『真面目な店長は潰されて去っていく』

ボディは一緒だと思いますが、着ているモノによって雰囲気が変わります。つまり基礎は一緒でも、その使い方によって表現はいくらでも変えられることを意味しています。怖いから同質化を求めてしまいますが、もっと挑戦的な個性を前面に出してはどうでしょうか。

羊のリーダーにひきいられた狼の群れと、

狼のリーダーにひきいられた羊の群れが、

たまたま草原で出会い、戦いになりました。

どちらが多く生き残るでしょうか？

※答えは最後に

『成果を出せない勉強会より、もっと実戦的な勉強会がやりたいとお願いしたんですが、先生が経営者と親しい方なのでそれはできないそうなんです。』

モノを選択する時に、本質で決めるなんていうことはなく、だいたいが好き嫌いです。

たくみに経営者に取り入って仕事を得ている賢い方はたくさんいらっしゃいます。

ただし現場は、どんどんと疲弊していくため悲しい現実を迎えてしまいます。

なぜなら実務的な責任は店舗責任者にあるからです。

どうして学ばせているのに成果を出せないのか？

そんなことを言われたら嫌になるのは当然ですね。

これはあくまで個人的な見解ですが、個の力を強くすれば、企業としても儲かりますし、個人としても実力がつけば良い転職ができます。

『個の力が弱いが、その集合体は強い』という考え方は美しいと思います。

別の切り口で表現すれば、力の弱い個への報酬は低く、採用しやすいのです。

しかし個の力が強くならなければ、集合体は強くなりません。

ただし強くするためには、集めただけではなくトレーニングが必要です。

もちろん個の力が強くても、集合体は弱いということはあります。（リーダーの問題）

それでも基本は、個の力を高めることで集合体の力は高まるのです。

個の力が強いとは、実務能力だけではなく、コミュニケーション能力も高いからです。

真面目な店長は、その業界に求められるコア（中心価値）を大切にします。

この考え方は王道であり、正しい。

しかしそれは同質化の選択です。

同質化市場は外側から縮小します。

なぜなら残る店舗はコアが強いからです。

それは資本力の差となって現れます。

つまり同質化の外周にいる資本力の弱い店舗から消滅していくのです。

悲しいことですが、真面目であるほど中心価値にこだわり、淘汰される側を選択してしまいます。

同時に管理責任者の精神は磨耗が進み、休みなく働きながら業績を落として行きます。

もはや睡眠時間も足りないような『うつ状態』の人に、まともな判断などできるわけがありません。

やがて追い詰められて店を去って行く運命です。

同じ業界の中にも、業績が好調な企業とそうでない企業があります。

よく聞かれる質問は、『何が違うのか？』です。

良い企業が良い理由は様々で、ひと言で『これだ』というものがありません。

しかし『何かあるでしょう？』

そのように問われるならば、やはり個性的な管理職（店長）がいらっしゃるということになります。

ただし気をつけていただきたいのは、『この立地なら、この資本力なら、この経営者ならば』という本質は除く、という条件つきです。

誰がやっても成功するような条件ではなく、これでは誰がやっても難しいだろう、という条件で成功させるという意味です。

市場は外周から削除されて小さくなります。

自分が外側にいることが分かっているならば、同質化は選ばないことが賢い選択です。

しかし自分がそのように考えても、周囲がそれに賛成してくれなければ、終わりです。

あなたは精神的に追い詰められて壊れてしまうかもしれません。

責任を取らされてクビになるかもしれません。

いづれにしても、ろくでもない結果が待ち受けていることだけは確かです。

誰がやっても難しい立地であり、この資本力で良くやっているな、普通なら撤退という判断だろ、という悪条件にもかかわらず好業績をあげているのは、店長の実力としか言いようがありません。

ただし、そのやり方は王道ではありません。

業界のコア戦略と呼ばれている『仕掛け』では、他の競合に太刀打ちできないからです。

そのため『良い店』には共通のセオリーがありません。

あるのは店長が持っている個性であり、他とは違っている独自性なのです。

※答え

狼は羊を食べますが、羊は狼を食べません。