3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

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では、「消えゆく文字のタイプライター・都市伝説探偵」を読んでみてください。

爆 笑爆 笑爆 笑


深夜、私の探偵事務所に届いた一冊の空白の本と、それを送ったと思しき謎の人物からの手紙。その内容は奇妙で、一台の古いタイプライターに纏わる都市伝説と、この空白の本を完成させる鍵がそこにあるというものだった。
 
古いタイプライターが特定の夜、特定の条件下でのみ、失踪した作家たちの未完成の作品を書き続けるという話。そして、そのタイプライターで打たれた文字は、物語が完成すると共に消え去るという。これは、単なる伝説ではなく、失われた時間、未来を予言する能力、または過去を変える力があるとも噂されていた。
 
届いた空白の本と謎の手紙を手に、私は古いタイプライターを探し始めた。手紙に書かれた手がかりはわずかで、それが導くのは都市の片隅にある古書店のみ。店の主は、年老いた男で、彼の記憶はこのタイプライターにまつわる伝説をよく知っていた。
 
「ああ、そのタイプライターか。確かにここにあった時期もある。だが、それは特別なものでね、ただの人間の手に渡るようなものじゃない」と彼は言った。店主の話によると、このタイプライターはしばしば場所を変え、所有者もまた頻繁に変わるという。まるで自らの意志を持っているかのように。
 
その話を聞き、私はこのタイプライターがただの物品ではなく、何らかの特別な力を持っていることを確信した。店主からの曖昧な手がかりを頼りに、私は市内の古物商、オークションハウス、さらには廃墟と化した作家の邸宅まで足を運んだ。
 
長い調査と多くの迷路のような情報の中を進むうちに、私はついにそのタイプライターが最後に目撃された場所、街のはずれにある廃工場にたどり着いた。工場の中は薄暗く、長年の放置で錆びついた機械が無秩序に転がっていた。その中央に、ひっそりと、しかし堂々と置かれたタイプライターがあった。まるで私を待っていたかのように。
 
 
タイプライターを前にして、私はふと理解した。このタイプライターは、ただの機械ではなく、過去と現在、未来を繋ぐ架け橋のようなもの。失われた作家たちの魂が、未完の物語を完成させるために、このタイプライターを通じて私たちに語りかけているのだ。
 
その夜、タイプライターを事務所に持ち帰り、空白の本の最初のページをセットした。そして、打鍵する手が自然と動き出し、未完成だった物語が、一文字ずつ、しかし確実に、形を成していった。それはまるで、時を超えた対話のようだった。
 
 
古びた、しかし何か神秘的な力を秘めているかのようなそのタイプライターは、私がそれを使って打ち出した文字が、本当に物語を完成させると消え去ることを証明した。
 
この体験を経て、私は都市伝説探偵として、このタイプライターを使って都市伝説に関する調査結果や考察をまとめることにした。しかし、このタイプライターの性質を鑑み、打った内容は公表する前に必ずデジタルでコピーを取ることにした。一度消えた情報は二度と復元できないのだから。
 
この都市伝説は、単なる話ではなく、失われた作品、時間、そして記憶についての深い物語を私たちに伝えている。そして、このタイプライターを通じて、私は都市伝説の中で見出した真実や教訓を、後世に伝える独特の方法を見つけた。
 
あなたは、この消えゆく文字のタイプライターが持つ、未来を予言する能力、あるいは過去を変える力に興味を持つだろうか。それとも、失われた作家たちの未完成の作品を完成させることができるこのタイプライターの謎に魅了されるだろうか。
 
私たちは、このタイプライターを通じて、時間と記憶の不思議な繋がりを再発見し、失われたものを取り戻す旅を続けていく。そして、その旅は、これからも新たな都市伝説を紡ぎ出していくことだろう。