テッサのような奔放さに振り回されるのはごめんだ、と思った。

ひどいじゃないか。

俺はジャスティンに大いに同情する。

正義か何か知らないが勝手に何の説明もせずに出かけていって殺されるなんて。

アフリカで行われている不正義はわかる。それを糺そうとする情熱もわかる。でもそれをジャスティンに相談もせず勝手に下らない男に身体をまかせるようなことまで約束して。

ヒロイズムに酔っているとしか思えない。

くだらねえよ。

ナイロビの蜂/洋画

¥3,551


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大きな麻薬取引がもつれ、殺し合いになったらしい現場。鹿狩りをしていた男が偶然その現場を見つける。現金がぎっしり詰まったケースまでそのままだ。男は用心深く、生き残りはいないか、追っ手が来ないかをたしかめながら現金を持ち去る。瀕死の生存者がいたが置き去りにする。自宅に戻ってもぬかりない。やがて追っ手がくることを想定し、一刻も早くこの場所を離れることを画策する。

夜中に、ふと置き去りにした男の命乞いが脳裏をよぎる。「水をくれ」その男はそう言った。鹿狩りをしていた男は水を持ち、もう一度あの場所にもどる。用心深いはずのこの男の行動様式こそ俺たちの日常だ。案の定、現金を持ち去られて怒り心頭の面倒な連中に遭遇する。
まったく愚かなことだ。瀕死の男だって見つけたとき助けたら生きていたかも知れない。しかし、いまさら生きているはずもない。鹿狩りをしていた男の、ふとよぎった善良な心が、命をかけた逃避行の引き金を引いた。
ギャングに遣わされた殺人マシーン、シガーがこの映画でもっとも印象に残る。牛を一撃で倒す火薬を使わない「銃」で、まったく無表情に出会う人間を片っ端から殺す。怖い・・・・・・・・か??
俺は、こいつに何とも言えないおかしさを感じた。こんな奴には出会いたくないが、虫みたいな奴じゃないか。髪型、風貌も変だし。妙に哲学めいたことを言っているが無神経で身勝手なだけだ。頭、悪いよ。痛覚も鈍いようだし。映画の終盤、車で交差点を通る場面があるのだが、俺は爆笑したぜ。くだらない。演出としても「アモーレス ペロス」みたいな感じ。しかもアモペロは、タランティーノの秀作「レザポワ ドッグズ」の下手な物まね。この作品の「不条理感」なんか、二番煎じ三番煎じなんだよ。

年寄り警官がいい味わいを出していた。あの顔の皺、眼鏡、ゆっくりなしゃべりかた。まごうことないテキサス人だ。このじいさんが、やれやれという感じに出てくるのがこの映画のタイトルの意味らしい。年寄りには住めない土地だぜ、というんだからな。せっかくのトミー・リー・ジョーンズも、日本ではCMのコメディタッチを連想し、味わいが半減だ。

殺人マシーンと、鹿狩りの男の追いかけっこが、はらはらどきどきで面白い。それぞれ、知力、体力の限りを尽くし、五分の勝負だ。カトゥーンみたいだぜ。トムとジェリー。一生、追いつ追われつのはずが、ふとした誘惑にのっていきなり終わりを迎える。これはいい。鹿狩りの男が、水を持って現場に戻った発端と同じくらい馬鹿げていていいなあ。感心した。

そのあとのエピローグっぽいところが意味ありげだけど大した意味を感じなかった。原作に忠実だそうで、必要な場面だと思いますが。

見終わって、徒労感を感じた。つまらなかったのだ。お金を払ってこんな気分で終わる映画は嫌だな。そんなにすごい映画かどうか、おれにはちっとも理解できなかった。出だしは面白かったんだけど。変な殺人マシーンが気にくわない。鹿狩りの男の間抜けさと用心深さの同居にリアリティを感じたのみ。見た、という話のたねにはなった。
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小松奈々=ハチ(宮崎あおい)は、先に多摩美の油絵科に進んだ、大好きな章司(平岡祐太)との新しい暮らしを夢見て、東京に向かう特急列車に乗る。偶然隣り合わせた大崎ナナ(中島美嘉)。北の街のバンドでボーカルを担当し、実力もある。同じバンドで同じ夢を追うレン(松田龍平)は、すでに東京のバンドで活躍している。不思議な成り行きで一緒に暮らし始めるナナとハチ。
        nana
雪深い北の街から音楽を志して上京する若者。

音楽に限らず、地方から学校に入るため、就職のため大都市に出てくる若者はたくさんいる。それまでつき合ってきた友達、恋人と別れ、旅立つ日のことは忘れないものだ。期待と不安でいっぱい。さまざまな感情がぶつかり合う。

大都市で一人暮らしを始めるだけでも負担は大きい。新しい暮らし、新しい仲間。学び取ること吸収することの多さに圧倒されつつ精一杯毎日を過ごす。いままで一度もアイロンなんかかけたことがなかった。ごみを出す日のことなんか知るもんか!クリーニング屋。洗濯もの。シャツのボタンが取れた。今日の雨、傘がない(陽水です。古!)。いちいちリアルな毎日に追われる。

故郷のすべてが過去のものとなり、恋人とのやりとりも途絶えがちになる。大人になる大事なステップ。
        hachi
ラブラブなはずのハチと章司は、どこかちぐはぐだ。ハチが夢見ていた章司との暮らしは噛み合わない。仕事を見つけ部屋を借りて自立することを迫られるハチ。

章司はバイト先で、同じ多摩美の油科(って言うんだってさ)の幸子(サエコ)と出会う。ハチとのことも曖昧なまま、深い仲になっていく。この男女、むかつくな!!女(サエコさん、ごめんなさい)の声!声優さんなのかな?アニメ声。勘弁してくれよ。ネコ耳がお似合いのアキバ系萌え女子。こいつが、あつかましいんだ。そんな女にうかうかとくっついていく章司。顔も見たくない!!

でもね。若い時ってこんなものかもしれない。そうも思います。何も決まっていない。一人前になれるかどうかもわからない。不安でいっぱい。そんな気持ちでいるのに、昔からの女が田舎から出てきて、べったり依存してきたら・・・。ううう、重苦しい。鬱陶しい!!ハチ。君のことだよ。夫婦気取りでフリフリエプロン。やめてくれ!!!(映画で章司は一言もそんなことを言っていませんが、俺が勝手に憑依して語ってみました。)

失恋の痛手はきついものだ。ナナにもそのようなことがあることが徐々にわかってくる。ナナはクールで格好いい。弱みは見せない。心に秘めた目標がある。ボーカルで、レンのバンドを抜いてやる!

ナナの恋愛も複雑だ。ナナ自身の意地と心の底の思いが分裂している。まだ、目標を果たしていない。目標を果たすまでは思いを遂げられない。でも本心は恋人についていきたい。葛藤して苦しむ。恋愛のダーク・サイドだ。

レンはギターの天才と言われている。ギターが誰よりもうまい。その秘密を語る場面がある。この映画の原作はコミックだ。原作者も手を使って一こま一こま書いていく。詳しく知らないが、漫画の作業量は膨大なものだろう。手作業を積み上げていくしかない仕事だ。技術が熟練するためにすべきこと。それはただ一つ。練習だ。原作者の言葉はその手仕事から出てきたものだろうな、と思った。

俺は、バンドをあまり聞いたことがない。下手くそな学生バンドばかり聞いてきた。うるさいだけ。耳が痛くなるほどがなり立てるバンド。この映画を見て、奴らは下手だったのだ、とわかった。中島美嘉の静けさのあるボーカル。レイラ(伊東由奈)の胸に響く美しい歌。ドラムもうまい人が叩くと静かなものだ。音量は大きいのだろうがピシッと決まっていて、整然と静かに心におさまる。バンドやりたいな。エレキが欲しくなった。この間、ベースを遊びで弾いてみた。ピッチが狂っていたので調弦をしたら、1オクターブ間違えて弦をバチっと切ってしまった。その程度です。

恋愛に悶々と苦しむ感じがリアル。現実の男女関係はあんな感じだよね。うっとりと恋愛に溺れるのは若者の物語ではない。他人ののろけをずっと聞かされるのはむかつくよな。この映画はそんな心配はありません。等身大に苦しむ恋愛のダーク・サイドがほろ苦く描かれています。

ナナとハチの友情が気持ちいい。ナナ、かっこいいね!真っ当な青春映画だ。若者と向き合いたければ見るがよい。

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「人形霊」 もう少し。

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この映画を楽しむのにはコツがある。とにかく、イム・ウンギョン演じる人形の「生霊」に感情移入すること。主人公に見えるキム・ユミに感情移入していると、なんだか損した気持ちになると思います。

そのほかにも、いい演技をする俳優が出てくるので、期待をかけているとあっけななく・・・・・ということに。(ご想像通りなのですが)。

恐怖もそれほど感じないかもしれません。音で驚く場面はあります。不気味な人形は相当怖いかも。人形はそれだけで不気味ですが、あり得ないほどあちこちに人形が設置されているので、困ります。
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   (スティル用の衣装。映画にはこの衣装では出てきません)

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         (人形のように無表情なウンギョン)
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        (ウンギョン人形を手にしているウンギョン)
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          (この場面も映画にはありません。)

余談:某映画評論家がこの映画を思い切りけなしています。その論点が、美少女が「怖いから一緒にトイレにいって」などと初対面の男に頼むのはおかしい、というのです。映画を見ているとそれはおかしくないよ。少女の気持ちを考えたら、絶対誰かについてきて欲しいと思う。直前に無惨に殺された人を見てるんだもの。それこそ評論家の「言いがかり」だと思った。それより、その「美少女」。女子高生なのだが、ファッションが思い切りへんてこ。勘違いオヤジが妄想で決めた悪夢のような衣装。かっこ悪い!俺はリアル韓国女子高生を何人か知っているが、あんなセンス悪くない。もっとも、受検が厳しい韓国では大学に入ってからデビューする女子が多く、高校生は日本人ほど身なりにかまっていられない感じですね。日本の普通の女の子たちは世界一おしゃれで可愛いと思うな、やっぱり☆

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古くおどろおどろしい洋館に集められる男女5人。 人形製作家のモデルに応募し選ばれた者だ。黒い服を着た人形製作家の女は見るからに怪しい。韓国映画「人形霊」 。昔懐かしいミステリ仕立てだ。クリスティの推理小説の設定。それぞれ宿泊する部屋も与えられるが、どの部屋にも不気味な人形が見張るように取り付け られている。
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この設定で忌まわしいことが起こらないはずがない。期待通り一人ずつ無惨に殺される。イム・ウンギョンは、人形の生霊として出現する。可愛い!!役名はミナとい う。ミナの人形も出てくる。欲しい!まさしくお人形さんの可愛らしさ!目が大きい。顔立ちが整っている。華奢な体つき。言うことない。後半、ダーク・サイドに落ちたアナキンのようなゴスロリ・メイクで、いつもと違うイム・ウンギョンが見られる。ファン必見!(俺だけ??)
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ミナの物語はあわれで、俺は泣いてしまった。この映画で泣くとは思わなかった。不覚だ。ミナが懸命に復讐を手伝うさまは、見ようによっては笑ってしまうが、けなげとしか言いようがない(笑)。ダーク・サイド・モードのミナが過去を思い出す場面は、ファンタジーとして出色の出来です。大好きです、こういう話。
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人形は不気味だ。女子は人形を捨てたり焼いたりしたことがあるだろう。俺にはそのような経験がない。大学時代、それまで係わったこともないお嬢様と付き合ったことがある。大企業の重役の娘で、絵に画いたような大邸宅に住んでいた。

その女子が、少女時代からの人形が捨てられず、高校になってやっとそれらを焼いた話を聞いた。どのように焼け焦げていったか、どのような音がしたか、どのように寂しい感情を持ったか、何度か話してくれた。俺には、金持ちも、大邸宅も、人形もまったく知らない話だったので、すべてを克明に覚えている。
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人形の生霊が現れる理由が語られる。集められた5人がなぜ殺されなくてはならないのか、理由も説明される。冒頭に語られる事件の復讐だ。世代を超えてその怨みは長い。韓国は儒教が生きている国なので、「魂魄この世に留まりて・・」の感覚だ。
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魂魄とは、魂(たましい)と骨のことだ。儒教の死生観では、死者の世界は、いま生きているこの見える世界と同じ空間にある。同じ空間に死者の魂は存在し、骨も存在する。魂魄はこの世に留まっているのだ。だから儒教は先祖を大事にする。同じ空間にいるから。日本にある仏壇の位牌は仏教の物ではなく、儒教の札を貼る板から来ている。その板に死者の名前を書いた紙を貼り、何代だか忘れたが、一定の期間、この地上空間を共有している間、名前を忘れないようにするのだ。骨もきれいに洗って、大切に保存する。骨のある限り、死者はこの世に死んだ状態で存在していると考えるのだ。

日本の葬式仏教には、儒教や道教の言い伝え、行事がまぜこぜに入っている。お盆なんて仏教にはあり得ない。仏教は死者はその瞬間どこかに生まれ変わってしまうので帰ってなんかこれない。儒教の先祖崇拝と道教の火を燃やすなんかの言い伝えが混じっているのだ。単なる民間習俗に過ぎない。

韓国では12世紀の元寇以来、蒙古の食文化が根付いたそうだ。大皿に盛り上げた焼き肉を一族揃って食べる食習慣も蒙古流だという。

ソウルに滞在した折、行く先々で食べきれないほどの料理を用意して頂き、大いに楽しんだ。料理の皿を空にするのは失礼なのだそうだ。空っぽの皿は「足りない」「不満足」を意味してしまう。どこのプルコギの店でも、目の前の鍋にどんどん継ぎ足してくれるので、事実上の食べ放題だ。これは嬉しかった。

たくさん食べた後、一杯の冷たく甘いスジャンカを頂く。濃い味に疲れた口の中が一気に爽やかになる。韓国の食文化の奥行きを味わった。

この映画も、濃厚な味わいだ。敵が次々に現れて、一難去ってまた一難。何度も何度も恐怖を追い打ちする。

値段以上に楽しんだ。ミステリ仕立てがうまくいっている。人形にまつわる復讐譚として面白く見た。女子はほろっとすると思うよ。イム・ウンギョンに興味がある人(俺だけ???)は絶対に見ろ!!!損はない。

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韓国映画「人形霊」

人形はなんだか怖い。オカルト全否定の俺だが、不気味さを味わうことは好きだ。

華奢で可愛いイム・ウンギョン!いよいよスクリーンで見られます。楽しみ!!
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人形霊を演じる、イム・ウンギョン。
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この夏公開される韓国映画「人形霊」 。タイトルだけで怖い。

イム・ウンギョンは、KBSの「ボディ ガード」 に出演している。ケーブルテレビのMystery Channe l で見られる。

華奢で可愛い、イム・ウンギョン!

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人形霊を演じる、イム・ウンギョン。
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Johny Depp の美形ぶりを楽しむ映画。


アカデミー賞でも、Depp にしか似合わないブルーのタキシード。前髪を長くたらし、眼鏡に髭。ぼそぼそとしゃべるあの男が世界一もてるのだ。その秘密を見てみたいではないか。


髪をあげて髭を剃り、イギリスの脚本家を演じるDeppは美しい。まぶしすぎる。日本で言えばもっくんに似ている。日本の美形好きの女子は、Deppと、もっくんで決まり。大部分の男子は、潔くこの二人を認める以外に方法がない。美しさも才能だ。


作品は、静かな演出で淡々と進む。Kate Winslet も、子持ちの未亡人を貫禄で演じる。イギリス英語が端正です。


Peter Pan を書くきっかけになるPeterとのやりとり。Peterは、なかなかDepp を認めない。反発し拒絶する。その理由をきちんと言葉にして激しくDeppにぶつける。


日本の子供だったらどうだろう。「今、会いに行きます」の子役。はじめに母親がこの世にいないことが示される。その上で、鼻にかかった甘え声で自分の父親を「たっくん・・・」などと呼ぶ。実際、その哀れっぽさに負けて泣いてしまうのだが。。。


Peter は違う。最後まで、厳しくDeppに詰め寄る。息苦しい緊張がある。しかしPeter は葛藤の後に、養父となるDeppに謝罪をし、その愛情を受け入れる。


子役が特に愛らしい容姿をしているわけではない。普通の子供が内面の葛藤と戦い自分で決定し言葉にする。その成長の瞬間を見ることで涙があふれた。


Kate Winslet が病で天国に召されていく場面の美しさと悲しさは、映画でしか味わうことの出来ない特別なものだ。

ナショナル トレジャー

テーマ:

信じがたい退屈さ。面白いと言う人が多いのに。興行成績もいいらしい。


なのに何?この映画。子供だましもたいが いにして欲しい。


主人公のニコラス ケイジは、何の根拠もなく、確信をもって北極に出かける。金持ち?しかもそこに、都合のいい「暗号」や「鍵」が転がっ ている。


この出だしからすごく厭な予感。予感はついに最後まで裏切られることなく、主人公たちはお宝をゲットして終わり。あほか。


何が厭だといって、国宝 の古文書に「暗号」があるはずだから(何で?)盗み出し、レモンの汁をかけるところ。小学生の年賀状の汚いあぶり出しかよ。手垢まみれの「フリー メイス ン」ねたもいい加減にしてくれよ。


何も考えられないガキにおすすめ。少しでも知性を働かせたい映画好きは見たら損する。はやる映画は、映画好き以外が見ているからはやるんだ、ということで。