※、下記は見出しではなく「盲腸(虫垂炎)手術」時の内容をまとめた一つの物語。クリックすることで全編購読可能。↓
一話:腹痛が実はアッペだった?愕然!
二話:アッペで緊急入院!たまにある話
三話:アッペ急性虫垂炎驚異の回復力!
五話:盲腸の手術って剃毛するの?
六話:盲腸で剃毛?事実はもっとヤバい!
七話:尿道カテーテルという物体の惨劇!
八話:入院して病気になる?お驚く失態!
九話:炎症を起こしていた盲腸の軌跡!
十話:病院での死という現実に・・・!
十一話:入院中の夜は睡眠不足?
十二話:原因不明の病気?
十三話:並みの回復力じゃない!
十四話:この歳でも背は伸びる!
十五話:足指のツボ押し効果は身長を促す効果だけではない!>
iPhoneを片手に、ボトルの綾鷹をデイルームで飲んでいた。
ふと横を向くと、普段病院では見慣れない服装の人が詰所の前に立っていた?
見慣れない服装といったのは、その人が着ていたのは「オーバーオール(つなぎ服)」だったからだ。
病院の中で見る服装であれば、白衣の看護師さんや医師、それに事務服姿の事務員さんや清掃係の人たちぐらいだ。
目立って仕方ない!しかも、夕食も終わり今の時間は夜の8時ごろだ。
周りにも、ほとんど人の気配がない状況だから余計目立ってしまう。
「誰だろう、こんな夜中に?」・・・気になって仕方ない!・・・「これから、何かの作業が始まるのか?」
iPhoneを見ながら、時折見ていた。
作業を始めるわけもなく、詰所にいる看護師さんと何やら話をしながらスマホを片手にやり取りしている様子だ。
しばらくすると、話しがまとまったのか動きがあった!
と、そこへ一人の看護師さんがストレッチャーを押してきた。
オーバーオール姿で待っていた人がそのストレッチャーを押し、詰所前の病棟のなかに入っていった。
続いて二人の看護師さんも入っていった。
しばらくすると、ストレッチャーが押されて出てきた。
見ると、ストレッチャーの上に何かの荷物らしき物を載せていた。
一瞬この光景を見た限りでは、患者さんの家族が荷物を取りに来たのかと思った。が、よく見ていると何やら様子がおかしい?
ストレッチャーをよく見ると、どうやら荷物ではなく人が載せられているようにも見えた。
しかも、人にしては身体すべて囲っている。・・・?
と、わたしはその瞬間、気がついた!・・・・・「ご遺体だ!」と!
ストレッチャーが押されていくその後を、普段の活気あふれる動作からは別人にも見えてしまうような元気のない看護師さん。いつもの元気な動作とは別物に見える足取りだ。
いままで、幾度となく病院に訪れ入院も数多くしてきたが、このような光景を見たのは生まれて初めてだったと同時に、唐突過ぎる光景に衝撃も受けた。
改めて人の死を目の当たりにしてしまったショックと、身に詰まった切ない気持ち。
今、病気が改善傾向にあるなどと浮かれた考えをしていたわたしだが、思わず人生の現実を目の当たりにしてしまったと感じた。
ふと、むかし両親が他界したときの状況が脳裏をよぎっていた。・・・・・
そして、他人事では済まされない歳になった自分の置かれた状況に、グッと胸に詰まる思いがこみ上げ、胸がいっぱいになってきた。
しかし、今はそんなことを言ってはいられない。
わたしには明日の生活が待っている!一刻も早く退院して生計を維持していかなければ!と、痛む腹に「早く治れ!」と活を入れた。
また考えたくはないが、院内ではこのような出来事が日常茶飯事だろう。
しかも、その中で日々忙しく常勤している看護師さんたちの気持ちを思うと、感慨深いものがあった。
「強い!こんな強い精神で日々働いているのか!」と思うと、凄いというか尊敬に値するとも思ってしまった。
いまコロナ渦の中、懸命に働いている看護師さんに対し、誹謗中傷的行為など、よからぬ考えの意見も耳に入ってくる。
しかし、もし今わたしが仮にコロナにかかったとしたら、ベッドで横たわっているわたしたちから見た看護師さんがどう見えるのだろう?
真っ先に命を預けることになる看護師さんを目の前にして抱く感情の中には、きっと救いの天使が表れたようにも感じることだろう!
この光景はまさに、感謝に尽きるとしか表現できない。
今一度、日々の生活の中での手洗いやアルコール消毒、また言動など一挙一投足を見直してみようと心に誓った出来事だった。