【空蝉47-3】古文単語「さかし(然かし)」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。
…ですが、今回の古語は、
見分けのつきにくい古文特有語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
「さかし、されども」とをかしく思せど、「見つとは知らせじ、いとほし」と思して、夜更くることの心もとなさをのたまふ。
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今回出てきた古文単語
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■【さかし】…そうだね。なるほどそうだ
■【されども】…しかし
■【と】…引用の格助詞
■【をかしく】…シク活用形容詞「をかし」の連用形
※【をかし】…興味深い。おもしろい
■【思せ】…サ行四段動詞「思す」の已然形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ど】…逆接の接続助詞
■【見】…マ行上一段動詞「見る」の連用形
■【つ】…完了の助動詞「つ」の終止形
■【と】…引用の格助詞
■【は】…強意の係助詞
■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」の未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」の未然形
■【じ】…打消意志の助動詞「じ」の終止形
■【いとほし】…かわいそうだ。気の毒だ
■【と】…引用の格助詞
■【思し】…サ行四段動詞「思す」の已然形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【夜更(ふ)く】…夜が更ける
※【更くる】…ラ行下二段動詞「更く」の連体形
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【心もとなさ】…待ち遠しさ
■【を】…対象の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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本日の古語「さかし(然かし)」☆
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「さかし」というと、
「賢し(=かしこい)」がまず古文の重要語として浮かびます
ですが、今回の場面では、
「賢し」は…ちょっと不自然かも…
「いかでか、さははべらむ。格子には几帳添へてはべり」と聞こゆ。
「さかし、されども」とをかしく思せど、「見つとは知らせじ、いとほし」と思して、夜更くることの心もとなさをのたまふ。
光源氏が、小君に、垣間見を所望したところ、
小君は…
光源氏がすでにこっそり垣間見したことを知らずに、
できませ~ん! 無理無理~!
…と、光源氏の要望を一蹴します。
この文脈で、
…こういう内容の「さかし」は、不自然ですよね~
【連語:副詞「然(さ)+終助詞「かし」】
…そうだね。なるほどそうだ
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
へぇ~!
こんな「さかし」もあったのか!!
(o´・ω・`o)ノ
今回のように、「さかし、されども」などと、
「さ(然)」という指示語の連続に
着目しましょう!
(o^-')b
「なるほどそうだ」と、いったん譲歩しておいて、
「そうであるが、しかし…
実は、もう垣間見ちゃってるんですけど~」
…と、本題を心に隠し持っているんですね!
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
「さかし、されども」とをかしく思せど、「見つとは知らせじ、いとほし」と思して、夜更くることの心もとなさをのたまふ。
● 過去記事リンク
■されど
■をかし
■見る
■いとほし
■のたまふ
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