社員と顧客と経営者の幸福 -13ページ目

スティーブ・ジョブズ辞任から考える企業の承継問題

こんにちは 心のソムリエ 橋本文隆です。

アップルの創始者であり再生者であるスティーブ・ジョブズは、
まさに稀代の経営者です。

そのカリスマ性と卓越した実績に異論を唱える人は
いないでしょう。

しかしそのカリスマ性が高いがゆえに、今後の事業承継には
不安もでてきます。

ジョブスの経営は、システム化されたマネジメントというよりも、
彼の個性と感性を強く反映した経営という感じがします。


レベルはいろいろですが、個性と感性の経営は、
中小企業では一般的です。

属人的な部分とシステム的な部分を、きちんと分離して
把握していないからです。

それでも社長に力量があれば、自分の経験や直観で、
好業績を残すことができます。


しかし、これは事業承継の場合に、多々問題になります。

属人的に上手くいっていることは、人が変わると
上手くいくとは限りません。

能力の問題もありますが、個性や立場の違いが
大きな問題になります。


例えば、松下幸之助さんの後をスティーブ・ジョブズが継いでも、上手くいかないでしょう。

これは、理念とマネジメント手法がまったく違うからであって、
能力の差ではありません。

初代と二代目では、立場がまったく違うため、二代目に
能力があっても上手くいかないことがあります。


ですから、マネジメントの状態を把握し、適切な対応策を
講ずることが必要になってきます。

理念や企業の価値、顧客への提供価値を明確にし、その実現のために、個性を最大限に活かすマネジメントを構築する


もちろんこれは、事業承継に関係なく、普段からやっておけば
よいことですが。


関連ページ
事業承継の強い味方 経営品質

民主党 前原氏苦汁の出馬 勝てる戦略は?

こんにちは 心のソムリエ 橋本文隆です。

民主党代表戦、出馬予定の無かった前原氏が出馬しました。

これは情勢分析の結果、野田氏の負けが確実となり、
このままでは、小沢氏系議員が代表になるためです。

このパターンは、石原東京都知事の出馬と似ています。
引退を考えていた石原都知事は、東国原氏の圧勝という
情勢分析を見て、自らの出馬を決めました。


前原氏は出馬を決めましたが、石原氏のように勝利が
確実なわけではありません。

小沢・鳩山系が一致して反前原に固まれば、
落ちる可能性があります。

勝利を確実にするためには、野田氏の出馬を止めさせ、
反小沢と中間派を取り込む必要があります。


しかし野田氏はここで引くと、弱腰、実力不足のイメージが
つきまといます。
(今でもあまり政治に強いイメージはなく、国民的人気は
 高くありません)

今後の活動を考えると、負けるのは分かっていても、
簡単には引けないところです。
しかし、もはや勝てないことは明白なので、今、対応方法に
頭を悩ましているところでしょう。

野田派を取り込みたい前原氏は、野田氏の立場に配慮し、
プライドを保てるようなオファーを出して、一本化を
図るべきでしょう。

例えば、前原氏が代表になったときには、幹事長を野田氏に
任せることを確約すれば、野田氏も受けやすいはずです。

もっともその場合、幹事長を要求している小沢氏との対立は
明確になるので、小沢・反小沢の対立は相変わらず続くかも
しれません。

小沢系議員を幹事長に置けば、党内融和は図りやすいでしょうが、前原、野田の二人が立候補すると、代表まで小沢系議員に取られかねません。

ここの戦略策定は重要です。

小沢氏は、前原氏に代わる人気のある候補者がいないのが
悩みの種でしょう。

党内的には鹿野氏や海江田氏が有力ですが、次の選挙を考えると、人気のある前原氏に中間派は流れるかもしれません。

経済政策は、小沢鋭仁氏と馬淵氏がまともだと思いますが、
政策は争点にならないようです。

現在の候補者では弱いので、平野博文元官房長官や、
原口一博元総務大臣を立てるという話もあるようですが、
やっぱり弱いですね。

小沢氏としては、前原氏と組んで実利を得るか(理想は幹事長)、
対立候補を一本化して、代表を取りにいくか、
思案のしどころです。


個人的には、経済政策、震災復興、原発対策、国会対策
(政策執行方法)をキーに、国民の前で政策論争をして、
代表を決めていただきたいと思いますが、
彼らの眼中に、そんな観点は無いようです。


島田紳助の戦略的引退

こんにちは 心のソムリエ 橋本文隆です。

島田紳助氏の芸能界引退がすごい話題です。

あの内容で引退は変だから、きっと何か裏にあるのだろう
という見方が多いようです。

それはともかく、今後の島田紳助氏の活動を考えると、
引退は正解ではないかと思います。

島田紳助氏は、漫才師から司会・タレントとなり、今や、
企業を経営し、カンボジアに学校をつくるなど、
さまざまな活動を行っています。

おそらく今後、実業家としての活動を、これまで以上に
増やしていきたいはずです。


今回の問題は、引退するほどではないにしても、
謹慎処分くらいにはなるはずです。

そうすると、裏社会と関係があって謹慎した人という
イメージが残ります。

そのような人が、理想や人生論、教育論を語っても
説得力がありません。
ビジネスとしての大義名分も立て難くなります。


しかし、「これくらいのことで辞めるの?」と思わせることで、
潔さを見せることができます。

今後の事業展開を考えると、ブランド・イメージを高める
戦略として悪くないのではないでしょうか。

マネジメント/コーチング

親密な関係ではないときの対話

3つの関係タイプの続きです。

3つの関係タイプ

1.ビジター・タイプ (あんたに相談したくない)

2.コンプレイナント・タイプ (俺は悪くない)

3.カスタマー・タイプ (自分も変わらなきゃ)


相手との関係が、ビジタータイプのとき、それでも話をしたり、指導をしなければいけない場合、これは注意が必要です。


そういう場合、ソリューション・フォーカス・アプローチでは、
・話を聴く(傾聴する)
・コンプリメントする(褒める、認める、)
というのが基本になります。

話を聴くときに大切なのは、自分の価値観を入れないことです。

相手を変えようとか、相手を説得しよう、相手を従わせよう、などと思って聴いていたらダメです。

話を聴くときは、相手の思考と感情を理解するように聴きます。

・なぜそのような考え方をするのか
・どのような枠組みで、ものごとを捉えているのか
・どのような感情を持っているのか

このようなことを理解するように聴きますが、その思考や感情に、良い悪い、はつけません。

良い悪いは、人の価値観ですから、それは交えないで
相手を理解することに専念します。

そうすると、それだけで多くの人には変化が生じます。
続く...
【参考記事】

意見が対立する場合のコーチング 1

こんにちは 心のソムリエ 橋本文隆です。

社内で意見が対立することはよくあります。

部署内の対立もあれば、部署間の対立もあります。

原因は、
目的の違い、方法論の違い、価値観の違い、
相性・好き嫌い、利益の対立(どちらが評価を得るか)
などさまざまです。

このような時によく使うコーチングは、
「あなたは、どうなっていれば理想的だと思います?」
という質問です。

これを、対立している両者に聞きます。

共通点が見つかればOK、対立点が縮まらない場合は、
共通の土俵に乗せて考えさせます。


例えば、営業と製造で対立している場合、

「会社にとっては、何が理想的ですか?」
「会社の理念に基づいて考えると、理想的な行動は何でしょう?」
「あなたがお客さまなら、どのように行動が理想的ですか?」


という風に、「営業」「製造」などという枠組みを外し、
共通の枠組みを提供します。

共通の目標、共通の理念、共通の利益などを設定し、その前提で考えさせると、共通の意見が出てくるようになります。


これも、コーチングを使ったマネジメントの重要な技法になります。

自信がない人へのコーチング その3 スケーリング

こんにちは 心のソムリエ 橋本文隆です。

自信がない人へのコーチング 3回目です。
1回目はこちら>>

2回目はこちら>>


今回は、スケーリング・クエスチョンを使ったやり方です。

自信のスケーリングは、例えばこんな風に問いかけます。

「絶対に成功するというくらい自信があるのを10点
何があっても絶対絶対絶対、失敗するという自信を0点
としたときに、今の自信は何点ですか?」


仮に3点だったとします。

ここで多くの人は、
「どうやったら点数を上げることができますか?」
と聞きます。

しかしソリューション・フォーカス(解決思考)のコーチングでは、
「どうして3点あるのですか?
何があるから、0点ではなく、3点なのですか?」

と聞きます。

すでに出来ていることを聞くのです。

そして何か回答があれば、「へー、それはすごいね、素晴らしい」とほめていきます。

ポジティブにアイデアや可能を次々に出せるのであれば、
「どうやったら点数を上げることができますか?」
という質問は効果的です。

しかし、自信のない人は、どうしたらいいのか分からないから
自信がないわけです。

ですから「どうしたらいいと思う?」という質問は、
多くの場合外します。

そんなときは、出来ていることを聞いた方が効果的です。

カスタマー・タイプ


昨日は、3つの関係タイプをご紹介しました。


3つの関係タイプ

1.ビジター・タイプ (あんたに相談したくない)

2.コンプレイナント・タイプ (俺は悪くない)

3.カスタマー・タイプ (自分も変わらなきゃ)


セラピストと患者という上下関係から、セラピストは、顧客に満足を提供する存在であるという関係に変えた表現になっています。


ビジター・タイプ は、一見のお客さん。

コンプレイナント・タイプ は、クレイマー。

カスタマー・タイプ は、ロイヤルカスタマーのようなイメージでしょうか。


一般的にコーチングなどは、コーチとクライアントが、カスタマータイプの関係であることを前提にしています。


スポーツのコーチなど典型ですが、プレイヤーは自分がやらなければいけないことを、充分に自覚しています。


経営者へのコーチング(エグゼクティブ・コーチング)でも、経営者は自らの責任で行動することを理解しています。

(もし理解していなければ、経営者失格です。)


しかし、先生と生徒の関係、上司と部下の関係 などとなると、必ずしもスポーツのコーチとプレイヤーのような関係にはなりません。


そうすると、相手に考えさせて自発的に行動させようとするコーチングの手法も、上手くいかないことが多くなります。


そんな時、力づくで相手に言うことをきかせたり、ダメな奴だとあきらる人がいます。


そうではなく、カスタマータイプの対応では上手くいかないから、別のタイプの対応にしようと考えると、違う方法も見えてきます。


続く...



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【参考記事】

SFAのステップ

関係の査定(アセスメント)


関係の査定(アセスメント)

こんにちは。 心のソムリエ 橋本文隆です。


昨日は、ソリューション・フォーカス・アプローチ

面談ステップをご紹介しました。


そのなかに、関係の査定(アセスメント) というのが

ありました。


どのようにアセスメントするのか?


ソリューション・フォーカス・アプローチでは、3つのタイプ

分けるのが基本になります。

(6つに分ける流派もありますが。)


3つの関係タイプ

1.ビジター・タイプ

2.コンプレイナント・タイプ

3.カスタマー・タイプ



アバウトに違いを書くと次のようになります。


ビジター・タイプ の関係とは、

相手が相談をしたいとは思っていない関係。

あるいは、そもそも問題はないと思っている関係。


コンプレイナント・タイプ の関係とは

問題はあるが、悪いのは周りだ。

自分は変わる必要はないと思っている関係。


カスタマー・タイプ の関係とは、

少なくとも、自分も少しは変わらなければいけない。

と思っている関係。


このタイプの違いによってクライアントへの対応が

変わってきます。


続く...


【参考記事】

SFAのステップ



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タイ人はなぜ熱中症にならないのか? ~ モーニングバード

こんにちは 心のソムリエ 橋本文隆です。

「タイ人はなぜ熱中症にならないのか?」

これは、TV朝日モーニングバードのテーマで出ていたものです。

このような質問があると、私は、回答よりもコーチング的意味合いを考えてしまいます。(僕の悪いクセ)


このような問いかけを、コーチングではよく利用します。

「暑いと熱中症になる」と何の疑問もなく思っている人、
つまり、そのような思考の枠組みを持っている人に対して

「タイは日本より暑いけど、タイ人はなぜ熱中症にならないの?」
という質問は、思考の枠組みを変える働きがあります。


いわゆる常識を覆したいとき、思考停止の人の思考を働かせたいときに、このような質問は有効です。


またこれは、モデリングへの質問にもなります。
モデリングとは、理想とする人の思考や行動を取り入れ、
成功パターンを身につける手法です。


熱中症にならないのが、理想の状態、問題が解決した状態だとすると、
「なぜあの人は熱中症にならないのか?」
と問いかけることで、理想状態が明確化します。

なぜ理想的状態は実現できているのか?
なぜ、問題は解決しているのか?

という質問は、理想(解決)を近づける、とても効果的な方法になります。


コーチング的考察は以上ですが、一応質問の回答も書いておきますと、

・汗にはいい汗と悪い汗がある。
・悪い汗には塩分が多く含まれ、熱中症になる。
・多くの日本人は、休眠汗腺が多く、半分くらいの汗腺は
 普段働いていない。
・良い汗をかくことができない日本人は熱中症になりやすい。
・タイ人は良い汗をかく人が多いので、熱中症はほとんどいない。

ということです。

日本人は不健康、軟弱になっているということですね。

もっとも、汗腺は2週間くらいで鍛えられるそうなので、
皆さん、たっぷり汗をかく運動をしましょう。
(もちろん、水分と塩分補給に気をつけて)