【夕顔20-3】古文単語「おこたる」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はホボホボ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
現在と異なる意味を持つ古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
「日ごろ、おこたりがたくものせらるるを、安からず嘆きわたりつるに、かく、世を離るるさまにものしたまへば、いとあはれに口惜しうなむ。…」
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今回出てきた古文単語
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■【日(ひ)ごろ】…何日もの間
■【おこたる】…病気が治る
■【―がたく】…ク活用形容詞「―がたし」の連用形
※【―がたし】…~しにくい。~するのが難しい
■【ものせらる】…いらっしゃる
※【ものす】…いる。ある
※【らるる】…尊敬の助動詞「らる」の連体形
■【を】…対象の格助詞
■【安からず】…心安からず。心中穏やかでない
■【嘆き渡る】…ずっと嘆いている
■【つる】…完了の助動詞「つ」の連体形
■【に】…単純接続の接続助詞
■【世を離るる】…ラ行下二段動詞「世を離る」の連体形
※【世(よ)を離(はな)る】…出家して俗世を離れる
■【さま】…ようす
■【に】…状態の格助詞
■【ものしたまふ】…いらっしゃる
※【ものす】…いる。ある
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒尼君)
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【いと】…とても
■【あはれに】…ナリ活用形容動詞「あはれなり」の連用形
■【あはれなり】…もの悲しい
■【口惜しう】…シク活用形容詞「口惜し」連用形のウ音便
※【口惜(くちを)し】…残念だ
■【なむ】…強意の係助詞
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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今回の古文単語 「おこたる」 ☆
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マイナビ(2015/5/18)の記事によると、
現代とは意味が異なる古文単語として、
「おこたる(=病気が治る)」が第1位に輝いていました。
ヽ(*'0'*)ツ
【名詞】
①休む。なまける
②病気がよくなる。快方に向かう
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
これは、
現代とは意味が異なる古文単語について
マイナビの読者440名に聞いた結果だそうです。
ちなみに、
第2位【あたらし(=惜しい)】
第3位【かなし(=かわいい)】
第4位【いとほし(=いじらしい)】
第5位【おどろく(=気がつく)】
というアンケート結果だそうです。
これらすべて、
現代の言葉とはイメージのつながらない古語なので、
大学入試問題にも頻出なんですよね~♪
(o´・ω・`o)ノ
さて。今回の「おこたる」☆
現代の「怠る・怠ける」の意味とは、
真逆、というようなイメージ;;
これ、「怠」という漢字が、
「心」に「台(とどめる)」という象形なので、
仏教的に、
「魂がとどまる」というようなニュアンスなのかな、
と思ったりしますが…
ウィルスが仕事を怠って⇒病気が治る
という語呂暗記のほうが覚えやすいかも、ね♪
(o^-')b
「日ごろ、おこたりがたくものせらるるを、安からず嘆きわたりつるに、かく、世を離るるさまにものしたまへば、いとあはれに口惜しうなむ。…」
● 過去記事リンク
■日ごろ
■―がたし
■ものす
■いと
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