名古屋シュタイナー土曜学校  山里の森 -33ページ目

卒業生の言葉


  名古屋シュタイナー土曜学校 やまさとの森

16日に卒業した子どもたちの声をひろってみました。


シュタイナー教育は、「無意識」に働きかける部分が多いので、

在学中に、深く感想を聞くことはしませんし、

「どうだった?」「何がよかった?」と聞いても、

大人が期待するような返事は返ってこないと思います。


でも、卒業間近になって、

そういうふうに感じていたんだね、と思うことがありましたので、

紹介させていただきます。


「オイリュトミーを続けてきて、

みんなの気持ちを一つにする、相手のことを考える、

ということができるようになったと思います。

これから大人になっていく上で、

オイリュトミーをやっていてよかった

と思える場面がきっとあると思います。

そのために6年間やったことは忘れないでいたいです。

  

                  6年女子」


「編み物や刺繍は、

最初は難しいけど、同じことの繰り返しだから、

だんだん手が覚えて、勝手にやれるようになるんだよ。

そうすると、頭の中で別のことを考えられるようになるんだ。

編み物は、頭を休められる仕事・・って感じ。


色を自分の好みで考えられるのも良かった。

飽きなかったし、達成感があったよ。


                  6年男子」


意識して感じることが大切なのではありませんし

ほんの一部の感想ですが

いつの間にか成長していた子供たちでした。







春の集い

今日は、3学期最後の授業の日であり、

同時に6年生の卒業の日でもありました。


毎学期末には集いがあり、

1年生から6年生まで授業でやったことを

みんなの前で発表します。


普段、保護者は授業の様子を見ることはないので、

授業はどんなことをしているのか、

子ども達はどんな様子なのかを見られる機会でもあり、

他の学年の様子を知ることのできる貴重な場です。

(※参観は在校生の保護者のみで、公開はしておりません)


そして3学期の春の集いは、

1年間の成長が見られる楽しみな機会です。

今回の集いの内容は


1年生:手仕事
2年生:音楽
3年生:英語&芸術教室
4年生:オイリュトミー
5年生:オイリュトミー
6年生:英語


でした。


低学年は無邪気さの中に、積極性が加わり、楽しそうな様子です。


中学年になると、緊張しつつも自覚が芽生え、

自分のやっていることが意識化されてきているようでした。


高学年は、しっかりと自分の足で立って、仲間の動きを読みながら、自分の役割を果たす・・

ということをするようになっていて、

1学期と比べても、顔つきが変わり、

それぞれ子供たちの成長を感じることができます。


特に6年生は卒業に向けての集大成で、

今年度は「桃太郎」の英語劇を皆、立派にやり遂げました。


そして卒業生に向けて、

先生方からの詩の朗読と

美しい歌のハーモニーのプレゼントがあり、


オイリュトミーの先生と卒業生のチェロによる

素晴らしいオイリュトミーも見せていただきました。


暖かい春の良き一日となりました。







オイリュトミーの授業

オイリュトミーは、魂の体操といわれる運動芸術です。
シュタイナー教育のあらゆる教科と関連し、

子どもの発達段階に即した内容で学びます。


喜びを持って動くことから体という楽器を

自分のものにしていきます。


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1年生 

幼児期の名残の時期ですが、歯の生え代わりとともに

学びたいという意欲があふれます。

オイリュトミーでは、

世界を形作っている源の動きを体験します。

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2年生

幼児期に別れを告げ、自分の周りが少しづつ見えてきて

他社の服装の変化等に、気づくようになります。

左右に分かれた動き、集団からグループへ、

そして私とあなたという、

一番小さな世界と向き合うことを通して

自分と世界が分かれて行くことを体験します。

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3年生

9歳の危機と言われる時期です。

急に不安げになったり、怒ったり疲れていたりと

子どもたちは様々な変化を見せます。


しっかり地上に降り立つことで子どもたちは、

自分固有の内的空間(心)を作り始めます。

その心はまだ生まれたての赤ちゃんですので、

周りとの境界がはっきりしていません。


そこでオイリュトミーでは、腕や手・足・フォルムなどの

交差の動きを通して、

内と外との境界をしっかりさせていきます。

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4年生

カモシカのようにとても軽い子供たち。

自分の心を少しづつ育みます。

音楽を自ら奏でることも始まります。

抽象思考への入口として、正面向きで動くことを学び

世界や言葉・音楽の成り立ちも体験します。

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5年生

心も体も均整のとれた時期がやってきます。

そして、世界の美しさを十分に味わいます。

美しいものの代表としての幾何図形をたくさん動きます。

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6年生

思春期の入口で、特に女の子は整理の始まりで

心も体も少しづつ重さへと移行します。

沈み込んで行く前に、ここでしっかりと全身を感じて

立つことを体験します。

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こどもたちは、

自分達が必要としていることに

ぴったりと出会ったときには

たとえそれが難しくても

貪るように喜んで取り組みます。


         ~オイリュトミー担当教師文:一部抜粋      





彫塑の授業~5,6年生

土曜学校では、手仕事の授業は4年生までで、5,6年には彫塑の授業に変わります。


*****


素材として粘土や木材を扱います。


粘土の制作方法として、

小さいかたまりを成長させるように大きくしていく方法

(主に内側から外側に働く力の体験)、

大きいかたまりから削り出す方法

(主に外側から内側への作用の体験)、

又はある形から別の形へ変形させる方法

(内側と外側両方の力の体験)

などがあります。


粘土の性質上、ある程度水分が抜けて固くなるまでは

安定した形状が保ちにくく、

また焼くことにより更に強度は増します。


それに対して木は初めから固いかたまりなので、

刃物で形を彫り出す方法を取ります。


以上のように素材の性質の違いにより、

作品づくりのアプローチの方法はかなり異なっています。





粘土で人物や動物を作り出す場合、

胴体に頭、手足などバラバラのパーツを結合させて

一つの形を作っていくことは極力避けます。


それは動物などの発生過程を見た場合に、

初めの受精卵の形状は球体であり、

そこから様々な変容を経て

変化に富んだ形態に成長していくというところから、

その移り変わりを追体験できるように

制作することを試みます。



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木彫りではお皿やスプーンを彫ることに取り組みます。



材料は子どもたちにも彫りやすい比較的柔らかい、

無垢板を選びます。

初めは50mmほどあった厚板を、

刃幅20mm、深さmmの丸ノミ1本とハンマーで、

外側の凸と内側の凹の形の変化を感じながら

彫り進めていくと、


初めはただの厚板だったものが、

毎回の授業の中で彫り進めていくうちに

ほんの少しずつ形を変えていきます。



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子どもたちが

このある程度の硬さをもった素材と向かい合ったとき

「硬さ」という質に出会います。


しかし、この「硬さ」は

自分ではどうにもならない「硬さ」ではなく、

意志を持ち、力を加え続けてゆくことによって、

少しずつ自分の意図に近い形に

変化させることが

可能であることを体験するでしょう。



最後はサンドペーパーをかけ、オイルを塗って仕上げをします。



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            ~2012.3月 作品展より


手仕事の授業~4年生

ルビコン期を越え、遊ぶ力が思考の力へと変容します。


この頃には、意識して

自分の作品に取り組むことができるようになります。

縫い物を取り入れ、正確に縫うことを学びます。


自らデザインし、

クロスステッチの刺しゅうを施したかばんを

手縫いで仕上げます。

クロスステッチや半返し縫いを繰り返すことで、

自立の道を歩み始めた子どもたちが

確かさと内的な安定を得られるように助けます。


クロスステッチの刺しゅうをデザインから始めます。

色鉛筆を使って、配色のデザインをします。

それをもとに設計図をつくります。


方眼紙に左右対称になるように、

沢山の「×」を書き込む作業をします。

設計図のとおりに刺しゅうを刺しますが、

必ず一目ずつ「×」をつくり

クロスの体験ができるようにします。



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 刺しゅうを終えると、
 半返し縫いやはしご縫いを使って袋を仕上げます。
 用途に応じたデザインと色彩を作品に生かせるように導きます。



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 クロスステッチのカバンを仕上げたあとで、

 日本独自のものとして、刺し子 を取り上げます。
 本来は、もう少し上の学年で取り上げますが、

 土曜学校の手仕事は4年生までなので、挑戦しました。


 

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~2012.3月 作品展より







 

りんごろうそく祭り

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12/15は、芸術教室の近藤先生による、りんごろうそく祭りが行われました。


冬至が近づくこの時期は、陽の光が弱くなり、大地は眠ったようになりますが、

私たちの内面にある心の光は、強く明るく輝きます。


土曜学校では1年生から4年生までの子ども達が、暗闇の中に光を灯すことを体験します。


生命の象徴である赤いりんごにロウソクを飾り、暗い部屋(闇)の中を歩き、

中央のろうそくから光を分けてもらいます。


子どもたちの心の中にも、強く輝く希望の光が輝くことでしょう。

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手仕事の授業~3年生


自分の内面と外面の区別がつき始めるこの時期に、

その境界にあたる身につけるものをつくりはじめます。


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3,4年生は家づくりに取り組む学年ですが、

手仕事でも家の屋根のように頭を覆う帽子をつくります。


頭頂は重い色、頭を入れる入口である下へ向かって

だんだん軽い色となるように配色します。



毛糸を選び、色の配色を考えて、設計図を描きます。


その設計図をもとに中心(頭頂)から編み始め、

細編みの帽子をつくります。



自分の頭の形に合わせて、増し目を調節しながら編むことを学びます。






~2012.3月 作品展より

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手仕事の授業~2年生


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1年生に準じ、1年生の続きを完成させます。


左右の調和がとれるようになると、

右手が主、左手が助けという

左右の役割分担ができるようになります。


それに伴い、かぎ針編みを導入します。

毛糸をつかんで出してくるという

かぎ針編みの行為は、

文章をすらすらと読むことができるための

手助けとなります。


かぎ針編みでは、まず、ボールを入れる

ネットをつくります。

上からボールが入り、下は受け止めるという

配色(デザイン)となるように導きます。



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4年生になったとき刺繍、縫い物の際使用する、
 針刺しを作ります。

針のおうちにふさわしい色を選び、

フェルトを縫いつけるところまで、

子ども自身がやります。
仕上げは教師が行いました。




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        眼鏡ケース 

        

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        ペンケース


課題作品(全員が作るボール、針刺し)を作ったあと、 

こんなものを作りたいという、

子どもたちの発想から生まれた作品です。 

仕上げは教師が行いました。 

実際使えるように中に、布をはってあります。


 ~2012.3月作品展より





















 

オイリュトミー授業参加しました(2年生)

今日(14日)の2年生のオイリュトミーの授業は、親も一緒に参加して動きました


影島先生の言葉と、伴奏の佐藤先生のグロッケンを聴きながらのオイリュトミー


2年生の子どもたちが、今必要な動きです



そんなに激しい動きではないのに、静と動のリズムある動きに、親たちは汗びっしょりになりました



*参加した親の感想*


宝石赤初めてオイリュトミーをしました。できてうれしかったです。感動です。


宝石赤いつも、子どもが話してくれていたことが、これだったんだとわかりました


宝石赤久しぶりのオイリュトミー。とても楽しかったです


宝石赤ガンガン動いたのではないのに、こんなに汗をかいて驚きました

手仕事の授業~1年生


模倣の力の残っている1年生から2年生にかけて、

棒針編みができるように導きます。


子どもたちは、メルヘンを通して編み方を身につけます。

自分でリズムをつかみ、加減を体で覚えていきます。

両手とも同じ道具を使う棒針編みを繰り返すことで、

左右のバランスをとり調和を促していきます。


編み物は、手が頭に自分自身で

働きかけることができる唯一の行為といわれます。

また、目がひとつ落ちたら成り立たない編み物は、

集中して作品をつくりあげることも学びます。





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最初に、羊毛という素材に触れ、

においを含めた質感を味わいます。

そうして、感覚器官に働きかけながら、

羊毛を撚って双糸の毛糸をつくります。

つくり出した毛糸は、手仕事の袋に通して使います。



次に、指編みでマフラーをつくりました。



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道具を使い始める前に、

自らの手で糸のひっぱり具合を感じながら

加減を覚えていきます。

きつすぎても緩すぎても、

うまくは編み進められないことを学んでいきます。


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 指編みを終えた子どもたちは、
 ガーター編みのボールを編みます。

 

一見難しい棒針編みですが、

模倣とファンタジーの力を借りて、

頭ではなく手から自然に習得していきます。



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 ガーター編みの鍋つかみ

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           笛袋
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       マフラーと笛袋
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   ガーター編みのにわとり

(仕上げは教師が行いました)




~2012.3月作品展より