夏バテ・夏の便秘対策：夏バテによる疲労感、だるさ、食欲不振、便秘の予防と治し方
「便秘の解消法：女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 夏は、便秘になりやすい季節です。夏バテで、疲労感、だるさ、倦怠感、食欲不振といった症状も現れます。高温・多湿の夏は、汗をたくさんかくことで、体内の水分が失われ、それを補うために腸からの水分吸収が高まり、その結果、硬い便となって便秘が生じます。冷たい飲食物の摂り過ぎや冷房の効いた部屋に長時間いることで体が冷えてしまったり、室内と屋外の温度差による自律神経の乱れによって便秘、疲労感、だるさ、食欲不振といった症状が生じます。便秘は、夏バテの代表的な症状でもあります。夏バテは、40代から50代の更年期の女性により強く現れ、また、便秘もひどくなります。イヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維は、水分を保つ力、保水力が高く、それゆえ、夏の水分バランスを効果的に補助し、便秘の解消や夏バテ防止に有用です。ここでは、夏バテ・夏の便秘対策：夏バテによる疲労感、だるさ、食欲不振、便秘の予防と治し方についてお話します。
フルタイムで働く約1,000人の成人を対象にした「夏の健康」に関する調査によりますと、夏に体調不良を感じる人は、全体の66.3%と、3人に2人は、何らかの体調不良を感じています。主な体調不良は、「身体がだるい、疲れを感じる」が62.7%、「夏バテによる食欲不振」が46.7%と多く、「寝つきが悪い」、「寝苦しい」、「睡眠が浅い」といった睡眠に関するものも、それぞれ40%以上とかなり多い結果でした。また、2人に1人は、便秘あるいは便秘気味と回答しています。これは、夏の猛暑によって、日中に体力を消耗した上に、疲労を回復し体力を取り戻すのに必要な睡眠を、熱帯夜のために、十分とることができなかったことが、夏の体調不良の原因であると考えられています。便秘も、そのような体調不良と連動して、生じています。
夏の食生活に関する調査では、「そうめんや冷やし中華などといった麺類を食べることが多い」と回答した人は、全体の39.8%と最も多く、次いで、「夏は、アイスやかき氷、ゼリーなどを食べることが多い」と答えた人が31.7%と多かったです。麺類の主成分は、炭水化物ですので、そればかり食べていますと、タンパク質、ビタミン、脂肪、ミネラル、食物繊維などが不足してしまい、栄養のバランスが崩れてしまいます。栄養バランスが崩れますと、体内に疲労物質が溜まって、夏バテが起こりやすくなります。
夏の猛暑が続きますと、めまい、微熱、動悸、涼しいところでも汗を多くかく、といった症状が現れ、夏バテによる自律神経失調症と診断されることがありますが、漢方薬も含め、なかなかお薬では改善されません。夏バテは、自律神経を乱します。自律神経失調症は、医学的に病気としての明確な概念はございませんが、一般に、自律神経のバランスが乱れた状態のことをいいます。自律神経の乱れによる主な症状には、だるさ、あるいは食欲不振といった夏バテ症状、便秘、下痢、頭痛、冷え、疲れやすい、疲れがとれない、動悸、めまい、息切れ、顔のほてり感、立ちくらみ、肩こり、不眠、などがあります。夏バテによる体調不良のほとんどは、自律神経の乱れによるものとされています。
自律神経は、自分の意思とは関係なく、無意識のうちに働いている神経です。仕事をしているとき、家事をしているとき、勉強をしているとき、あるいは、寝ている間にも、自律神経は働いています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。心臓などの各臓器、血液の流れの管理など、呼吸、消化、代謝など、生命活動の維持に必要な働きを調節しています。たとえば、夏の暑い日には、交感神経が暑さをすばやく感知して働き、汗腺から汗を出して体温を下げようとます。
交感神経と副交感神経とは、それぞれが相反する働きがあり、自動車のアクセルとブレーキとの関係に近いものがあります。片方の神経が活動を促し、その一方で、もうひとつの片方の神経は、活動を抑制するように働き、両者の働きのバランスによって、身体は、正常に機能します。たとえば、交感神経は、腸に作用して便の排泄を抑制する働きがあり、一方、副交感神経は、腸に作用して便の排泄を促す働きがあります。交感神経と副交感神経のバランスが保たれていれば、便通は正常となります。しかし、交感神経の働きが副交感神経の働きよりも強ければ、便の排泄が抑制されて、その結果として、便秘が生じます。また、副交感神経の働きが強ければ、下痢が生じます。その他、交感神経は、①心臓の働きを高める、②血圧を上げる、③消化を抑制しますが、一方、副交感神経は、①心臓の働きを抑える、②血圧を下げる、③消化を促す、といった、相反する働きがあり、そのバランスの上で、心臓、血圧、消化は、正常に機能しているのです。
自律神経のバランスは、昼夜の生活の乱れ、ストレス、更年期障害や女性ホルモンの変動など、さまざまな原因で乱れます。また、環境の変化によっても自律神経のバランスは乱れます。特に、夏は、環境の変化によって自律神経のバランスが乱れやすくなります。クーラーなどの冷房の効いた室内と、暑い屋外への出入りが増えるために、自律神経は、1日に何度も体温や発汗の調節をすることになります。そのような状態が繰り返されますと、過労状態となって、自律神経のバランスが乱れ、夏バテ症状が現れることになります。一般に、屋内と屋外の温度差が5℃以上になりますと、自律神経のバランスが乱れるといわれています。また、40代から50代の更年期の女性は、女性ホルモンの変動が加わるために、若い女性に比べて、自律神経が乱れやすくなるとされています。更年期の女性に夏バテが多いのも、このような理由によるものです。
夏バテと便秘について、もう少し、詳しくみていきましょう。夏バテの主な原因は、①室内外の温度差による自律神経の乱れ、②高温多湿の環境による発汗の異常、③熱帯夜による睡眠不足、④食欲不振、の4つです。これら夏バテ原因の4つは、全て、便秘を生じさせる原因ともなります。夏バテ原因の主体は、自律神経の乱れ、すなわち、自律神経失調症といっても過言ではないのですが、自律神経失調症を治療するお薬は、漢方薬も含めて存在しません。なぜならば、自律神経失調症という疾病概念が医学的に存在せず、よって、これを治療するお薬も存在しないということになります。
しかし、夏バテ防止策は存在します。夏バテによる自律神経の乱れの根源は、高温多湿の環境による発汗の異常にあります。すなわち、繰り返される過酷な体内水分バランスの調節によって、自律神経が過労状態となるため、自律神経は乱れるのです。よって、自律神経による体内水分バランスの負荷を抑えてやれば、自律神経の乱れは軽減され、その結果、夏バテ症状は緩和されることになります。
夏バテ防止策として、汗で体内水分が失われるので、水分をこまめに摂ることがよいと、よくいわれています。確かに、水分をこまめに摂ることは、夏バテ防止策につながります。しかし、問題は、単に水分を摂るだけでは、夏バテ防止にはつながりません。なぜなら、水分を摂取しても、異常な発汗のために、摂取した水分は、直ちに体外に失われるためです。よって、腸の中で、水分が持続的に保持されることが、体内水分の消失の防止にとても重要となります。
イヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維を摂取しますと、腸の中で、水分を持続的に保持させることができ、体内水分バランスの過激な変化を緩和させることができます。水溶性食物繊維は、水分子と親和性が高く、水に溶けた状態で、水分子を抱えている状態となっています。ちょうど、生理用ナプキンが血液を吸収したような、あるいは、食器洗いのスポンジが水を含んでいるような、そのような状態となっています。水溶性食物繊維に相互作用で結合した水分は、徐々に、腸から吸収されますので、急激な水分の消失を回避させることができるのです。これによって、自律神経の体内水分バランスの負担が軽減され、その結果、自律神経の乱れも軽減されることになり、夏バテ防止につながることになります。一方、水に溶けないセルロース、ヘミセルロースあるいは加工されたグルコマンナン（コンニャク）などの不溶性食物繊維は、水分との親和性が低いので、水分の徐放効果は期待できないことになります。徐放効果とは、徐々に、放出することをいいます。夏の水分対策では、イヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維が有効となるのです。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。便秘、疲労感、だるさ、食欲不振を伴う夏バテ防止対策として、このような健康補助食品を活用することも有用です。
40代あるいは50代の女性の夏バテは、20代から30代の頃の夏バテよりも深刻です。女性ホルモンの減少で、自律神経のバランスが乱れやすくなるためです。言い換えますと、更年期の女性は、体温調節がうまくコントロールできないということになります。必要以上に、体力が消耗して、夏バテが加速します。体温調節、すなわち、体内水分バランスのサポートには、単に水分摂取のみならず、イヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維を同時に摂取することが、夏バテ防止に有効です。イヌリン食物繊維は、大腸に生息するビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の栄養源となって、これらの善玉菌を増やす作用にも優れています。これをプレバイオテイク効果といいます。増えたビフィズス菌などの善玉菌は、硬くなった便を軟らかくする効果もあり、これによって、自然なお通じが改善され、便秘対策にもつながります。
年々、夏の暑さが厳しくなってきたと感じています。水溶性食物繊維という、ちょっとした食品栄養成分の補給で、夏バテ防止や熱中症による脱水症状の予防、あるいはそれらに伴う便秘の解消にもつながります。
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