3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

都市伝説探偵↓

都市伝説探偵 

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忘却のカフェ 

百年目の訪問者 

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では、「午前三時の子守歌・都市伝説探偵」を読んでみてください。

爆 笑爆笑爆笑


静寂に包まれた住宅街の一角で、都市伝説探偵は深夜の調査を開始した。地元の住人たちからの奇妙な報告によると、毎晩午前三時になるとどこからともなく子守歌が聞こえてくるという。この不可解な現象の背後にある真実を探るため、探偵は音源を突き止めるべく、夜の静けさに耳を澄ませた。

時間が午前三時に近づくにつれ、住宅街にはふわりとした子守歌が響き渡り始めた。夜風がささやく中、探偵はそのふわりとした子守歌を頼りに静かな住宅街を歩き続けた。時刻はすでに午前三時に近づき、街灯の下で影が長く伸びていた。この幻想的なメロディは、住人たちによれば、数週間前から毎夜繰り返されているという。探偵は、この不思議な現象の源を探るべく、音が最も強く聞こえる方向へと進んだ。



やがて、探偵の目の前に現れたのは、風に吹かれてやや傾いた古い木造の家だった。その家からは、子守歌がはっきりと聞こえており、どこか懐かしさを感じさせるそのメロディは、夜の静寂と混じり合い、周囲に穏やかな雰囲気を作り出していた。探偵は、この家が子守歌の音源であることを確信し、ゆっくりとその扉に手をかけた。

家の中は、時間が止まったかのように静かで、薄暗い廊下の先にはわずかな光が見えた。探偵は、その光に導かれるように進み、やがて小さな居間に足を踏み入れた。部屋の中心には、古い写真や子供たちのおもちゃが丁寧に飾られた小さな祭壇があり、そこからほのかに光る霊の姿が現れたのだった。

その霊は、かつてこの地で亡くなった子供たちの母親で、彼女は失った子どもたちを悼み、彼らに再び会えることを願って毎晩歌を歌っていたのだった。部屋には悲しみと愛情が満ちており、探偵はその場の雰囲気に圧倒されながらも、霊に寄り添うように話しかけ、彼女の未練を解放する方法を探り始めたのだった。

霊との対話を通じて、探偵は母親が子供たちとの思い出に縛られ、この世を去ることができないことを知った。彼女はただ子供たちに再び会いたい、そして彼らに安らぎを与えたいと願っていた。探偵は地元の住人たちと協力し、失われた子供たちのための追悼式を執り行うことを提案した。式では、子供たちへの愛と思い出が語られ、母親の霊に対して感謝と別れの言葉が捧げられた。

追悼式の後、午前三時の子守歌は聞こえなくなった。母親の霊はついに安らぎを見つけ、この世を去ることができた。住宅街には再び静寂が戻り、住人たちは安心して眠ることができるようになった。



この一連の出来事を終えた探偵は、事件報告を「消えゆく文字のタイプライター」で記録した。タイプライターの音が夜の静けさに響き、探偵の手によって紡がれた言葉が紙に転写されていく。しかし、報告が完成すると、文字は徐々に薄れ、やがて完全に消え去った。この不思議な現象は、午前三時の子守歌の背後にあった深い愛と悲しみが、時間を超えても変わることのない普遍的なものであることを示していた。探偵はこの経験を胸に、次なる未解決の謎へと足を踏み出すのだった。