽しんでほしいものですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。