うなぎを割くとき、関東では背開きで、関西では腹開き、と良く言われます。
 
江戸は武士の町だったので、切腹をイメージさせる腹開きが嫌われて背開きになった、という説が有名です。
 
関東では蒲焼にする前に、白焼きしたものを蒸す、という行程が入って身が柔らかくなるので、それでも身が崩れないように串が打てるのが背開きだ、という説もあるようです。
 
では、ちくわぶを2枚に卸すときは背開きか腹開きか。
 
 
残念ながら、どこから切っても同じです。
 
言うなれば、全てが「」です。
 
但し、チーズやサラミを詰める、内臓はあります。つまり「」です。
 
こっちのツノがある側が「背」で、
 
 
こっち側が「胃」ということになります。
 
 
今回の実験は、「ちくわぶを焼く場合は背側から焼くべきか、胃側から焼くべきか」さらに「素焼きがいいか、油を使った炒め焼きがいいか」についても検証します。
 
つまり、4通りの焼き方を試して、それぞれの違いを見切ろうという魂胆です。
 
馬鹿だと思われるでしょうが、これ、結構大切なことですので、お付き合いください。
 
2枚に卸したちくわぶを、それぞれ長さ方向に8等分し、計16ピースに分けます。
 
4ピース毎にグルーピングし、まずはフライパンに油を敷かず、2グループを並べます。
 
上4枚が背から焼くチーム、下4枚が胃から焼くチームです。
 
 
少し焦げ目が付いたら、ひっくり返して反対側を焼きます。
 
 
ここでひとつの重大な発見が。
 
背側から焼いたものは、胃側を焼く時に、箸で背側をぎゅっと圧し潰すようにすることで胃側が広がり、比較的万遍に焼くことができるのです。
 
 
これに対して、先に胃側を焼いてしまうと、背側を焼くときには押し広げることも出来ず、再度裏返して胃側を焼くときも、すでに硬くなってしまっていて、思うように広がらないのです。
 
 
その結果、背側から焼いたチームの方は広げられることで、全体的に焼きあがるの対し、胃側から焼いたチームの方は、丸い形状のままなので、プライパンに触れる部分が焦げ易くなってしまうような印象があります。
 
 
私としては、背側から焼く方がお勧めです。
 
次に、プライパンに軽く油を敷いて炒め焼きにして行きます。
 
こちらも同様に4枚づつ、背側からと胃側から。
 
 
油を敷いた方が綺麗な焦げ目が付きますね。
 
 
こちらも、背側から焼いた方が胃側を広げやすい印象がありました。
 
 
こちらが焼きあがった4チームをすべて胃側を上にした状態です。
 
 
ね。結構違うでしょ。
 
そして、そこにカマンベールチーズを一口大にカットして乗せていきます。
 
 
これはまだ練習試合なので、角谷のものは使いません。明治十勝カマンベールです。
 
試食の結果は。。。
 
ルヴァンの方が全然うまい。
 
少なくともカマンベールチーズを乗せて食うのは失敗でした。
 
なんかもさもさ感が際立ちます。
 
息子と嫁さんはチーズだけを食い、残りの台の部分を私が食う羽目に。
 
素焼きよりも炒め焼きの方がサクサク感があるなどの違いはあったのですが、息子と嫁さんの大ブーイングにうろたえてしまい、味の違いは良く判りませんでした。
 
ただし、これはこれで適した活用方法があるはずです。
 
ちなみに最初のちくわぶ3兄弟は、上からコモディイイダの川口屋、マミーマートの鈴木商店、業務スーパーの瀬間商店です。
 
この日(2/15)使用したのは、うちで定番の川口屋です。
 
 
 

翌2/16は、ちくわぶを半本づつ使って、2品目の料理を作ることに。
 
一品目は電気調理鍋を使った豚肉の角煮withちくわぶです。
 
えらいことに、電気調理鍋は豚肉の油抜きもやってくれるんですねー。
 
と言っても、段取りがひとつ増える、というだけなんですが。
 
500gほどの豚バラブロックを買って来て5cm幅に切って、電気調理鍋に水とネギの青い部分とショウガを入れて30分ほどスープモードで炊きます。
 
出来上がったら豚肉だけを取り出して、鍋を洗い、改めて豚の角煮を炊いていく、という段取りです。
 
この時に、ちくわぶ半分を1.5cmほどの厚さに斜めにスライスしたものも入れて、醤油、酒、砂糖、水、ショウガを加えて90分ほど炊いて行きます。
 
 
おでんを作る時も65分の炊き時間でしたから、90分炊いたらぐずぐずになってしまうのではないかと危惧していたのですが、綺麗に形を残して炊きあがりました。
 
 
まずは、豚肉とちくわぶを器に取り出し、残った汁を電気調理鍋で10分ほど煮詰めます。
 
 
汁をかけて完成!
 
 
お肉も柔らかくなって美味しかったのですが、ちくわぶにもじっくりと味が染みて、おでんの時よりももっちりとしていて、結構イケました!
 
お弁当のおかずなんかにも良さそうです。
 
甘辛い味で煮物にするのは、おでんに次ぐ、ちくわぶの定番料理と言って良さそうです。
 
そして、2品目はちくわぶピザ
 
こちらのツイッターの情報を参考にして以前に一度作ったのですが、ちくわぶの炒め加減にムラがあっていまいちだったので、今回は、敢えてちくわぶを半本分にすることで数を減らし、フライパンで均一に焼くことを目標にしました。
 
まずは、ちくわぶを5mm厚で輪切りにします。
 
 
これを少量の油でフライパンで炒め焼きにしていきます。
 
 
色が付いて来ましたが、まだまだ良く焼きます。
 
 
この位まで焼けたら、クッキングシートになるべく隙間なく敷き詰めます。
 
 
ケチャップを適当に振りかけてから、とろけるチーズを載せ、トースターで焼きます。
 
 
チーズがとろけたら完成!
 
 
これも簡単にできるのでお勧めです。
 
普通のピザよりも生地に歯応えがあって香ばしく、いいおつまみになります。
 
ふと気付いたのですが、普通のピザやピザトーストを作る時に、ピザソースの替りにケチャップを使うと、なんか甘っちくなりますよね。
 
それが、ちくわぶピザの場合はほとんど気にならないのです。
 
なんでだろう?
 
この理由が判ったら、この薄焼きちくわぶの活用方法がもっと広がるのではないかと思います。
 
おしまい