便秘と水・水分


便秘の解消法:女性の便秘解消対策! 便秘解消のために水を飲んでいますか? 水分を摂ることによって、便秘は解消されましたか? 一般に、水分を摂ると、便が軟らかくなって、便秘が解消されるといわれています。でも、水を飲んでも、便秘が解消されなかったということもよく聞きます。適度な水分摂取は、便秘の予防に役立ちますが、余程、多量の水を飲まない限り、水は、劇的に便秘を直接、解消させるほどの効果はないです。多量の飲水は下痢を起こしますし、また、血液などの体液が急激に増えることによって、腎臓の負担が増し、健康によくないので注意しましょうね。高血圧などの持病を持っておられる方は、特に注意が必要です。とはいえ、水分摂取は、健康の維持に欠くことができません。それでは、便秘と水、水分摂取について、詳しくお話します。


ヒトの体内にある水分量は、年齢や性別で異なってきます。健康的な成人女性は約55%が水分でできています。成人男性では約60%が水分で構成されています。ですので、この水分量を保つことによって、健康な生活を送ることができるのです。一方、幼児における体内水分量は体重の70%ほどあり、成人に比べて体内水分量が多くなっています。幼児は、新陳代謝が活発なので、健康の維持に必要な水分量を失いやすくなり、脱水症状が起こりやすいといわれています。幼児は、のどの渇きをあまり訴えないので、周りの人達がこまめに水分補給を心掛けてあげましょうね。高齢者になりますと、体内水分量は53%まで低下します。幼児に比べて、17%も水分が少ないということになります。高齢者は、もともと体内水分量が少ないので、高齢者においても脱水症状が出やすいので、こまめな水分補給が必要となります。


一般に、肥満体で太った人は、体内水分量が多いイメージがありますが、実は、体内水分量は意外と少なく、体重の50%しかないのです。肥満の人の体内水分量は、高齢者と同じか、いれ以下なのです。筋肉組織の水分量は70~80%と水分を多く含むのですが、脂肪組織の水分量は、わずかに10~30%と非常に少ないため、肥満の人の体内水分量は少なくなるのです。肥満の人は、よく水や水分を欲しがります。これは、もともと体内水分量が少ないために、水分を補給しようとするものです。健康な成人女性の体内水分量が、男性に比べて少ないのも、女性は脂肪組織が多いためです。 このように、必要とされる体内水分量は、性別、年齢や体型によって異なってくるのです。


体の中の水分は、汗、尿、便などとして失われていきます。また、蒸発によっても体内の水分は失われます。このうち、体内水分の排泄量が最も多いのが汗と尿で、ウとなわれる水分量のそれぞれ42%、合計で84%を占めています。次いで、蒸発によって失われる水分量が12%、便からは4%の体内水分が失われます。便として失われる水分量は、意外と少ないことが分かります。


健康を維持するためには、失われる水分量に相当する水分を補給する必要があります。一般に、成人では、水分補給量の52%が飲料水(水、お茶、コーヒー、ジュースなども含む)として補給されています。固形の食べ物にも水分が含まれていますが、食べ物からの水分補給率は34%となています。残りの14%は、代謝水として体内に水分を補給しています。代謝水とは、食べ物を消化して栄養素を体内でエネルギーに変えるときに生成する体内で生合成される水分のことをいいます。


では、1日に必要な水分補給量はどのくらいになるのでしょうか? 目安としては、体重1キロあたり40mLの水分量が必要になるとされています。体重50キロの人では2リットル、体重60キロの人では2.4リットルが目安となります。ただし、猛暑などの気温が高い環境下では、失われる水分量も多くなりますから、適宜、摂取する水分量を増やす必要があります。


以上は、体全体からみた水分の摂取量と排泄量との水分物質収支の関係となります。では、便秘に関係する腸管内の水分は、どのように変化するのでしょうか? ヒトの口から肛門までは約10メートルございます。食べた物や飲料水は、胃の中で4時間ほど滞留し、その後、約8時間かけて小腸を通過します。小腸から大腸に送られてきた直後の食べ物は、その90%が水分となっていますので、どろどろ状の液体となっています。これが、大腸を通過する間に、少しずつ水分が吸収され、腸内容物が固まり、便が形成されます。


小腸から大腸の入り口付近の部位である上行結腸では、腸内容物は液状ですが、横行結腸を移動する間に水分が徐々に吸収され、液状から粥状に腸内容物は変化します。下行結腸を通過する間、さらに腸内容物の水分は吸収され、半固形状の腸内容物となります。S状結腸に移動しますと、腸内容物は固形状となり、排便のための便が形成されます。排便中の水分量は75%、固形成分は25%程度といわれています。


小腸においても、摂取した水分の体内吸収が行われます。小腸で約80%、大腸で約20%、摂取した水分が吸収されます。この点と、先ほどの大腸におる内容物の腸内移送と便の形成メカニズムを考え合わせた場合、通常の水分補給量程度の飲水では、便秘を解消するほどの効果はないといえます。なぜなら、口から摂取した水や水分のほとんどは小腸で吸収されてしまうこと、また大腸に運ばれた直後の腸内容物は液状であるので、これに飲水を少々多くしたとしても、腸内容物は液状のままであるからです。便秘解消のために飲水をするのであれば、1日必要水分補給量の少なくとも2倍から3倍もの多量の飲水量が必要になることでしょう。しかし、1日あたり4~6リットルの飲水を行うと下痢が生じたり、腎臓に対する負荷が大きくなり、好ましくはないです。


よく、朝起きたらコップ1杯の飲水で排便が促されるといわれています。しかし、コップ1杯の水の量は、200mL程度ですので、便を軟らかくする効果は全くないといえます。ただし、体温よりも低い温度の水を飲みますと、その冷えという刺激で胃を刺激し、腸の運動が活発となり、排便効果が生じる可能性がございます。ですので、朝の水(冷たいものでしたら牛乳でもジュースでもよいです)は、冷たいものがよいということになります。なお、朝食を摂られている方は、特に、コップ1杯の水を、あえて飲む必要はないです。朝食が胃に対する刺激となるためです。朝コップ1杯の飲水は、朝食を抜かれている方のための対策と考えた方がよいでしょう。


体内水分の排泄量が摂取量を上回り、体内水分バランスが崩れますと脱水症となり、さまざまな脱水症状が引き起こされます。便秘も脱水症状の1つとなります。脱水症になりますと、体は便からより多くの水分を吸収して血液中に水分を蓄えようとするため、便が硬くなり便秘が引き起こされます。ですので、適度な水分の摂取は必要となります。しかし、体内の水分は失われやすいので、できるだけ腸管内の水分量を保つことが必要となります。


食物繊維は、腸内容物あるいは便中に水分を蓄えるのに役立ちます。食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維(野菜、豆類、キノコ類、海藻類などに含まれる食物繊維のほとんどは不溶性食物繊維です)と、水に溶ける水溶性食物繊維(野菜などにも含まれていますが、不溶性食物繊維に比べるとその含有量は非常に少ないです)とに分けられます。食物繊維は、水の分子と親和性があり、水を吸着して保水性を高めます。しかし、全ての食物繊維が同じ保水力を有しているのではないのです。保水力が高い食物繊維は水溶性食物繊維であり、不溶性食物繊維の保水性は低いとされています。ですので、便秘の解消と予防には、適度な水分の摂取とイヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維の摂取がとても有効となります。


今年の夏は、西日本で例年よりも暑くなると報道されています。また、関西では15%の節電報道もございます。こまめな水分補給を心掛け、熱中症にならないようにしましょうね。脱水症予防に、イヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維を摂ることも大切です。
便秘の解消法:女性の便秘解消対策











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