憲法と歴史と左右の主張の非整合性 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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日本国憲法の簡単な歴史的経緯

 日本国憲法の成立の経緯はよく右派からは「アメリカから押し付けられたものである」、左派からは「いやいや、これは正式なものである」と解釈のちがう歴史的経緯が存在します。wikiからざっと引いてみます。

1945年(昭和20年)8月15日に、ポツダム宣言を受諾して連合国に対し降伏した日本政府は、そこに要求された「日本軍無条件降伏」「日本の民主主義的傾向の復活強化」「基本的人権の尊重」「平和政治」「国民の自由意思による政治形態の決定」などにより、事実上憲法改正の法的義務を負うことになった。そこで連合国軍占領中連合国軍最高司令官総司令部の監督の下で「憲法改正草案要綱」を作成し[1]、その後の紆余曲折を経て起草された新憲法案は、大日本帝国憲法73条の憲法改正手続に従い、1946年(昭和21年)5月16日の第90回帝国議会の審議を経て若干の修正を受けた後、同年1946年(昭和21年)11月3日に日本国憲法として公布され、その6か月後の翌年1947年(昭和22年)5月3日に施行された[1]

 最初の概要についてwikiではその経緯にたいして言明することは避けているようですが、右派が主張する「アメリカから押し付けられたもの」というのは「GHQの監督のもとに草案が作成された」ということ。そして左派は「いやいや、あれは正式なものだよ」と主張するのは大日本帝国憲法の改正手続きに従い、国会を経ていることと関係していると思われます。

 肝心なのは「国会を経ている」という部分で、当時の日本が完全に主権を失っていたのか、それとも一部の主権を失っていただけなのか?という話に帰結するように思いますが、これは「一部の主権を失っていた」というのが正解のようです。

 「とはいってもアメリカには逆らえなかったじゃないか!」というのもまた事実でしょうし、この曖昧な話というのが憲法議論の根底にはあるのでしょう。

戦後70年間、改憲をしなかった日本

 私は「戦後70年間も改憲しなかった」という経緯のほうがかなり重要だと思っております。サンフランシスコ講和条約の後にも改憲というのは全く行われませんでしたし、これはなかなか特殊な話でありましょう。同じ敗戦国のドイツにおいても改憲は何度となく行われたわけですから、この部分での日本の特殊性というのはちょっと世界には見当たらないのではないでしょうか?

 この点に着目すると「当初はアメリカから押し付けられたのかもしれないが、70年間使用してきたという事実において日本国民は日本国憲法を認めている」と解釈するのが自然ではないでしょうか?

 

 そして右派の唱える「改憲」とはこのような経緯に着目する時に、上記の「戦後70年間、国民が認めてきた」という事実があるから「改憲」という結論になっている部分があるんじゃないか?と思います。

 つまり「アメリカから押し付けられたんだ」という論理建てであれば、憲法そのものを破棄して大日本帝国憲法に戻すというのが筋論でしょう。

※もっとも日本国憲法は一応、大日本帝国憲法の憲法改正手続きに則っているので、この手続自体が「アメリカからの押しつけである」とする論理建て、つまり当時の日本はアメリカに対して異議を唱えられなかったとすることが必要になってきます。

 

 逆に左派は立憲主義などを持ち出して護憲を主張するわけですけれども、これまた論理的にはおかしな話です。なぜならば憲法96条には憲法改正規定が存在しておりまして、憲法を尊重するのであれば改憲もまた正当な手続きで可能でありますから、立憲主義に立つのであれば改憲を肯定しなければならないはずです。改憲を基本的には肯定しつつ、「この条項にかんしては反対である」とするのが筋論でしょう。

 

 上記から見えてくるのは右派、左派ともにどうも論理建てとしてはねじれている、ということです。立憲主義に立脚するのであれば改憲は基本的に選択肢としては肯定するべきでしょうし、またアメリカから押し付けられたものであるという認識ならば憲法破棄が筋論です。

 私はイギリスのような不成文憲法が理想ではあるのですけれども、それはほとんど無理でしょう(笑)なので憲法議論に関しては「現行憲法を認めつつ、その憲法に書かれている改正条項も当然認める。従って改憲に関しては選択肢として肯定する。しかし自民党の憲法草案は最悪なので絶対イヤだ。9条2項に関しては削除で問題ないと思っている」というものです。

 つまり立憲主義と民主制の立場から「憲法改正は当然の選択肢であり権利」と肯定している、しかし悪い方向に変わるのならば、もしくは9条3項追加などの筋の悪い改憲には反対となります。

なぜ誰もアメリカ軍に出て行けといわないのか?

 現在の日本は体裁上は主権国家ということになっています。実態的にはアメリカの属国、もしくは保護領といっても過言ではありませんけれども。私は基本的に自主独立をするべきだ、日本人のことは日本人に決めさせろ!アメリカは干渉してくるな!と思っています。アメリカが干渉してくるとたいてい、最近はろくな事になりません。グローバリズムも新自由主義も市場開放も、中国との協調路線もリーマン・ショックも全部失敗だったじゃないか!というわけです。

 

 左派は護憲で自主独立放棄のわりに、アメリカ軍基地にたいして「出て行けー!」とやっている。これも意味がわかりませんが、右派は戦前のノスタルジーにひたり戦前回帰という話も出てくるくらいなのに、なぜか自主独立と在日米軍の撤退という話は絶対にしない。

 おおよそ明治維新から大東亜戦争までの大きな流れを見る時に、その根底には「尊皇攘夷」が流れていたはずです。現在の右派は「尊皇従夷」という矛盾したスタンスではないか?と思うのですね。

 このスタンスもたとえば真正面から「皇統を守るためには、今は従属国でも仕方がないんだ。臥薪嘗胆だ」とするのならば好感は持てます。しかし実際の右派はアメリカに従属しているという認識すら持っていないでしょう。

 

 左派は左派で米軍基地に「出て行けー!」とやるのは良いとしても、では実際に出ていったらどうするのか?というと「憲法9条があれば侵略されるはずがない」というお花畑議論になります。竹島も北方領土も、そしていまは中国が尖閣諸島を狙っていることも明白でしょうに、現実を無視して認知不協和を起こしているわけです。

 ウーマンラッシュアワーの村本さんが朝ナマで「尖閣諸島はあげちゃいばいい(注:自衛隊員が死ぬくらいだったら、ということらしい)」という発言をしておりましたけれども、国土、領海、国民の生命および財産などを守るのが国家というコミュニティの最低限の義務です。この義務が果たされないということは、国家そのものが崩壊する話になりかねない。つまりは日本ではなくなるというわけです。

 では自衛隊員も国民じゃないか!という反論は当然ながらありうるわけですが、だからこそ他国とのパワーバランスを保つことが必要になってくる。つまりは抑止力を保持することこそが、自国民の犠牲を出さないために必要な措置になるというわけです。

 要するに自衛隊の予算を今の3~4倍にしてしまえば良い・・・(笑)もしくは財政出動をして経済成長すれば防衛費も増えてくるでしょう。

 

 パワーバランスという話で言及しておきますと、じつは中国の軍事費というのは2%弱(GDP比)なのだそうです。逆に20年間もGDPを成長させなかった日本側こそが東アジアのパワーバランスを崩しているとすら解釈可能なのですよ。東アジアの不安定化の要因の1つは日本にある、とすらいえます。

 パワーバランスを保って地域の安定に寄与するのも国際貢献の一種だと考えると、日本はそれを怠ってきたということになります。

 このような視点から見てみるのもまた面白いと思います。

 

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本日の男の料理 チキン南蛮

 タルタルソースは面倒くさいので市販のもので(笑)

材料

  • 鶏胸肉
  • 小麦粉
  • 胡椒
  • サラダ油

調理手順

  1. 鶏胸肉には塩コショウで下味をつけます。卵は溶いておきます。
  2. 鶏胸肉に小麦粉をまぶしてから溶き卵にくぐらせて、170度程度のサラダ油であげれば出来上がり!

 タルタルソースは玉ねぎ、パセリのみじん切りにマヨネーズ、レモン汁、塩、胡椒を混ぜ合わせれば出来上がりです。私は醤油大魔神なので醤油少々を隠し味に入れます。

 

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