9月14日(土)、勉強会に参加してきました。
タイトルは、「4つの気質について」。
前半は「基本編」、後半を「応用編」として
講師に近藤陽子さんをお迎えして開催しました。
近藤陽子さんは、芸術教室の元教師であり、
土曜学校の卒業生保護者でもあるため
気質を具体的に説明してくださる好材料として、家族ネタが頻繁に出現(笑)。
面白おかしくお話ししてくださってあっという間の2時間でした。
気質は、年齢や環境によって変化するもの。
上手に捉えて、子育てや日々の暮らしに役立てらえるようにとの
あたたかいメッセージとともに終了。
また機会があれば、他にもいろんなお話を伺ってみたいと思いました。
2年生保護者
先日、英語の懇談会に出席した際の感想です。
授業で歌っている歌「ROW YOUR BOAT」と、
朗読している詩「DEEP PEACE」を教えてもらいました。
「ROW YOUR BOAT」は歌詞の奥深さに感心したのですが、
詩のほうは、先生の朗読の雰囲気と
言葉にこめられている力をとても感じました。
舞台芸術を身近で味わっているような、
心がリフレッシュするような感覚がありました。
他の授業でも同じだと思いますが、
子供がこのような力のある美しいことを
継続的に体験できることを
とても有難いことだなと感じました。
そして、こういった体験が見えないところで
子供の栄養となっていくのだろうなと思いました。
5年男子 母
※英語の授業は、現在4~6年生のみ行っていますが、
物事の本質に触れるという授業は、どの教科も同じです。
懇談会は、保護者にとって
子供たちの様子を知るだけでなく、
シュタイナー教育を勉強する貴重な時間でもあります。
オイリュトミーの担当の先生より、
5年生のある日の授業の様子を伝えていただきました。
この日は、都合によりオイリュトミーが2コマ続けてありました。
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5年生2コマオイリュトミー、
ということで
低学年の方は、いったい2時間も何をやるのだろう???と
思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん5年生も。
中身を少しお知らせしますね。
時間割変更や連休の渋滞などもあり、
子どもたちはばらばらと集合。
眠くて不機嫌な子や
今日は2時間か....と
つぶやく子も。
はじめの一こまは、普段の授業。
いま、星形を動いています。
毎年思うのですが、
5年生にぴったりの内容です。
「みんなも一人ひとり星なんだよ!」というと
「え~!」といいながらも
心では『そうだ』とつぶやいているような子どもたち。
難しい課題が次から次へと加わりますが、
次々こなしていきます。
むしゃむしゃ食べている感じ。
さて、一コマ目無事終了!?
「次の1時間、やりたいことある?」
提案は二つ。
・棒を回して 川村先生の音楽が止まった時に持っている人が
輪の中に座る。
・お手玉を かごの中に入れる。
まず、棒回しから。
単純なのに なんだか楽しそうな子どもたち。
いろいろ加わって
自分の体の周りを回してから渡したり、
最後は投げるところまで。
そこから
オイリュトミーの棒投げへ。
短短長のリズムで
向かい合った人に渡す→最後は投げる
いろいろな友達と向かい合って。
最後は、短短長に長短短のリズムが重なるところまで。
相手に寄って投げる力を変えたり、
まっすぐ投げたりするのはかなり難しい。
子どもたちはかなり集中。
時間の最後は、お楽しみ!
お手玉のかご入れ。
こうして2コマも無事終了。
「何だか 今日は短かったね。
2時間だって言っていたのに。」
「こういうのを集中っていうんだよ。」
「ふうん。」
時間の質についても
少しずつ感じていけるようになった子どもたちでした。
こんなオイリュトミーの時間で
なくてはならない人は?
そう、伴奏の川村先生です。
ほとんどしゃべらず。
子どもたちも存在に気がつかないことも。
「えー! いつきたの?」
(はじめからいたのに)
ということもしばしば。
いつも黙って
私と子どもたちのやり取りに
聞き耳を立ててくださっています。
次はこれか、こんな感じで。
「じゃあ、これいこう!」
さっとぴったりの音楽が響きます。
弾いていないときも
ぼーっとなんかしていられません。
いつ何時、何が来るかわからないのですから。
伴奏の先生がお休みで
伴奏の音がなくて動くときに
低学年の子どもたちがよく言う言葉。
「調子、狂う!」
思わず笑いそうになりますが、
まさにその通り。
伴奏の先生は、
オイリュトミーの流れを
一緒に作ってくださっているのです。
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16日に卒業した子どもたちの声をひろってみました。
シュタイナー教育は、「無意識」に働きかける部分が多いので、
在学中に、深く感想を聞くことはしませんし、
「どうだった?」「何がよかった?」と聞いても、
大人が期待するような返事は返ってこないと思います。
でも、卒業間近になって、
そういうふうに感じていたんだね、と思うことがありましたので、
紹介させていただきます。
「オイリュトミーを続けてきて、
みんなの気持ちを一つにする、相手のことを考える、
ということができるようになったと思います。
これから大人になっていく上で、
オイリュトミーをやっていてよかった
と思える場面がきっとあると思います。
そのために6年間やったことは忘れないでいたいです。
6年女子」
「編み物や刺繍は、
最初は難しいけど、同じことの繰り返しだから、
だんだん手が覚えて、勝手にやれるようになるんだよ。
そうすると、頭の中で別のことを考えられるようになるんだ。
編み物は、頭を休められる仕事・・って感じ。
色を自分の好みで考えられるのも良かった。
飽きなかったし、達成感があったよ。
6年男子」
意識して感じることが大切なのではありませんし
ほんの一部の感想ですが
いつの間にか成長していた子供たちでした。
今日は、3学期最後の授業の日であり、
同時に6年生の卒業の日でもありました。
毎学期末には集いがあり、
1年生から6年生まで授業でやったことを
みんなの前で発表します。
普段、保護者は授業の様子を見ることはないので、
授業はどんなことをしているのか、
子ども達はどんな様子なのかを見られる機会でもあり、
他の学年の様子を知ることのできる貴重な場です。
(※参観は在校生の保護者のみで、公開はしておりません)
そして3学期の春の集いは、
1年間の成長が見られる楽しみな機会です。
今回の集いの内容は
1年生:手仕事
2年生:音楽
3年生:英語&芸術教室
4年生:オイリュトミー
5年生:オイリュトミー
6年生:英語
でした。
低学年は無邪気さの中に、積極性が加わり、楽しそうな様子です。
中学年になると、緊張しつつも自覚が芽生え、
自分のやっていることが意識化されてきているようでした。
高学年は、しっかりと自分の足で立って、仲間の動きを読みながら、自分の役割を果たす・・
ということをするようになっていて、
1学期と比べても、顔つきが変わり、
それぞれ子供たちの成長を感じることができます。
特に6年生は卒業に向けての集大成で、
今年度は「桃太郎」の英語劇を皆、立派にやり遂げました。
そして卒業生に向けて、
先生方からの詩の朗読と
美しい歌のハーモニーのプレゼントがあり、
オイリュトミーの先生と卒業生のチェロによる
素晴らしいオイリュトミーも見せていただきました。
暖かい春の良き一日となりました。
オイリュトミーは、魂の体操といわれる運動芸術です。
シュタイナー教育のあらゆる教科と関連し、
子どもの発達段階に即した内容で学びます。
喜びを持って動くことから体という楽器を
自分のものにしていきます。
1年生
幼児期の名残の時期ですが、歯の生え代わりとともに
学びたいという意欲があふれます。
オイリュトミーでは、
世界を形作っている源の動きを体験します。
2年生
幼児期に別れを告げ、自分の周りが少しづつ見えてきて
他社の服装の変化等に、気づくようになります。
左右に分かれた動き、集団からグループへ、
そして私とあなたという、
一番小さな世界と向き合うことを通して
自分と世界が分かれて行くことを体験します。
3年生
9歳の危機と言われる時期です。
急に不安げになったり、怒ったり疲れていたりと
子どもたちは様々な変化を見せます。
しっかり地上に降り立つことで子どもたちは、
自分固有の内的空間(心)を作り始めます。
その心はまだ生まれたての赤ちゃんですので、
周りとの境界がはっきりしていません。
そこでオイリュトミーでは、腕や手・足・フォルムなどの
交差の動きを通して、
内と外との境界をしっかりさせていきます。
4年生
カモシカのようにとても軽い子供たち。
自分の心を少しづつ育みます。
音楽を自ら奏でることも始まります。
抽象思考への入口として、正面向きで動くことを学び
世界や言葉・音楽の成り立ちも体験します。
5年生
心も体も均整のとれた時期がやってきます。
そして、世界の美しさを十分に味わいます。
美しいものの代表としての幾何図形をたくさん動きます。
6年生
思春期の入口で、特に女の子は整理の始まりで
心も体も少しづつ重さへと移行します。
沈み込んで行く前に、ここでしっかりと全身を感じて
立つことを体験します。
こどもたちは、
自分達が必要としていることに
ぴったりと出会ったときには
たとえそれが難しくても
貪るように喜んで取り組みます。
~オイリュトミー担当教師文:一部抜粋
土曜学校では、手仕事の授業は4年生までで、5,6年には彫塑の授業に変わります。
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素材として粘土や木材を扱います。
粘土の制作方法として、
小さいかたまりを成長させるように大きくしていく方法
(主に内側から外側に働く力の体験)、
大きいかたまりから削り出す方法
(主に外側から内側への作用の体験)、
又はある形から別の形へ変形させる方法
(内側と外側両方の力の体験)
などがあります。
粘土の性質上、ある程度水分が抜けて固くなるまでは
安定した形状が保ちにくく、
また焼くことにより更に強度は増します。
それに対して木は初めから固いかたまりなので、
刃物で形を彫り出す方法を取ります。
以上のように素材の性質の違いにより、
作品づくりのアプローチの方法はかなり異なっています。
粘土で人物や動物を作り出す場合、
胴体に頭、手足などバラバラのパーツを結合させて
一つの形を作っていくことは極力避けます。
それは動物などの発生過程を見た場合に、
初めの受精卵の形状は球体であり、
そこから様々な変容を経て
変化に富んだ形態に成長していくというところから、
その移り変わりを追体験できるように
制作することを試みます。
木彫りではお皿やスプーンを彫ることに取り組みます。
材料は子どもたちにも彫りやすい比較的柔らかい、
無垢板を選びます。
初めは50mmほどあった厚板を、
刃幅20mm、深さ7mmの丸ノミ1本とハンマーで、
外側の凸と内側の凹の形の変化を感じながら
彫り進めていくと、
初めはただの厚板だったものが、
毎回の授業の中で彫り進めていくうちに
ほんの少しずつ形を変えていきます。
子どもたちが
このある程度の硬さをもった素材と向かい合ったとき
「硬さ」という質に出会います。
しかし、この「硬さ」は
自分ではどうにもならない「硬さ」ではなく、
意志を持ち、力を加え続けてゆくことによって、
少しずつ自分の意図に近い形に
変化させることが
可能であることを体験するでしょう。
最後はサンドペーパーをかけ、オイルを塗って仕上げをします。
~2012.3月 作品展より
ルビコン期を越え、遊ぶ力が思考の力へと変容します。
この頃には、意識して
自分の作品に取り組むことができるようになります。
縫い物を取り入れ、正確に縫うことを学びます。
自らデザインし、
クロスステッチの刺しゅうを施したかばんを
手縫いで仕上げます。
クロスステッチや半返し縫いを繰り返すことで、
自立の道を歩み始めた子どもたちが
確かさと内的な安定を得られるように助けます。
クロスステッチの刺しゅうをデザインから始めます。
色鉛筆を使って、配色のデザインをします。
それをもとに設計図をつくります。
方眼紙に左右対称になるように、
沢山の「×」を書き込む作業をします。
設計図のとおりに刺しゅうを刺しますが、
必ず一目ずつ「×」をつくり
クロスの体験ができるようにします。
刺しゅうを終えると、
半返し縫いやはしご縫いを使って袋を仕上げます。
用途に応じたデザインと色彩を作品に生かせるように導きます。
クロスステッチのカバンを仕上げたあとで、
日本独自のものとして、刺し子 を取り上げます。
本来は、もう少し上の学年で取り上げますが、
土曜学校の手仕事は4年生までなので、挑戦しました。
~2012.3月 作品展より