3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

都市伝説探偵↓

都市伝説探偵 

時間を失うビル

消えゆく文字のタイプライター

忘れられたSOS 

影を潜む真実の都市伝説 

消えたペットを探して 

消えた建築家の邸宅 

終わらない夜の物語 

記憶を食べるカフェ 

時間を売る店 

愛するペットへの天空の手紙 

忘却のカフェ 

百年目の訪問者 

忘れられた地下道の住人

午前三時の子守歌

影を失った男

迷子の時間を探す時計屋

星空の下で

運命のベンチ

毒ガスの森

消えたマンションの住人

消えゆく電車の謎

消えた学校の秘密

山奥の足跡

閉ざされたゲート

爆 笑爆笑爆笑


  第一章:都市伝説の始まり

都市の片隅にある小さな写真スタジオで、カメラマンの田中は不気味な現象に気づいた。撮影した写真に、自分とは異なるもう一人の自分が映り込んでいるのだ。その影像はまるで生きているかのように、田中の動きを模倣し、時折不気味な微笑みを浮かべていた。


「これは一体どういうことだ?」田中はその写真を見つめながら頭を抱えた。初めはただの偶然かと思っていたが、次第にその現象は頻繁に起こるようになった。田中は恐怖を感じ、次第に自分のスタジオでの仕事が怖くなり始めた。




田中は友人にその写真を見せたが、数日後、その友人が精神を病み、自我を失ったという知らせを受けた。さらに、田中の写真を見た他の人々も次々と精神を病み、自我を失っていくという噂が広まり始めた。田中は自分の写真が原因であることを疑い始め、罪悪感と恐怖に苛まれるようになった。


田中のスタジオの前には不審な人影が増え始めた。町の住民たちは彼のスタジオを避け、子供たちはその前を通るたびに怯えた目で見つめるようになった。スタジオの周囲では、低い声で囁き合う人々の声が響き渡り、「田中の写真には呪いがかかっている」という噂が広がっていった。


町の噂話は次第にエスカレートしていった。「田中の写真を見た者は、夜中にその影像に襲われる」という話が広まり、誰もが彼の写真を恐れるようになった。近隣の新聞にも「呪われた写真スタジオ」として取り上げられ、都市伝説としての形を持ち始めた。


ある夜、田中のスタジオの前で一群の若者たちが肝試しをしようと集まっていた。彼らは田中の写真を見てその呪いを確かめるつもりで、興奮と恐怖が入り混じった様子だった。その中の一人が写真を見た直後、突然苦しみ出し、他の若者たちはパニックに陥った。彼らは田中のスタジオから逃げ出し、噂はさらに広がった。


「写真に映るもう一人の自分が、魂を奪いにくる」という恐ろしい話が、町中に広まった。田中のスタジオは呪われた場所として避けられ、彼自身も人々から孤立していった。田中は絶望の中、都市伝説探偵に助けを求めることを決意した。


探偵は薄暗いスタジオに到着し、田中と対面した。田中は疲れた表情で、「探偵さん、助けてください。私は何も悪いことをしていないのに、こんなことが起きてしまったんです」と訴えた。探偵は田中から写真の一部を受け取り、それらを詳しく調べ始めた。写真には確かにもう一人の田中が写っており、その姿は異様にリアルであった。


「これらの写真が撮られた場所はどこですか?」探偵は田中に尋ねた。田中は少し考えた後、「近くの古い公園です。あそこは私がよく撮影に使う場所です」と答えた。


探偵はその公園に向かうことを決意し、田中と共に現場に向かった。公園は静まり返っており、夜になると一層不気味な雰囲気が漂っていた。探偵はカメラを手に取り、公園の中を歩き回りながら撮影を始めた。


しばらくすると、探偵のカメラにも奇妙な現象が現れ始めた。ファインダー越しに見える風景に、もう一人の自分が写り込んでいたのだ。探偵はその影像をじっと見つめ、「これはただの幻ではない。何かがこの場所に存在している」と確信した。


探偵はさらに調査を進め、公園の奥に古びた祠を見つけた。その祠には何かが封じ込められているようで、周囲には不気味な雰囲気が漂っていた。「この祠が写真に影響を与えているのかもしれない」探偵はそう考え、祠の中を調べることにした。


祠の中には古い鏡があり、その鏡に触れた瞬間、探偵は強い力で引き寄せられた。気がつくと、探偵は異次元のような空間に立っていた。そこには無数の影像が漂い、不気味な囁き声が響いていた。


「ここが、写真の中のもう一人の自分が存在する場所か…」探偵は冷静に周囲を見渡しながら、この異次元の空間での調査を開始した。

  第二章:本格的な調査

探偵は異次元の空間に立ち尽くし、その不気味な雰囲気に圧倒されながらも冷静に調査を進めた。無数の影像が漂い、その中には田中のもう一人の自分も混じっていた。囁き声が四方から響き渡り、探偵の心をかき乱したが、彼は決して怯まずに前進した。


「この場所は何なのか…」探偵は慎重に足を進めながら、周囲を注意深く観察した。彼はすぐにこの空間が異次元であり、何か強力な呪いが関与していることを理解した。鏡が異次元への扉となっているのなら、出口もまた鏡を通じて見つけることができると考えた。


探偵は異次元の空間を探索し始め、同じような鏡が他にも存在することに気づいた。異次元の空間は迷路のように入り組んでおり、探偵は慎重に歩みを進めた。やがて、一つの大きな鏡の前に立ち止まった。その鏡は他のものとは異なり、異様な光を放っていた。




「これが出口への手がかりかもしれない…」探偵はそう考えながら鏡に近づいた。すると、鏡の表面が波打ち始め、突如として田中の影像が現れた。影像は探偵に向かって手を伸ばし、何かを訴えかけるような表情を浮かべていた。


「田中さん、あなたの影像がここにいる理由を知りたいんです。」探偵は影像に話しかけた。影像は一瞬静止し、次の瞬間、探偵の脳裏に直接語りかけてきた。


「私は…呪われた存在。この鏡に触れたことで、私はもう一人の自分を作り出してしまった。その影像は私の一部であり、同時に私を蝕む存在なのです。」


探偵は影像の言葉に驚きながらも、その意味を理解し始めた。「つまり、鏡に触れることで、もう一人の自分が作り出され、その影像が人々の精神を病ませているということか。」


影像は悲しげに頷いた。「そうです。この異次元の空間は、その影像が存在する場所。ここから抜け出すためには、この呪いを解かなければなりません。」


探偵は呪いを解くための手がかりを探しながら、古い文書や書物を丹念に読み進めた。そこには呪いに関する情報が記されており、探偵は一冊の古い書物に目を留めた。その書物には、呪いを解くための儀式について詳細に記されていた。


「この儀式を行うことで、呪いを解くことができる…」探偵は書物に記された手順を注意深く読み、準備を始めた。儀式には特別な道具や呪文が必要であり、それらを集めるために異次元の空間をさらに探索した。


道具を探している最中、探偵はふと自分の背後に誰かの気配を感じた。振り返ると、そこには田中の影像が立っていた。影像はじっと探偵を見つめ、その瞳には深い悲しみが宿っていた。「助けてくれ…」影像は弱々しい声で囁いた。


探偵は影像に近づき、「君を助けるためにここに来た。君の言う通り、この呪いを解かなければならない」と優しく語りかけた。影像は一瞬安堵の表情を浮かべたが、次の瞬間、突然激しい痛みに襲われたように顔を歪めた。


「急がなければならない…」探偵は心の中でそう呟き、必要な道具を集めて儀式の準備を整えた。やがて、彼は大きな鏡の前に立ち、古い書物に記された呪文を唱え始めた。呪文の言葉が異次元の空間に響き渡り、鏡の表面が再び波打ち始めた。


「これで呪いが解けるはずだ…」探偵は心の中で祈りながら、呪文を続けた。次第に鏡の表面から光が放たれ、その光が異次元の空間全体を包み込んだ。影像たちは一瞬にして消え去り、異次元の空間は静寂に包まれた。


探偵は目の前に広がる光景を見つめながら、「これで呪いが解けたのか…」と呟いた。彼は異次元の空間から現実の世界に戻るため、再び鏡に触れた。次の瞬間、探偵は元の公園に立っていた。


公園は静まり返り、夜の空気が冷たく感じられた。探偵は自分のカメラを確認し、異次元の影像が写り込んでいないことを確かめた。これで呪いは解け、写真を見た者たちが再び精神を病むことはないだろう。

  第三章:呪いの解放

探偵が異次元の空間から現実に戻り、呪いを解いた後も、彼の心にはまだ解決すべき疑問が残っていた。なぜこの古い鏡が存在し、誰がこの呪いを仕掛けたのか。その背後にある真実を解き明かすために、探偵はさらに調査を進めることにした。


翌日、探偵は再び田中のスタジオを訪れた。田中は探偵が無事に戻ったことに安堵しながらも、「呪いは本当に解けたんですか?」と不安げに尋ねた。探偵は頷きながら、「はい、異次元の影像は消え去りました。しかし、この鏡がどのようにしてここに来たのか、その真相を突き止める必要があります。」と答えた。


探偵は鏡の出所を調べるため、田中にその入手経路を尋ねた。田中は少し考えた後、「この鏡は、数年前にアンティークショップで購入したものです。その時は特に何も感じなかったのですが…」と答えた。


探偵はアンティークショップの情報を元に、店主を訪ねることにした。店主は古い鏡について話を聞くと、「その鏡は、とある古い屋敷から引き取ったものです。屋敷の持ち主は亡くなっており、遺品整理の一環で鏡が売りに出されたのです。」と説明した。


探偵はその屋敷に関する情報をさらに調べることにし、その屋敷がかつてどのような人物によって所有されていたのかを突き止めた。屋敷の元の持ち主はエドワード・ブラックウッドという名の魔術師であり、彼の研究の一環として鏡が使用されていたことが判明した。


「エドワード・ブラックウッド…彼がこの呪いを仕掛けたのか。」探偵はその名前に聞き覚えがあった。かつて都市伝説の一部として語られていたブラックウッドの研究は、危険でありながらも非常に興味深いものであった。


探偵はブラックウッドの屋敷を訪れ、さらに調査を進めた。屋敷は現在、廃墟と化しており、その中には彼の研究に関する書物や道具が残されていた。探偵は古い日記を見つけ、その中に鏡に関する記述を発見した。


「この鏡は、異次元の影像を映し出す力を持つ。それは私の研究の成果であり、同時に最大の過ちでもある。」日記にはそう記されていた。ブラックウッドは異次元の存在を証明するためにこの鏡を作り出したが、それが結果として呪いを引き起こすことになったのだ。


探偵はブラックウッドの日記を読み進めながら、彼が最後に遺した言葉に目を止めた。「もしこの鏡を見つけた者がいるならば、その呪いを解く方法もまたここに記されている。異次元の影像を消し去り、鏡を封印することで、呪いは完全に解かれるだろう。」




探偵はブラックウッドの遺した方法に従い、鏡を封印することを決意した。彼は屋敷の中にある道具を使い、鏡を厳重に封印し、その力が再び解き放たれることのないようにした。


「これで、呪いは完全に解かれた。」探偵は封印を終えた後、屋敷を後にしながら静かに呟いた。彼は再び田中のスタジオを訪れ、事の次第を報告した。田中は探偵の尽力に感謝し、「これで安心して写真を撮ることができます。」と安堵の表情を浮かべた。


探偵はスタジオを後にし、書斎に戻って事件の報告書をまとめるためにタイプライターの前に座った。カチャカチャと響くタイプライターの音が部屋に広がり、探偵は一文字ずつ丁寧に書き記していった。


「写真に映るもう一人の自分の正体は、エドワード・ブラックウッドの研究によって作り出された異次元の影像であった。その呪いを解くことで、影像は消え去り、鏡は封印された。これにより、再び同じ恐怖が訪れることはないだろう。」


探偵は最後に「この事件を通じて、私は超自然的な力の恐怖と、それに立ち向かう勇気を再確認した。これからも未知の謎に立ち向かう覚悟を持ち続ける。」と書き記し、タイプライターのキーを静かに叩いた。文字が一文字ずつ打ち込まれるたびに、紙に記された文字は徐々に薄れ、やがて完全に消えていった。


探偵は満足そうに報告書を眺めながら、新たな冒険に向けての準備を整えた。都市にはまだ多くの謎が待ち受けているが、今日のような事件を解決することで、彼の探偵人生に新たな意義が与えられるのだ。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。