3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

地球の選択 - 二つの未来 

都市伝説探偵 

では、「時間を失うビル・都市伝説探偵」を読んでみてください。

爆 笑爆 笑爆 笑


私が「都市伝説探偵」と呼ばれるようになってから、さまざまな奇妙な事件を解決してきた。しかし、今回の依頼は、これまでにないほど不可解なものだった。

依頼人は、ある企業の若き社長。彼の話によると、自社のビルには「時間を失うフロア」が存在するという。そのフロアに足を踏み入れると、人は数時間の記憶を失い、時には一日がまるで数分のように感じることもあるという。

最初は信じがたい話だと思ったが、彼が提供する証拠は明白だった。防犯カメラの映像には、特定のフロアに入った人が、入った瞬間と出た瞬間の時間に大きな隔たりがあるにもかかわらず、彼ら自身は数分しか経過していないと感じている様子が記録されていた。

この現象を調査するため、私はそのビルを訪れた。ビルは都心にある、見た目には何の変哲もないオフィスビルだった。だが、その特定のフロアに足を踏み入れた瞬間、異変を感じた。空気が一瞬、凍りつくような感覚があったのだ。


私は、そのフロアを注意深く調査し始めた。フロアには、古い時計、書類が散乱したデスク、そして何故か一台の古いテレビが置かれていた。そのテレビは、奇妙なことに、電源が入っていないにも関わらず、映像が映し出されていた。映像は、ビルの過去の様子を映しているようだったが、時折、未来の出来事のように見える場面もあった。


私は時間を忘れてその映像に見入ってしまい、気がつくと外はすっかり暗くなっていた。時計を見ると、なんと数時間が経過していた。私自身が「時間を失うフロア」の影響を受けていたのだ。

その後の調査で明らかになったのは、このフロアがかつて時間研究のための実験室だったこと。そして、実験の過程で発生した未知のエネルギーが、時空を歪める現象を引き起こしていたのだということだった。

私はこの事実を依頼人に報告した。彼は、そのフロアを封鎖し、二度と同じ過ちを繰り返さないようにすると約束した。

この事件は、私にとっても忘れがたい経験となった。都市伝説は、時に現実のものとなり、私たちの理解を超えた現象を引き起こすことがある。あなたも、何気ない日常の中に隠された不思議を見つけるかもしれない。しかし、その謎に足を踏み入れる際には、失うものが何かをよく考えてみてほしい。だって、あなたも知らず知らずのうちに、時間を失ってしまうかもしれないからだ。

この事件を解決した後、私のもとにはさらに奇妙な依頼が舞い込むようになった。それぞれの依頼には、人々の日常を超えた不思議や恐怖が潜んでいる。都市伝説探偵としての私の旅はまだまだ続く。

ビルの中で失われた時間を取り戻すことはできなかったが、この経験は私にとって貴重なものとなった。それは、見えないもの、説明できないものに対する理解を深め、未知への好奇心を刺激するものだった。

都市伝説にまつわる事件を解決することで、私は人々の恐れや不安に光を当て、時には安心を、時には新たな謎を提供する。それが「都市伝説探偵」としての私の役割であり、使命だ。

そして、この物語を聞いたあなたにも、日常に隠された不思議を探求する勇気があることを願っている。しかし、その探求があなたをどこへ連れて行くか、どんな結末を迎えるかは、誰にも予測できない。

今夜、もしもあなたが時計の針がおかしな動きをするのに気づいたら、それはもしかすると、あなたが「時間を失うビル」の影響圏内にいるのかもしれない。その時は、深く考えず、ただ時の流れを楽しむことをお勧めする。だって、時には、時間を忘れてしまうことも、人生において必要なリフレッシュかもしれないから。

結局のところ、私たちが日々直面している謎や不思議、それらはこの広大な宇宙の中のわずかな一部に過ぎない。都市伝説探偵の冒険は、その一部を解明する試みに過ぎないが、それが人間の好奇心をくすぐるのは間違いない。

私の名前は、都市伝説探偵。あなたの日常に潜む不思議を解き明かすため、今日も街を彷徨い続ける。