『国内限定のサービス産業は苦しくなる』

タイガー魔法瓶の炊飯器「魔法のかまどごはん」をご存知でしょうか？米と水以外に必要なものは、「新聞紙」と「火」だけ、という優れものです。かまどを使った炊飯器が開発された背景には、「防災用品として使い、災害に備えてほしい」という思いがあるそうです。普段はキャンプで使うなどもできるそうで、中々のアイデア商品だと思います。（3月11日によせて）

ホワイトデーということで、イチゴのロールケーキを妻にプレゼント。

個人資産を持っている人と、持たない人で、格差が広がるのは、ピケティの『21世紀の資本』を持ち出すまでもなく、ほぼ確実な現状だといえます。

日本株が高値をつけようが、給料で働く若い人の生活は楽になりません。

インフレにおいて給料が上がり切らない状況にありながら、少子高齢化の人口構造から税金も社会保険料も、どんどんその負担が増えているからです。

さらに年金が心配な若年層は、今の時代自分で自分の老後資金を形成しなければなりません。

政府も新NISAへの誘導をしています。

しかしそれは株高には結びついても、実体経済への効果は限定的です。

インバウンド系の商売は、パンデミックが起きなければ成長が見込まれます。

しかし国内だけの商売では、少子高齢化が直撃してしまうのです。

資産を持たずに働く若い世代は、税金や社会保障費などで、働いても十分な所得は得られません。

そのような状況で新NISAへも配分するとなれば、遊興娯楽、娯楽費、などへの配分はかなり減ることになります。

それでも新NISAへ投資できる人はいいのでしょうが、生活だけで手一杯な人は利益を享受できません。

また多くの学生が奨学金を借りて、就職してから返済するわけですから、若年層は大変です。

団塊の世代が消費活動から遠ざかり、若年層を得たいところですが、そこに難しさがあります。

元々人数が少なく、さらに参加率が低いわけですから、簡単には行きません。

広告宣伝を仕掛けるしかありませんが、母数が少ないため費用対効果が悪くなって当然です。

しかしここで若年層を取り込めなければ、未来は暗いものになってしまいます。

お金のない若年層を取り込むことは、費用対効果を考えれば得策ではありませんが、あきらめるわけにはいかないでしょう。

現状が苦しい、インバウンドの恩恵を受けない国内サービス産業は、未来へ投資するほど余裕がありません。

人口減に比例して縮小する運命に逆らうことは難しいというのが、普通の結論だと思います。

その中で生き残りをかけたサバイバルが始まっているのです。

質が悪く、個性が無いものから順番に淘汰されて行くことは避けられません。

問題は、苦しい産業から未来がある若い人材が去り、新しい人材が入って来なくなることにあります。

産業の平均年齢が高くなり、全体に保守化傾向が強まることに現れるのです。

そこに自然淘汰が働くのでしょうが、ダウンサイジングは避けられない流れであり、解決策は投資そのものではなく、どのように投資するかを決めて運用する人材だといえます。

ＡＩの時代に突入し生産性が爆上がりする現在、人材が得られればチャンスがあるとも表現できるのではないでしょうか。

換言すれば、人材を得られなければピンチになることは避けられない、ということです。

客数が減る中で、数が少ない顧客単価の高いお客様を奪い合うとなれば、二極化が早まるのも仕方ありません。

かといって、顧客単価の低いお客様を奪い合うとなれば、母数が多くても利益単価が低いため、集め切れなければ経営が成立しません。

悩ましい時代の行く手はどうなるのでしょうか。