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2024年追記
自作マイクはノイズが多い?
読者の皆様からのご質問の中でハムノイズに悩んでおられる方が非常に多いんです。ケースに入れたけど「ハム音」が消えない・・・・
それも手を近づけたり金属部に触れると「ブーン」と出て、卓の筐体金属部にもう片方の手を触れると止まる、離せば出る・・・・
☆・・・それって自作のマイクだからでしょ? 100円のECMだから仕方ないよ。
いや違う!メーカーもEMC(電磁環境両立性)にタカ括ってるとこのザマだ。
AKG C-419
マイク部や金属アーム部に手を近ずけたり触るとかなりハムる未完成マイク。
(そっとしておけばなんともないが案外手で触る)
この例ではフレキシブルシャフトをアースするだけで完治するが外観が大幅に崩れるので手をつけていない。
模造品である台湾のJTS CX-508も当然ながら同一問題で悩むはず、しかしお手本があるのでシラバックレていればそれでも済むことも知っている(プロセス2が適用される)
(この説明図は過去記事から引用しました)
じゃ「アースすればいいんだ!・・・・」
まああせらないでちょっとだけ科学してみましょうよ。
「急がば回れ」って云うじゃないですか。
プロセス1.静電シールド不完全
ファラデーシールドが省略されているかどこかで途切れている、メーカー製ならネジを増し締めしたら直るケースもあるが、プラスチック筐体のみで自作されていたりすれば構造の見直しが必要だ。
ましてや裸のECMカプセルにケーブルを付けたモノに「何々マイク 」などと命名して神格化したマイクに見せかけるような、科学も原理原則も無視した感覚などマトモな技術者なら絶対に持ち合わせていません、ノイズが多くて当たり前です。
プロセス2.浮いた金属の存在
FGに接続されずに電気的に浮いた金属部の存在、それはGNDと電源間そして回路周辺に存在する金属同士と容量結合し、当然交流電位の分圧・誘起を受ける「分散されたコンデンサ回路」として作用する。
(等価回路を描くと「見えない電気回路」が見えてきます)
またハイ・インピーダンス回路が出来あがるわけで、コモンモードノイズ耐力の低下を伴います、当然外来インパルスノイズや静電気放電ノイズを受けやすく照明ノイズ(SCRノイズ)やEV等のインバータノイズにも無防備となる。
これはマイクロホンを構成する筐体全部に対してまったく同じプロセスが出来上がりますので構成する金属類は全部FGに落とすことが必須であります。
(金属製の音質切り替えノブのGNDが不完全な某ヨーロッパメーカーの著名マイクもあります)
プロセス「2スペシャル」:XLRのシェルGND外しに対するShinの見解
音響ケーブルメーカー K社の致命的誤り手法と云ってよい。
最悪で深刻なプロセス.XLRコネクタのシェルがアースされていない
特に2006年11月以降、国内音響ケーブルTOPメーカーである「K社」により実施されてしまったのです。
http://www.canare.co.jp/H061101A.pdf
同社が従来の方法を取りやめた「理由説明」によれば「施工状況によってはコモンモードノイズが発生する場合があり、未処理要望が強くなっているからとのこと」だが、メーカーとして主体性を欠く本質的な誤りであり、「現場優先主義」のはき違い違いだと言える。
そこに至った背景としてコモンモードノイズの測定手法が不適切、または別プロセスの障害を取り違えて判断し、性急に誤った方針転換してしまったと思われる。
コネクタ・シェルが金属でなければそれもアリでしょうが金属シェルを浮かせて使うのは、EMC(電磁環境両立性)技術を知り尽くしたメーカーであるだけにこの誤った決断は残念でなりません。
これにより「シェル・アースしろ」「シェル・アースするな」の混乱が起こっているのは「K社」による誤りに全責任があり、これは業界内外に限りなく拡散し・誤り手法の定番化は禍根を残します。
今後教科書も塗り変わってしまうことでしょう、同社の責任は重大です。
また電子回路の範疇では「シグナルグラウンドとフレームグラウンドとは一緒にするな」というセオリーがあります。
しかし平衡回路ではシグナルグラウンドとフレームグラウンドとは同電位にする、1番をフレームグラウンドに落とすことは安定動作上必須であります。
XLRコネクタシェルのアース落としは原理原則に照らして必須であり、手持ちの「K社流接続」のケーブル接続は全部手直しする必要がある、というのがShinの見解です。
最近、筐体が全プラスチックのため電気的に裸のカプセル同等であった事が原因の誘導ハムトラブルもありました。(無指向性=WM-61A改 使用)
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