産後の便秘と痔:産後・分娩後の便秘と痔の予防と治し方


「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 産後・分娩後に生じる便秘 も少なくありません。妊娠中に便秘 になって、産後もそのまま便秘 を継続してしまうことはよくあることです。また,産後や分娩後に多いのが痔です。産後に便秘と痔の双方があるママも非常に多いです。産後の便秘と痔には因果関係が認められています。ここでは、ママの悩みである産後の便秘 と痔:産後・分娩後の便秘と痔の予防と治し方 についてお話したいと思います。



産後の便秘の原因


産後の便秘 については、いくつかの原因があります。


★ 分娩時に出血を伴う場合、失った血液水分を補うために,大腸内からの水分吸収が促進されます。それにより,大腸内の水分が失われることによって,便が硬くなり,排便困難となって便秘が生じます。分娩時の出血によって便秘が一度でも生じますと,これを契機に便秘が頻繁に生じたり,あるいは慢性便秘になることがあります。これは,大腸の水分吸収能が継続的に高く維持されるためです。産後メンタルや味覚などの体質が変わるママも多いと思いますが,便秘も体質の変化によって生じることがあります。このような産後の体質変化に起因して生じる便秘は,慢性的なものが多く,積極的な便秘対策が求められることになります。


★ 産後に母乳を赤ちゃんにあげているママ,授乳婦さんは、便秘になりやすいです。母乳は水分 です。その水分を赤ちゃんにあげている訳ですから、ママの体内の水分量が減少して、コロコロ便 硬い便 となり便秘 が生じます。母乳は1日に600~800mLも出ます。妊娠中 のママの栄養は体内の皮下脂肪組織にある程度たくわえられますが、水分のたくわえはありません。授乳中 におけるママの水分摂取量の目安は2リットルです。1リットルは赤ちゃんのおっぱい用、もう1リットルはママ用です。 場は がでるので、さらに500mLくらい追加してくださいね。


★ 産後の水分摂取は,水や麦茶として摂るのがよいです。牛乳は脂肪分が多いので、水分の代わりにはなりませんし,産後の肥満の原因となります。炭酸飲料やカフェインを含む飲料は、母乳によくありませんので避けた方がよいです。母体がおっぱい(母乳)を作っている時は、ママの体の中の水分は、母乳の製造に優先的に使われます。ママの体の中の水分が不足した時は、ママの水分を使って、母乳を作ろうとします。そのために、大腸からの水分吸収が促進され、産後の便秘となります。授乳婦さんの便秘は非常に多いです。赤ちゃんが大きくなるにつれて、与える母乳量も増えていき、さらに水分が少なくなって便秘 どんどんと悪化します。便秘 がひどくなって が生じます。水分補給には十分に気をつけてくださいね。


★ 子育が原因で便秘が悪化する場合もあります。出産・分娩後の入院中は、母子同室であっても、ママはゆっくりと過ごすことができます。しかし、退院して自宅に帰ってからのママは、24時間、赤ちゃんのお世話をしないといけません。そのため、その忙しさや睡眠 不足で、ゆっくりとトイレで用をたすことができないことがあります。排便を我慢することになりますが、これが硬い便でコロコロ便となり、便秘の原因となります。授乳は、数時間おきに与えなければなりませんが、授乳期間中は、どうしてもママが睡眠不足に陥ります。睡眠不足は、便の排泄に必要な腸の運動を抑制してしまいますので、これが原因で便秘が生じます。このように、産後・分娩後においては、とても便秘になりやす環境となります。


産後の痔の原因

出産後、痔に悩まされるママは非常に多いです。しかし、「恥ずかしい」、「赤ちゃんのお世話で忙しい」等の理由から病院に行かず、一人で悩んでいるママも、きっと多いことでしょう。産後は、切れ痔やいぼ痔になりやすいです。産後の切れ痔やいぼ痔は、きちんと対処することが必要なのですが、便秘と合併して痔が生じることが多いので、便秘と痔の双方の対策が必要となります。


痔とは、肛門や肛門周辺の病気の総称で、いくつかの種類があります。そのうち、産後に多いのは切れ痔といぼ痔です。医学的に、切れ痔は裂肛(れっこう)といい、いぼ痔は痔核(じかく)とよばれます。切れ痔は肛門が裂けている状態で、排便時の痛みや少量の出血を伴います。便にも鮮血がついて、真っ赤な血便になることもあります。切れ痔がひどくなりますと、肛門が狭くなり、排便時に強い痛みが生じます。このような状態になりますと、排便するのが怖くなり、トイレに行く回数が減って、その間、便が硬くなって便秘が生じます。切れ痔で生じる便秘は、悪循環を繰り返すことになります。


いぼ痔は、肛門周囲の血流が悪くなってうっ血し、いぼ状に腫れあがった状態です。いぼ状の腫れが肛門の外側にできて、排便時に痛みがある外痔核と、直腸の内側にできる内痔核とがあります。いぼには血液が溜まっているので、少しの刺激で粘膜が傷つき、排便時に出血します。内痔核が悪化しますと、内側のいぼが、常に肛門の外に出てきて、元に戻らなくなることがあります。これを脱肛といいます。脱肛になりますと、少しの刺激でも、痛みを感じるようになり、排便に支障をきたすことになります。このようないぼ痔の症状は、切れ痔と同様に、便秘の便秘の原因となります。


出産を終えてしばらくの間は、後陣痛や会陰切開の痛みが続き、下腹部に違和感があるものです。しかし、産後数週間が過ぎ、出産に伴う痛みが癒えてきたときに、肛門に痛みを感じときは、痔を疑うのがよいでしょう。妊娠前に、痔のなかった女性でも、妊娠や出産を契機に痔になってしまうことはよくあります。


産後に痔になりやすい理由は、出産時のいきみと産後の便秘です。もともと妊娠中は、女性ホルモンのバランスが変化して、便秘になりやすい状態となっています。また、妊娠による腹圧の影響で、肛門周囲が、うっ血しやすくなっているので、切れ痔やいぼ痔になりやすい環境が整っています。出産時に強くいきむと、肛門に大きな負担がかかり、いぼ痔の原因となります。妊娠中には痔の症状がなくても、出産のいきみを契機に痔を発症する女性が多いです。また、産後に授乳をしていますと、水分が母乳にもっていかれるので水分不足となり、便秘気味となります。その状態で、排便のために、無理にいきみますと、切れ痔となってしまいます。


産後の便秘と痔の予防と治し方


産後の痔と便秘の対策についてですが、先ずは、痔の原因となり、また悪化要因となる便秘を解消させることです。


★ 産後の便秘 解消には、特に授乳中のママは、先ずは水分をこまめにしっかり摂るようにしましょう。授乳中のママは、水分を普段の2倍ぐらい摂ると良いです。お茶 はビタミンが含まれているので良いとされていますが、カフェインも含まれているので避けた方がよいでしょう。それよりも、ミネラルウォーターが一番効果的です。


★ 食物繊維 が多く含まれている野菜 類、根菜類、海藻類を積極的に食べましょう。それでも、便秘 改善されない場合には、水溶性食物繊維であるイヌリン食物繊維 等の健康補助食品を積極的に活用することが大切です。イヌリン食物繊維 は、腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす作用に優れ、それにより、硬くなった便を軟らかくして、便秘が解消されます。また、便秘予防としても有用です。イヌリン食物繊維は、ゴボウ、アスパラ、ニンニク、タマネギ等の野菜類にふくまれる天然成分であり、ママの体の中に吸収されず、それゆえ、授乳中 のママにとっても、安心して摂取することができる天然の水溶性食物繊維です。また、イヌリン食物繊維は、摂取後吸収されないので、当然のことながら、母乳中にも移行しません。今では、スティムフローラのように、不純物を全く含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。産後・分娩後の便秘や痔の予防と改善に、このような健康補助食品を積極的に活用することが望まれます。


★ 産後も便秘 が続いているようであれば、少しぐらい赤ちゃんを泣かせておいても大丈夫ですので、決まった時間に便器に座るように努力しましょう。便意を感じたら、我慢せずにトイレへ行く習慣をつけて下さい。下痢で何度もトイレに行くと、拭き過ぎで切れ痔やいぼ痔を悪化させるので、日々、お腹の調子を整えることが大切です。イヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維は、整腸効果も期待できます。


★ 痔の予防として、肛門に負担をかけずに、清潔に保つことも重要です。食事の献立として、辛い物や刺激物は控えて下さい。トイレでは、勢いを弱めたウォシュレットを使って清潔に保ち、トイレットペーパーで強く拭かないようにします。ただし、痔の症状がひどい場合や会陰切開の傷が治りきっていない場合は、ウォシュレットの使用は控え下さい。糞便中の大腸菌などの腸内細菌・悪玉菌によって感染することがあるためです。また、長時間座り続けていると肛門に圧力がかかり、肛門周辺の血流が悪くなって、痔を悪化させます。長時間同じ姿勢を続けず、適度に体を動かして、血流をよくしましょう。産後すぐは、あまり運動ができないので、産褥体操がおすすめです。


産後の便秘 や痔には、イヌリン食物繊維がとてもよく効きます。便秘 や痔をを解消しあるいは予防して、赤ちゃんの育児、頑張って下さいね。将来が楽しみですね!
便秘の解消法:女性の便秘解消対策








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