プライマリーバランスに縛られた言論 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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テレ朝の室井さんの件

 2ちゃんねるまとめでテレ朝にて左派の室井佑月さん、青木理さんと小松アナウンサーの議論が話題になっているようです。

テレ朝・小松アナ「安倍政権を戦後最悪だと言うなら対案を出すべきでは」室井「頭おかしい」青木理「いや、あの、、ジャーナリストなんで…」← 村本と変わらんやんw

小松靖「安倍政権が戦後最悪だと言うなら対案を出せ」 青木理「いや、あの…え~とっ…(小声)」
http://netgeek.biz/archives/109588

>小松靖アナ「そこまで『安倍内閣は史上最悪の政権だ』と言うのであれば、青木さん、対案がないと説得力伴わないですよ」
>青木理「いや…」
>小松靖アナ「で、その話をすると『私は政治記者ではないので』とおっしゃるんですけど、そんなことは関係ない」
>室井佑月「だってそうとしか…(小松靖アナに文句を言う)」

 小松靖「安倍政権が戦後最悪だと言うなら対案を出せ」 青木理「いや、あの…え~とっ…(小声)」(ネットギーク)がこの記事の発信元だそうで、確かに議論としてはちょっとレベルが低いと言わざるを得ません。というかどっちもどっち・・・としか思えません。

 小松アナの「説得力が伴わない」という指摘は当たっているのですけれども、それは対案があるかないか?ではなく左派の認識がゆるいものであるから、しっかりしていないからであると思われます。

 動画はまだ見ていないのですけれども、たしかに安倍政権は国民を貧困化しているという意味において戦後最悪と呼べます。2013年から実質所得は下がり続けておりまして、ようやく2016年に若干上昇(全く足りない)という状態です。

 数字で見ますとじつは民主党政権時代のほうが「まだマシであった」という実態が見えてきます。この大きな原因はもちろんながら消費税増税でしょうし、また緊縮財政であります。この実質所得減のいいわけとして「失業率は改善している」「雇用は増えた」「だから平均的には実質所得が下落してるんだ」というものが使われますが、では日銀はどういっているのか?

鈍い賃上げ、「人手不足が不十分」 日銀・原田氏が講演(日経)

 日銀の原田泰審議委員は30日、福島市内で講演した。失業率が低く雇用の環境は良いのに賃金が上がらない理由について「人手不足が不十分だからだ」と主張。人手の確保に困る外食業界では年末年始の営業をやめるといった動きが広がっているが、持続的な賃上げにはさらに人手が足りない状況が必要だという。

 さらにいえばこの人手不足は団塊世代の引退とそれに伴う労働人口の構造変化という側面が非常に強く、金融緩和がどれほど失業率の改善に役に立ったか?という因果関係が不明ないじょう、安倍政権の功績とはいい難い。

 とすると安倍政権は実質所得を下落させることはしたが、失業率の改善などは安倍政権の功績とはいいがたいので「国民を貧困化させた」と解釈するのが自然でしょう。

 ちなみに失業率は2010年から改善傾向にあり、これは労働人口の構造変化とリーマン・ショックからの民間の自律的回復と解釈されます。

 「国民を貧困化させた」という点において安倍政権は「戦後最悪」と呼んでも差し支えはないでしょうし、それはどうも冒頭の動画でリベラル陣営が主張したのかどうか?見てないのでわかりませんけれども、上記のような主張であれば「対案」などと小松アナもいわなかったのではなかろうか?と思います。

リベラル陣営もプライマリーバランスに縛られる

 上記のような事実関係を把握していれば安倍政権は戦後最悪と解釈可能ですし、そしてその脱出方法は?というと財政出動であるという話になります。しかしながらどうも左派は「人権、平和、護憲」などが中心的な興味になっており、経済的にはなぜかグローバリズムの否定をしようとしません。

 左派こそが格差社会などを問題視するのならば、本来は財政出動を主張しなければならないと思うのですけれども、どうも「クニノシャッキンガー」「プライマリーバランス」というデマを信じているようです。この2点に縛られている限り左派も「福祉の充実!」と唱えてもそれは「何処かから予算を付け替える」という話にしかならないでしょう。つまりは「対案がない」「反対のための反対」になってしまうというわけです。

やはり重要な通貨の理論

 「クニノシャッキンガー」「プライマリーバランス」というデマを払拭しようとすると、通貨とはなにか?という議論が必ず必要になってきます。その点において中野剛志さんの「富国と強兵」という大著は非常に意義深い書物であると思います。

 

富国と強兵 富国と強兵
 
Amazon

 端的にまとめれば「政府は通貨を発行できる権限を有している」「日本国債はすべてその円によって賄われている」「自分で発行して自分で借りているだけである」という結論になります。つまりは世間一般的な認識としての借金の性質を有していないのですね。従って日本に財政問題は1ミリも存在していないというのが”事実”です。

※この論に対して「では無税国家で良いではないか!」という幼稚な反論がありますが、財政政策はインフレ率のみによって制約されるというのが機能的財政論では論じられております。

P.S というか動画を通して見た・・・(´・ω・`)

 ここまでは冒頭の番組を見ずに書いてきたわけですけれども一応見ました。長い割には内容がないよう・・・というちょっと残念な番組だったのですけれども、予想通り左派は「国家主義」「人権」「平和」などのキーワードで語っておりまして、また右派も従来通りのステレオタイプな経済観でございました。三浦瑠麗さんによれば安倍政権は戦後レジームの脱却を成し遂げている(!?)のだそうで、また経済運営も非常によろしかろうという右派陣営の意見が目立ちました。

 どうも右派は安倍政権を大きな政府として捉えているのだそうでして、なんでやねん!!というツッコミどころも多く無駄な時間を視聴に割いてしまったと後悔しております。

 日本の左右対立というのはある種わかりやすいものしか論じない、経済についてはほとんど無知であると実感した番組でもありました。

 番組ではさんざん「リベラルが再生するにはどうしたら良いのか?」的な議論が見られましたが、私はリベラルや保守の再生は貨幣論に存在するのではないだろうか?と思います。

 結局のところプライマリーバランスに縛られた言論では、核心的な解にたどり着くことはほとんど不可能であろうと思います。機会があれば貨幣論、通貨についてもう少し詳しく書いてみたいと思います。

 

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本日の男の料理 七草粥

 お正月といえば七草粥でありますから、今日はそのレシピ。

材料

  • 七草
  • お米
  • 昆布
  • 薄口醤油

調理手順

  1. 鍋に水をお米のおおよそ5倍の量入れます。昆布を入れて沸騰してきたらお米を入れます。その後に弱火に。
  2. 25分火が通りますので塩、薄口醤油少々で味を整えてから昆布を引き上げます。
  3. 七草を入れてひと煮立ちさせたら完成。

  1月7日に食べる七草粥、簡単レシピですのでぜひともお試しくださいね。

 

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