3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

都市伝説探偵↓

都市伝説探偵 

時間を失うビル

消えゆく文字のタイプライター

忘れられたSOS 

影を潜む真実の都市伝説 

消えたペットを探して 

消えた建築家の邸宅 

終わらない夜の物語 

記憶を食べるカフェ 

時間を売る店 

愛するペットへの天空の手紙 

忘却のカフェ 

百年目の訪問者 

忘れられた地下道の住人

午前三時の子守歌

影を失った男

迷子の時間を探す時計屋

星空の下で

運命のベンチ

毒ガスの森

消えたマンションの住人

消えゆく電車の謎

消えた学校の秘密

山奥の足跡

閉ざされたゲート

爆 笑爆笑爆笑


古い郵便局。その建物は、時代の流れに取り残されたかのように、ひっそりと佇んでいた。町の人々は、その郵便局についての不気味な噂を囁いていた。特定の手紙を出すと、その手紙に書かれた送り主の願いが叶うというのだ。しかし、その手紙を出した者は、なぜか行方不明になるという恐ろしい話も同時に広がっていた。


「手紙を出した友人が戻ってこないんです…」「私の娘も願いを叶えた後、突然いなくなりました…」そんな訴えが続く中で、町の人々の不安は増していった。誰もが手紙を出すことを恐れ、郵便局には近づかなくなった。しかし、その噂を耳にした一人の男がいた。彼は都市伝説探偵として知られる人物であり、その正体は謎に包まれていた。数々の怪奇事件を解決してきた実績を持つ彼は、今回の事件も自らの手で解決しようと決意した。


探偵はまず、郵便局についての情報を集めるため、町の古い図書館を訪れた。過去の新聞記事や記録を丹念に調べ、郵便局の歴史やそこで働いていた人物について知識を深めていった。郵便局はかつて、町の重要な施設であり、多くの人々が利用していた。しかし、ある事件を境にその利用は減り、ついには閉鎖されてしまった。


「これがすべての始まりか…」探偵はそう呟きながら、事件の詳細を調べた。数年前、郵便局の局長が突然失踪し、その後も数名の職員が次々と行方不明になる事件が相次いでいた。これらの事件が未解決のままであることに気づいた探偵は、これらの失踪事件と現在の噂が関連しているのではないかと考えた。


探偵は、郵便局の近くに住む住人からも話を聞いた。住人たちは、夜になると郵便局から不気味な光や音がすることがあると語り、「あの場所には近づくな」という警告を受けた。しかし、探偵はその言葉に恐れを感じながらも、調査を続ける決意を固めた。


夜が更けると、探偵は郵便局へと向かった。建物の外観は、長年の放置により朽ち果てていた。彼は懐中電灯を片手に、慎重に足を踏み入れた。内部は埃まみれで、古びた手紙や封筒が散乱していた。探偵は一つ一つの手紙を調べながら、手がかりを探した。




その時、一通の手紙が目に留まった。封筒には、過去に失踪した人物の名前が書かれており、中には「願いが叶いますように」とだけ書かれた紙が入っていた。「これが…消えた手紙か…」探偵はそう呟きながら、手紙を慎重に取り出した。


彼はこの手紙を元に、さらに調査を進める決意を固めた。手紙に込められた人々の想いと、それがもたらす不思議な現象の謎を解明するために。


探偵は手に取った手紙を見つめ、過去に失踪した人物たちの願いが込められていることを感じ取った。手紙には一言、「願いが叶いますように」とだけ書かれていたが、その裏には深い悲しみや絶望が感じられた。探偵はこの手紙を手がかりに、さらに調査を進める決意を固めた。


まず、探偵は失踪した人物たちの家族を訪ね、話を聞くことにした。家族たちは、失踪した当時の状況や、その後の出来事について語った。ある家族は、娘が突然姿を消す直前に、何かに強く願いをかけていたことを思い出した。「娘は何か大切なものを失い、それを取り戻すために手紙を書いたんです。でも、その手紙を出した後、姿を消してしまいました。」


別の家族もまた、同様の話をした。「息子は将来に絶望していました。彼は郵便局で手紙を出すと、願いが叶うという噂を信じていました。しかし、手紙を出した翌日、彼は消えてしまったんです。」


探偵はこれらの証言から、手紙に込められた強い想いが、何か不思議な力を引き寄せているのではないかと考えた。彼は再び郵便局に戻り、手紙が出された場所や、その経路を詳しく調べ始めた。


郵便局の内部を再び調査する中で、探偵は古い郵便袋を見つけた。その中には、まだ送られていない手紙がいくつも入っていた。彼は一つ一つの手紙を丁寧に開封し、その内容を確認した。手紙には、切実な願いが書かれており、それらの多くは失踪した人々のものであることが判明した。




「これらの手紙は、願いが叶うためのものだったのか…」探偵は呟きながら、手紙を慎重に調べ続けた。その時、一通の手紙が特に目を引いた。封筒には、かつての郵便局長の名前が書かれていた。探偵はその手紙を開封し、内容を確認した。


「この手紙を出すことで、私の願いが叶うのならば…」と書かれた手紙は、局長の深い悔恨と絶望を表していた。局長は自分の過去の過ちを悔い、その罪を償うために手紙を書いたのだという。しかし、その手紙が出された後、局長は行方不明となっていた。


探偵は、この手紙に隠された秘密が事件の鍵を握っていると確信した。彼は郵便局の奥へと進み、古い書類や記録をさらに調べた。その中で、局長の日記を発見した。日記には、局長が郵便局で起きた数々の不思議な現象について書かれていた。


「手紙を出すことで願いが叶うという噂が広がり、多くの人々が手紙を書いて持ち込んできた。しかし、その手紙を出した者たちは次々と消えていった。私はその原因を探るために調査を始めたが、自分自身もこの力に引き込まれてしまった…」


局長の日記には、手紙に込められた強い想いが、何か不思議な力を引き寄せることが記されていた。探偵はこの情報を元に、手紙が持つ力とその影響を解明するための手がかりを掴んだ。


「これで全ての謎が解けるかもしれない…」探偵はそう呟きながら、手紙に秘められた力を解き明かすための計画を練り始めた。彼は手紙を出すことで願いが叶うという現象の背後にある真実を突き止めるために、最後の調査に乗り出す決意を固めた。


探偵は手紙に秘められた力を解き明かすため、慎重に計画を進めた。彼は郵便局長の日記を元に、手紙がもたらす不思議な現象の背後にある力を探ることにした。まず、彼は失踪した人々の手紙を集め、その願いがどのようにして実現されるのかを調べることにした。


探偵は、手紙が出された郵便ポストの周りを詳しく調べ始めた。そこで彼は、手紙を投入するたびに微かな光が漏れ出すことに気づいた。この光は、願いが叶う瞬間に発せられるものだと推測された。彼はさらに調査を進めるため、ポストの内部を分解し、その仕組みを解析することにした。


ポストの内部には、古いオルゴールが組み込まれていることがわかった。オルゴールは手紙が投入されるたびに作動し、不思議なメロディを奏でていた。このメロディが、手紙に込められた強い想いを引き寄せ、その願いを実現させる力を持っているのではないかと考えた探偵は、オルゴールの詳細な調査を開始した。




オルゴールの内部には、手書きのメモが残されていた。そこには、「願いのオルゴール」と記されており、そのメロディが特別な力を持つことが示唆されていた。このメロディは、手紙に込められた願いを実現する代わりに、送り主の命を奪うという恐ろしい代償があることが書かれていた。


「これが真実か…」探偵は深い思索にふけりながら、オルゴールを慎重に操作し、そのメロディを解読し始めた。メロディには、悲しみや絶望を感じさせる旋律が込められており、それが人々の強い想いを引き寄せる要因となっていた。


探偵はこの情報を元に、手紙がもたらす力を封じ込める方法を考えた。彼はオルゴールのメロディを逆再生し、その効果を逆転させることができるかもしれないと考えた。彼は慎重にオルゴールを調整し、逆再生のメロディを奏で始めた。


逆再生のメロディが鳴り響くと、郵便局全体が微かに震え始めた。探偵はその場に立ち尽くしながら、メロディが持つ力を感じ取った。やがて、郵便局内に漂っていた不気味な雰囲気が徐々に薄れ、消え去っていった。


「これで呪いが解けたのか…」探偵はそう呟きながら、オルゴールのメロディを最後まで逆再生させた。郵便局の内部は静寂に包まれ、手紙に込められた人々の想いが解放されたかのように感じられた。


探偵は最後に、手紙を一通ずつ慎重に処理し、その力が再び悪用されないように封印した。彼はこれで事件が解決したと確信し、郵便局の扉を閉ざして外に出た。夜空には満天の星が輝いていた。


翌日、探偵は町の人々に報告し、郵便局の呪いが解けたことを伝えた。人々は感謝の意を示し、再び平和な日常を取り戻した。探偵はその後、書斎に戻り、事件の報告書をまとめるためにタイプライターの前に座った。カチャカチャと響くタイプライターの音が部屋に広がり、探偵は一文字ずつ丁寧に書き記していった。




「消えた手紙の真実は、古いオルゴールのメロディにあった。手紙に込められた強い想いが、このメロディによって実現される代わりに、送り主の命を奪うという恐ろしい力が働いていた。その呪いを解くために、私は逆再生のメロディを奏で、手紙に込められた人々の想いを解放することに成功した。」


探偵は最後に「これからも未知の謎に立ち向かい、真実を解明するために全力を尽くす。」と書き記し、タイプライターのキーを静かに叩いた。文字が一文字ずつ打ち込まれるたびに、紙に記された文字は徐々に薄れ、やがて完全に消えていった。


探偵は満足そうに報告書を眺めながら、新たな冒険に向けての準備を整えた。都市にはまだ多くの謎が待ち受けているが、今日のような事件を解決することで、彼の探偵人生に新たな意義が与えられるのだ。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。