3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

都市伝説探偵↓

都市伝説探偵 

時間を失うビル

消えゆく文字のタイプライター

忘れられたSOS 

影を潜む真実の都市伝説 

消えたペットを探して 

消えた建築家の邸宅 

では、「終わらない夜の物語・都市伝説探偵」を読んでみてください。

爆 笑爆笑爆笑


深夜、都市の片隅にひっそりと佇む路地は、薄霧に包まれ、幽玄な雰囲気を放っていた。地元の人々の間では、この路地を歩く者は朝を迎えることができないという都市伝説が囁かれていた。そんな謎に挑むべく、「都市伝説探偵」は決意を胸に、その路地へと足を踏み入れた。


探偵が路地に足を踏み入れると、霧がさらに濃くなり、周囲は静寂に包まれた。街灯の光は、霧を通して幻想的に揺らぎ、この世とは思えない光景を作り出していた。時間が止まったかのような感覚に包まれる中、探偵は目の前に現れた一台の古いビデオデッキに目を奪われた。電源が入ったまま放置されているそのビデオデッキからは、時空を歪めるかのような微細な振動が感じられた。



ビデオデッキは、路地の一角にひっそりと置かれ、その存在がこの場所の異常な現象の源であるかのように思えた。探偵は、ビデオデッキに近づき、その機体を慎重に調べ始める。ビデオデッキはモデルが古く、長い時間をこの路地で過ごしてきたようだが、なぜ電源が入ったままなのか、その理由は不明だった。


そんな時、探偵はビデオデッキからわずかに漏れる音に気づく。それは、ビデオデッキ内部でビデオテープがゆっくりと巻き戻される音だった。この音が、路地を歩く者を朝が来ない世界に閉じ込める原因なのかもしれないと探偵は推測した。


しかし、このビデオデッキと異常現象の関連性を確かめるためには、さらに深い調査が必要だった。探偵は、ビデオデッキの謎を解明し、都市伝説の真相に迫るために、この路地での調査を続けることを決意する。この不可解なビデオデッキが、永遠の夜の秘密を握っているのかもしれないと考えながら。


探偵はビデオデッキを詳しく調べるも、目に見える異常はない。しかし、彼は過去の事件で手に入れた特殊な3Dメガネを取り出し、かけてみることにした。メガネを通して見ると、ビデオデッキを操作している透明な存在が見えてきた。それは、ビデオデッキが長年の孤独と共に生み出した付喪神(つくもがみ)だった。



探偵は慎重に、つくもがみに話しかける。「君がこの路地を永遠の夜に閉じ込めているのか?」つくもがみは沈黙を守っていたが、探偵の誠実さに心を開き、過去にこの路地で起きた悲しい出来事を語り始める。それは、つくもがみが生まれた日、路地で起きた悲劇の物語だった。つくもがみは、その出来事に囚われ、時間を巻き戻し続けることで悲劇を繰り返していたのだ。


探偵はつくもがみに説得を試みる。「過去の出来事に囚われていても、何も変わらない。君が真に望むのは、この路地で再び朝を迎えることだろう?」長い説得の末、つくもがみはビデオデッキの再生ボタンを押し、時間の歪みを修正する。その瞬間、路地に満ちていた霧が晴れ、周囲には生活の音が戻り始める。


事件を解決した後の静かな夜、探偵は自分の調査室で「消えゆく文字のタイプライター」の前に座り、この一連の出来事を記録し始めた。タイプライターのカチカチという音が部屋に響き渡り、『終わらない夜の物語』がゆっくりと文字として紙上に現れては、消えていった。


記録が終わり、静かに紙から文字が消えていくのを見ながら、探偵は読者に向けて特別なアイテムについての解説を始めた。「この3Dメガネは、ある事件で手に入れた特殊なアイテムだ。普通のメガネとは異なり、特定の波長の光を捉えることで、私たちの目には見えない超自然的な現象を可視化することができる。今回の事件では、このメガネを通して、ビデオデッキを操る付喪神(つくもがみ)の存在を確認することができた。」


探偵は続ける。「このメガネは、超自然的な現象に直面する探偵業務において、非常に重要な役割を果たしている。このメガネがなければ、今回の事件の真相には辿り着けなかっただろう。もちろん、このメガネを使う機会はそう多くはないが、必要とされる時にはこのメガネが真実を明らかにする鍵となる。」


探偵は微笑みながら、3Dメガネを手に取り、読者に向けて付け加えた。「いつかこのメガネが私を導いた過去の事件についても、詳しく話す機会があればと思います。その時は、また違った形の都市伝説の謎解きを楽しんでいただけるかもしれません。」


この物語は、過去の未練を手放し、前に進む勇気を与える教訓として、探偵を通じて世に伝えられることとなった。そして、探偵は、次なる都市伝説の謎に挑むために、再び夜の街へと歩を進めるのだった。