3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

都市伝説探偵↓

都市伝説探偵 

時間を失うビル

消えゆく文字のタイプライター

忘れられたSOS 

影を潜む真実の都市伝説 

消えたペットを探して 

消えた建築家の邸宅 

終わらない夜の物語 

記憶を食べるカフェ 

時間を売る店 

愛するペットへの天空の手紙 

忘却のカフェ 

百年目の訪問者 

忘れられた地下道の住人

午前三時の子守歌

影を失った男

迷子の時間を探す時計屋

星空の下で

運命のベンチ

毒ガスの森

消えたマンションの住人

消えゆく電車の謎

消えた学校の秘密

山奥の足跡

閉ざされたゲート

爆 笑爆笑爆笑


  第一章:都市伝説の始まり

海辺の小さな漁村。そこには古くから語り継がれる恐ろしい伝説があった。海底に沈む古代の都市。その都市には、巨大な怪物が住みついており、近づく者を食い尽くすという。漁師たちはその海域を避け、決して近づかないようにしていたが、伝説は次第に都市へと広まっていった。


「深海の怪物の噂を聞いたか?」

「ええ、聞いたとも。あの怪物に襲われたら最後、逃げることはできないらしい。」

人々は噂話を恐れながらも、その話題に引き寄せられていた。新聞やテレビもこの謎めいた話を取り上げ、伝説は瞬く間に全国へと拡散していった。


そんな中、若いダイバーが行方不明になる事件が発生した。彼は海底都市を探検しようとしていたが、消息を絶ったまま戻らなかった。そのニュースが広まると、人々の不安は一層高まった。村の長老は、「深海の怪物が現れたのだ」と断言し、誰もがその言葉を信じた。


漁村はすっかり恐怖に包まれ、誰もが深海の怪物を避けるようになった。海岸沿いには立ち入り禁止の看板が立てられ、夜になると海に近づく者は皆無となった。しかし、一人の男がこの状況に興味を持った。




彼は都市伝説探偵として知られる人物であり、その正体は謎に包まれていた。彼は数々の怪奇事件を解決してきた実績を持ち、今回の事件も自らの手で解決しようと決意した。探偵は村に足を運び、村人たちから話を聞き始めた。


「そのダイバーが消えた場所を教えていただけますか?」

「ここから東へ2キロの地点です。そこに古代の都市が沈んでいると言われていますが、誰も確かめたことはありません。」

村人たちは探偵に情報を提供しながらも、彼の無謀な行動に不安を感じていた。


探偵は古い図書館を訪れ、海底都市に関する古い文献を探し始めた。そこで彼は、古代の都市が栄えた時代に書かれたという古い地図を発見した。その地図には、沈んだ都市の位置が記されており、そこには「クトゥルフ」と呼ばれる巨大な怪物の姿が描かれていた。


「これはただの伝説ではない。本当に何かがある…」

探偵はそう確信し、海底都市への探検を計画することにした。しかし、彼は一人で挑むことの危険性を理解していたため、信頼できる仲間たちと共に調査を進めることを決めた。


彼はまず、海洋学者の協力を得るために電話をかけた。海洋学者は深海探査の専門家であり、探偵の依頼を受けて共に探検に参加することを快諾した。また、経験豊富なダイバーもチームに加わり、準備が整った。


「我々は深海の怪物の謎を解き明かし、失踪したダイバーを救い出すためにこの探検に挑む。危険は承知の上だが、真実を突き止めるために全力を尽くそう。」

探偵はチームメンバーに向けて決意を語り、全員が頷いた。


翌朝、彼らは準備を整え、深海の怪物が住むとされる海域へと向かった。天候は穏やかで、海は静かに彼らを迎え入れた。しかし、その海の底には何が待ち受けているのか、誰も知る由もなかった。


潜水艇に乗り込み、彼らは徐々に深海へと降下していった。周囲は次第に暗闇に包まれ、深海特有の静寂が彼らを取り囲んだ。やがて、海底都市の遺跡が目の前に現れ、その壮大さに息を呑んだ。


「ここが、伝説の海底都市か…」

探偵は感慨深げに呟きながら、潜水艇から遺跡へと足を踏み入れた。チームは慎重に周囲を調査し始めたが、その時、遠くから不気味な咆哮が聞こえてきた。 


「皆、注意を怠るな。何かが近づいている…」

探偵は警戒を呼びかけ、チームは一層緊張感を高めながら調査を続けた。


  第二章:本格的な調査

探偵とそのチームは海底都市の遺跡に足を踏み入れ、その壮大な光景に圧倒されながらも慎重に調査を続けた。遺跡は静まり返っており、その静寂の中に不気味な緊張感が漂っていた。潜水艇のライトが遺跡の壁に映し出す影は、まるで怪物の影のように見えた。




探偵は手元の古い地図を確認しながら、遺跡の中心部へと進んでいった。「地図によると、この先に大広間があるはずだ。そこに何か手がかりがあるかもしれない。」探偵はチームメンバーにそう告げ、慎重に進んだ。


やがて彼らは巨大な広間にたどり着いた。広間の中央には古代の神殿のような構造物があり、その周囲には古代の文字が刻まれていた。海洋学者がその文字を解析し始めた。「これらの文字は古代の儀式に関するものだ。どうやら、ここで何か重要な儀式が行われていたらしい。」


「もしかすると、この儀式が怪物の封印に関係しているのかもしれない。」探偵はそう考え、神殿の周囲を調査し始めた。すると、床に奇妙な模様が描かれているのを見つけた。それはまるで、何かを封じ込めるための結界のように見えた。


「この模様…何かを封じ込めるためのものかもしれない。怪物がこの結界の中に封じられているのか?」探偵はそう呟きながら、模様を注意深く調べた。しかし、その時、遠くから再び不気味な咆哮が聞こえてきた。


「皆、注意を怠るな。何かが近づいている…」探偵は警戒を呼びかけ、チームは一層緊張感を高めながら調査を続けた。その時、海洋学者が驚いた声を上げた。「探偵、ここを見てください。この文字は『解放』を意味しています。もし結界が解かれれば、怪物が自由になる可能性が…」


その言葉にチーム全員が凍りついた。「つまり、この遺跡に近づいたことで、怪物が解放されてしまう危険があるということか。」探偵は状況を冷静に分析しながら、早急に対策を考え始めた。しかし、その時、神殿の壁が突然振動し始めた。


「これは…地震か?いや、何かが動いている…」探偵は周囲を見渡し、異常な現象に気づいた。神殿の壁から巨大な触手が伸び、遺跡全体を包み込むように動き始めた。「怪物が目を覚ましたのか?」探偵は急いでチームメンバーに退避を指示した。


「皆、急いで潜水艇に戻るんだ!」探偵の指示に従い、チームは混乱しながらも撤退を始めた。しかし、触手は彼らを逃がさないように動き回り、遺跡の中を縦横無尽に這い回った。探偵は冷静さを保ちながら、チームを守るために奮闘した。


「ここから脱出する方法を考えなければならない…」探偵は潜水艇に向かいながら、古い地図を再び確認した。「待て、地図に出口の記載がある。そこまでたどり着けば…」探偵はチームに指示を出しながら、出口に向かって全力で進んだ。


その時、海洋学者が一つの古い巻物を発見した。「探偵、これを見てください。この巻物には怪物を再び封印する方法が書かれています!」探偵はその巻物を受け取り、急いで内容を確認した。「これだ…この方法で怪物を封印できるかもしれない。」


「皆、少しの間、時間を稼いでくれ!」探偵は巻物に記された儀式の準備を始めた。チームは触手と戦いながら、探偵が儀式を行うための時間を稼いだ。「今だ、儀式を始めるぞ!」探偵は巻物に記された呪文を唱え始めた。


呪文が響き渡ると、触手が一瞬静止した。次の瞬間、神殿の壁から光が放たれ、触手は消え去った。「成功した…怪物を再び封印したんだ。」探偵は安堵の表情を浮かべながら、チームメンバーと共に遺跡から脱出した。


潜水艇に戻った彼らは、無事に海面へと浮上した。探偵は村に戻り、事件の全貌を報告した。村人たちは感謝の意を示し、再び平和な日常を取り戻した。


探偵は事件の報告書をまとめるために街に戻った。


探偵は書斎で事件の報告書をまとめるために、タイプライターの前に座った。カチャカチャと響くタイプライターの音が部屋に広がり、探偵は一文字ずつ丁寧に書き記していった。


「深海の怪物の正体は、古代の神殿に封印された巨大な触手であった。その封印が解かれ、怪物が目を覚ましたが、再び封印することに成功した。この事件を通じて、私は未知の恐怖と立ち向かう覚悟を再確認した。」


探偵は最後に「これからも未知の謎に立ち向かい、真実を解明するために全力を尽くす。」と書き記し、タイプライターのキーを静かに叩いた。文字が一文字ずつ打ち込まれるたびに、紙に記された文字は徐々に薄れ、やがて完全に消えていった。


探偵は満足そうに報告書を眺めながら、新たな冒険に向けての準備を整えた。都市にはまだ多くの謎が待ち受けているが、今日のような事件を解決することで、彼の探偵人生に新たな意義が与えられるのだ。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。