前回、
彼の思いと彼女の思いのすれ違い（愛情面）
でちょっとお話した
「愛のパラドックス」
ですが、
今回は
お互いがお互いを愛し
相手の幸せのために尽くしたのに
お互いの幸せを減ずる結果になってしまう
という部分を
もうちょっと解説していきましょう。
◎『賢者の贈り物』
お互いがお互いを愛し
相手の幸せのために尽くしたのに
お互いの幸せを減ずる結果になってしまう
っていうのの典型例が、
オー・ヘンリーの有名な短編小説
『賢者の贈り物』です。
まあ、ざっとあらすじを説明すると、
ビンボーな夫婦が
お互いに相手にナイショでクリスマスプレゼントを考えていてですねえ、
夫は愛する妻のために
妻の美しく長い髪をキレイにとかすためのくしを
プレゼントしようと思ったんです。
でもビンボーだからお金がないわけ。
だから、
自分の大事にしている懐中時計を売って
くしを買ったんですよね。
妻は愛する夫のために
夫が大事にしている懐中時計につける鎖がなかったので
それをプレゼントしようと思ったんです。
でもビンボーだからお金がないわけ。
それで自分の自慢の長い髪をバッサリ切って
かつら屋さんに売って
それで時計用の鎖を買ったんですよ。
で、クリスマスにプレゼント交換をしたわけですが、
お互いの贈り物は
どっちももう不要のものになってしまったわけですよね。
丸坊主じゃあ、くしなんてイラネーし、
肝心の懐中時計がないのに鎖だけあってもねえｗ
まあ話の結末としてはさ、
プレゼントは無用の物になってしまったけど
二人は何よりも大切な「愛」を贈り合ったのです・・・
・・・っていうオチなわけですけど、
これでいいんですかね？
相手のためを思う行動を取ったのに
結果として
相手の思いを裏切ることになってしまう
ということですよね。
◎よくある愛情のすれ違いパターン
『賢者の贈り物』に限らず、
相手のためを思う行動を取ったのに
結果として
相手の思いを裏切ることになってしまう
っていう例はいっぱいあるよね。
たとえば、
彼は彼女にナイショで指輪をプレゼントしようとして
彼女に隠れてバイトをしてるんだけど、
彼女の側は、最近の彼氏のつれない態度とか、
全然かまってくれない状況に不安を募らせて、
ついには別れを考え始めてしまう・・・。
とかね、
愛する家族を守るため
仕事に打ち込んで経済的な安定を図ろうと
頑張っていたお父さんなのに、
家族からは「仕事優先で家庭をかえりみない父親」と見られて
結局は家庭崩壊を招いてしまう・・・。
とかね。
なんでこういうことが起きるんでしょう？
どうしたらこういう状況は改善されるのでしょう？
まずはそこを考えてみてくださいな。
ってことで、
次回はこの「愛のパラドックス」を
別の視点から見ていきましょう。
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