【夕顔109-3】古文単語「あなづる」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
【古文単語の主なパターン】
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…高校生がほぼ使わない死語?
【今回の源氏物語】
かりにても、宿れる住まひのほどを思ふに、「これこそ、かの人の定め、あなづりし下の品ならめ。その中に、思ひの外にをかしきこともあらば」など、思すなりけり。
――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【かりに】…ナリ活用形容動詞「仮なり」連用形
※【仮なり】…一時的だ
■【ても】…~であっても
※【て】…単純接続の接続助詞
※【も】…強意の係助詞
■【宿れ】…ラ行四段動詞「宿る」已然形
■【る】…存続の助動詞「り」連体形
■【住まひ】…家。住まい
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【ほど】…程度
■【を】…対象の格助詞
■【思ふ】…ハ行四段動詞「思ふ」連体形
■【に】…順接の接続助詞
■【これ】…指示代名詞。夕顔の君をさす
■【こそ】…強意の係助詞
■【かの人】…あの人。頭中将をさす。
■【の】…主格の格助詞
■【定め】…マ行下二段動詞「定む」連用形
※【定む】…議論する。意見を出し合う
■【あなづる】…軽蔑する
■【し】…過去の助動詞「き」連体形
■【下の品】…下の身分
■【なら】…断定の助動詞「なり」未然形
■【め】…推量の助動詞「む」已然形
■【その】…指示連体詞
■【に】…場所の格助詞
■【思ひの外に】…ナリ活用形容動詞「思ひの外なり」連用形
※【思ひの外なり】…予想外だ
■【をかしき】…シク活用形容詞「をかし」連体形
※【をかし】…興味深い。面白い
■【も】…強意の係助詞
■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形
■【未然形+ば】…~ならば(順接仮定条件)
■【など】…引用の副助詞
■【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【なり】…断定の助動詞「なり」連用形
■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形
◇ 今回は「め」の用法に注意しましょ♪
――――――――――――――
☆ 本日の古文単語「あなづる」 ☆
――――――――――――――
要するに…
あなどる(侮る)
ですね!
古語辞典で確認してみると…
【あなづる(侮る)】
【他動詞:ラ行四段活用】
…軽蔑する。あなどる
*Weblio古語辞典(学研全訳古語辞典)より
ではここで、入試対策問題をひとつ☆
かりにても、宿れる住ひのほどを思ふに、「これこそ、かの人の定め、あなづりし下の品ならめ。その中に、思ひの外にをかしきこともあらば」など、思すなりけり。
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.見下した下等身分の女
2.劣っている下等身分の女
3.全くふがいない下品な女
4.どうにもならなかった下っ端の女
5.もう亡くなったはずの下品な女
傍線部の意味解釈のポイントは
重要古語と、文法事項です。
過去の助動詞「し(き)」もお忘れなく☆
(σ・∀・)σ
正解…1
かりにても、宿れる住まひのほどを思ふに、「これこそ、かの人の定め、あなづりし下の品ならめ。その中に、思ひの外にをかしきこともあらば」など、思すなりけり。
● 過去記事リンク
■ても
■も
■こそ
■か・かの
■をかし
ーーーーーーーーーーーーー