3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

地球の選択 - 二つの未来 

では、「都市伝説探偵」を読んでみてください。

爆 笑爆 笑爆 笑


探偵事務所を営む私は、あらゆる依頼を請け負ってきた。失踪人探しから、浮気調査、時には企業の秘密調査まで。しかし、その日受けた依頼は、これまでのどれとも違った。



「都市伝説の謎を解明してほしい」というものだ。依頼人は、一見普通のサラリーマン風の男だった。男が語るには、彼の友人が都市伝説に関連する何かに巻き込まれ、失踪したという。警察にも相談したが、取り合ってもらえず、絶望的な状況にあると。

私は半信半疑であった。都市伝説とは、そもそも根拠のない話。しかし、依頼人の真剣な眼差しを前に、仕事を引き受けることにした。

依頼された都市伝説は、「青いハンカチ」にまつわるものだった。夜中に特定の交差点を歩いていると、突然誰もいないはずの後ろから「ハンカチ、落としましたよ」と声をかけられ、振り返るとそこには青いハンカチが落ちており、それを拾った人間は行方不明になるというものだ。

調査を開始してすぐ、私はその交差点を訪れた。夜の静けさが街を包んでおり、人影はまばら。時折通り過ぎる車の音だけが、不気味な雰囲気をかき消していた。

何時間もの間、何も起こらなかった。ただの都市伝説に過ぎないのではないか、そう思い始めたその時、背後から声がした。「ハンカチ、落としましたよ」。

振り返ると、そこには青いハンカチが落ちていた。誰もいない。ただ、そのハンカチだけが、不自然に地面に置かれている。私は、依頼人の話を思い出しつつ、ハンカチに手を伸ばした。


その瞬間、周囲の景色が一変した。交差点は消え、私は見知らぬ暗闇の中にいた。耳をつんざくような静けさ。そして、ふと気がつくと、私の前には一人の男が立っていた。それは、依頼人が言っていた失踪した友人だった。

彼は静かに語り始める。「ここは、信じる者だけが辿り着ける場所。都市伝説は、ただの話ではない。現実と虚構の狭間、私たちはその証人だ」。

驚愕しつつも、私は理解した。都市伝説は、現実世界と異なる何かが交差するポイント。信じなければ見えない、しかし信じれば、その闇に飲み込まれる。

彼と話をしている間に、徐々に周囲の景色は元に戻り、私は再びあの交差点に立っていた。手には、青いハンカチが握られていた。全てが夢だったのかと思いきや、手の中のハンカチは非常にリアルで、その冷たさまで感じ取ることができた。

依頼人に戻って事の顛末を話すと、彼は驚愕と共に安堵の表情を浮かべた。「友人が無事でいるという証拠ですね」と。しかし、彼はすぐに表情を曇らせ、「でも、あなたはハンカチを拾った。これからどうなるんですか?」と心配そうに尋ねた。

私はその問いに即答できなかった。確かに、都市伝説には続きがある。ハンカチを拾った者は行方不明になるというが、私はここにいる。都市伝説のルールを破ったのか、それとも新たな謎の一部になったのか。

この事件をきっかけに、私は「都市伝説探偵」としての新たな一面を持つことになった。都市伝説は、ただの作り話ではなく、時には現実世界と異なる次元を繋ぐポータルのようなものかもしれない。信じるか信じないかは、あなた次第だ。

しかし、一つだけ確かなことは、世界は思っている以上に不思議で、理解不能なことで満ちているということだ。私はこれからも、見えないものを追い求め、その真実を解き明かすために、夜の街を彷徨い続けることだろう。

依頼人との別れ際、彼は「ありがとう、あなたのおかげで友人がまだこの世のどこかにいるという希望を持てました。気をつけてください、都市伝説はあなたを見ていますから」と言って笑った。その笑顔の裏にある意味を、私はまだ完全には理解できていない。

そして、青いハンカチは今も私の机の引き出しの中にある。それを見るたびに、私は都市伝説の深淵を垣間見る。そして、あなたがもし不思議な現象に遭遇したら、それは単なる偶然ではないかもしれないと思い出させてくれる。