いつもの年末恒例企画。2023年の新顔ランキングです。
今年初めて撮影した生きものの中から
特に印象に残っているもの・撮れて嬉しかったものを
ベスト30のランキング形式にてご紹介します。
今年遭遇した新顔は、鳥類、昆虫類、その他諸々含めて
全部で67種。ちなみに昨年が69種、一昨年が67種です。
3年目に突入した講座「首都圏生きものめぐり」は
3月と10月にお休みをいただいたものの
それ以外は今年も無事開催することができました。
講座にご参加いただいた皆様には
この場を借りて心より感謝申し上げます。
それでは例年同様、ベスト30形式でお送りいたします。
(トップの写真は、2023年の個人的ベスト1ショットです)
30位 ベンケイヤマガラ
(初撮影:11月・水元公園)
何故これほどのレア種がこんな順位に?と
思われても致し方ないですが、写りがイマイチなのと
分類上はヤマガラの変異個体に過ぎないとのことなので
敢えてこの位置に突っ込んでしまいました。
噂では、2023年末時点でもまだ水元公園に
残っているのだそうです。(ミゾゴイも一緒に)
29位 キオビコシブトヒメバチ
(初撮影:9月・代々木公園)
決してレア種でもなく地味なハチではありますが
それだけに今後都心部の公園で出会う可能性が高く
その際にしっかり識別できるようにしておきたいと考え
ランキングに入れさせていただきました。
かまぼこのような形状の腹部が特徴です。
28位 オオツノカメムシ
(初撮影:12月・浜離宮恩賜庭園)
昨日、ブログにアップしたばかりの
今年最後の新顔登録生物です。
成虫はミズキの木につくことが多いらしいので
都心部の公園などでも割と見る機会は多いはず。
肩のトゲは、この系統のカメムシの中でも
とりわけ鋭くて固そうです。
27位 ノコギリヒラタカメムシ
(初撮影:4月・石砂山)
これまた地味なカメムシですが
身体の形状をよく表した種名などから
結構印象に残っています。
それなりに自然度の高いところでないと
あまり見かけないかもしれません。
26位 アカホシテントウ
(初撮影:5月・井の頭恩賜公園)
後述の鳥を撮影しに出かけた際に
井の頭公園の樹林帯で見かけたテントウムシ。
クヌギなどの木につくカイガラムシを食べるため
まさに雑木林の住人といった感じでしょう。
木の葉などをくまなくチェックしていけば
もしかしたらもっとよく見つかるのかも?
25位 クロサビイロマルズオオハネカクシ
(初撮影:4月・秋ヶ瀬公園周辺)
名前が長い。そして覚えにくいということで
逆に強く印象に残っているこの昆虫。
こんな奴に負けたベンケイヤマガラが気の毒
最初に撮影した時には数週間名前を憶えていましたが
半年もすると綺麗さっぱり頭から抜け落ちていました(笑)
そしてきっと年明けと共に読者の皆さんの記憶からも消えます
24位 ダイミョウキマダラハナバチ
(初撮影:4月・中目黒公園)
これも29位のハチと同じで、都心部でも目にすることが多く
それだけに「覚えておきたい」という気持ちもあって
ランクインさせたハチになります。こちらの方が29位より
エンカウント率は高いかも? 見た目がアシナガバチに似ているので
ちょっとビビるかもしれませんが、
もちろん大人しいハチなのでご安心ください。
23位 イロミノウミウシ
(初撮影:8月・天神島)
ウミウシの聖地 天神島でエンカウントした
大型かつグロテスクな形状をしたウミウシ。
いや、まあ、見方によっては綺麗ですが(汗)
うねうねと元気に身体をくねらせるので
写真よりもぜひ現物を見ていただきたい一種です。
22位 サカツラガン(半野生)
(初撮影:4月・大池親水公園)
厳密に言うなら野生生物とはいえないのでしょうが
かと言って飼育されているわけでもないので
この順位にランクインさせていただきました。
野生種が日本に来ることも偶にある……と聞きますが
いずれどこかで会う機会があればと願っています。
なお、この公園の個体は普通に園路にも出てきてしまいます(笑)
21位 ババムカシハナバチ
(初撮影:4月・石砂山)
石砂山の頂上で集団営巣していた小さなハチ。
地中に穴を掘り、何度も花粉を持ち込んでいました。
ミツバチに近い仲間なのですが
あちらと違いあまり静止してくれないので
撮影に苦労したのをよく覚えています。
20位 エグリグンバイ
(初撮影:4月・目黒自然教育園)
20位にランクインした、小型のグンバイムシの仲間。
今回のベスト30の中では恐らく最も小型です。
えぐれているというより膨らんでいる肩(?)が特徴で
正面から見ると某ネズミキャラみたいという意見も……。
これを撮影して以降、ヤツデだけでなく
フキの葉の裏もチェックする癖がつきました。
19位 ミノヒラムシ
(初撮影:5月・天神島)
カリオヒラムシに続くヒラムシの第二弾。
裏側はクリーム色ですが、上から見るとこんな感じ。
背中のイボイボは23位ほどではないものの
人によっては嫌悪感を覚えるかもしれません(汗)。
18位 キヌハダウミウシ
(初撮影:5月・材木座海岸)
開き直ったカラーリングといいますか
全身がオレンジ一色という奇抜なウミウシ。
実は肉食性で、捕食対象は他のウミウシなのだとか。
ちなみに今回新顔登録した軟体系の生物の中で
唯一天神島以外で撮影したものになります。
17位 クロナガタマムシ
(初撮影:4月・埼玉県内某所)
タマムシの仲間としては明らかに小型で地味。
しかし写真で頭部をよ~~~く見ると
明確にタマムシの形をしていることがわかります。
ちなみに本ブログでは4種目のタマムシです。
今年は2回エンカウントしております。
16位 サバクヒタキ
(初撮影:昨年12月末・鵠沼海岸)
ややイレギュラーですが、昨年末に2022年の
ランキングを集計した際に漏れてしまった鳥です。
バーダー界隈でかなり騒ぎになったこの鳥ですが
あまりの反響で規制が入ったとも聞いております。
ちなみに飛来すること自体もイレギュラーであり
今後目にする機会があるかどうかは相当微妙です……。
15位 コヨシキリ
(初撮影:6月・渡良瀬遊水地)
オオヨシキリとは、似ているけれど明確に異なる
真夏の渡良瀬で撮影した鳥。それなりに広いヨシ原なら
関東でもそこそこ目にする機会はあると聞きます。
名前は以前から聞いていましたが、撮影できたのは今年が初。
(正直、真夏に渡良瀬に行くのは避けていたもので(汗))
14位 ムジセッカ
(初撮影:2月・埼玉県内某所)
こちらも珍鳥の一種。埼玉県内のとある公園に飛来し
バーダー界隈を騒がせていた一種です。
見た目は地味ですが、一般的なセッカとは違い
滅多に目にする機会がないと聞いております。
13位 アカエラミノウミウシ
(初撮影:5月・天神島)
これまた天神島で撮影したウミウシ。
23位とよく似ていますが、こちらの方がかなり小型で
身体をまとう「みの」も控えめです。
そのせいか、あちらほどのグロさはないかも?
少なくともあちらやヒラムシの仲間と比べると
明確に万人受けしやすい種と言えるでしょう。
12位 トラフズク
(初撮影:6月・渡良瀬遊水地)
初夏に渡良瀬遊水地での飛来情報が流れた
大型のフクロウの仲間です。しかもヒナ付き。
耳(?)の目立つ大人の個体も確認できましたが
ずーっと木に隠れていたので写りはイマイチ……。
ちゃんと撮れていたらベスト10圏内には入っていたかも?
11位 イラガセイボウ
(初撮影:7月・伊佐沼)
コアジサシの飛来状況を確かめに伊佐沼に行った際
サクラの木で複数確認できた、美しいハチの仲間。
その名の通りイラガに寄生する美麗種です。
コイツがいた木には「寄生先」も当然の如く沸いており
下手するとうっかり触れてしまいそうだったので
結構ビビったのをよく覚えております。
さて、ここからはベスト10になります。↓
10位 ギンカクラゲ
(初撮影:8月・天神島)
クラゲがベスト10に入ったのは勿論今年が初めて。
名前だけは小学校時代から聞いておりましたが
実物を見たのは今回が初。確かに名前の通り
銀貨のようなフォルムをしています。
ちなみに左の写真が、海に浮いていた時のもの。
もし前情報が全くなかったら「ゴミ」が浮いているように
見えてしまったかもしれません。
9位 ムネアカセンチコガネ
(初撮影:11月・神代植物公園)
講座「首都圏生きものめぐり」の最中に遭遇した
ちょっとレア度が高いという甲虫の仲間です。
なお、写真の個体はメス。オスは立派な角を持つとか。
角を持つ糞虫の仲間にはまだ一度も会ったことがありませんので
2024年にはちょっと探してみたいなと思っているところ。
そういえば今年は講座中に新顔の生きものに会うことが多く
そういう意味でも実りの多かった1年でした。
8位 タマシギ
(初撮影:2月・水元公園)
東海地方なんかでは比較的よく見られるという
ずんぐりした体型の美しいシギ。
今年初頭に水元公園に飛来し、話題を呼びました。
昨年のミゾゴイ(2022年の新顔ランキング1位)も然り
水元公園の優秀さが際立ってきている今日この頃。
仮に新顔が撮れなくても「ハズレ」がないので
ここ最近では東京の公園で一番のオススメスポットになっています。
7位 ツバメチドリ
(初撮影:4月・志木市内)
埼玉県内の田園地帯にて、春に出現したチドリの仲間。
こちらも名前は以前から聞いていましたが
撮影できたのは今年が初。確かに「ツバメ」に似ています。
当日は結構長時間留まってくれたのですが
畔の雑草が被ってしまい、なかなかベストな写りにはならず。
おかげで距離が近かった割には撮影に時間がかかりました。
6位 ハクガン
(初撮影:1月・東庄町 夏目の堰)
初訪問の千葉県東部の田園地帯で撮影。
白鳥の幼鳥のように見えてしまった雁の仲間です。
恐らく、今年最初に新顔登録した生きものになります。
数羽の集団で来ていましたが、ここに飛来するのは
少々イレギュラーなことらしいので、
今回こうして無事に撮影できたのは有り難いことです。
(遠慮なく東京湾まで来てくださっていいんですよ)
5位 トラフシジミ
(初撮影:4月・石砂山)
手持ちのポケットサイズの図鑑に掲載されている
シジミチョウの中で、長らく未見だった種の1つ。
今年ようやく石砂山で初めて撮影でき、
以降、鎌倉や代々木公園のパークガーデンアワード会場で
今年だけで合計3度撮影することができました。
ちなみに翅を開くと鮮やかな青紫色をしているらしく
今後機会があればぜひご開帳シーンを撮りたいところです。
(網で捕まえればすぐに事足りる気もしますが)
4位 ミドリセイボウ
(初撮影:9月・薬師池公園)
オオセイボウ、イラガセイボウと並んでトップ級に美しい
小さいながらも目を惹くセイボウの仲間です。
薬師池公園の現地で、カメラマンの方から直接情報を入手し
出現場所で張り込みして約5分、目の前に飛んできてくれました。
個人的には一番ハチの中では綺麗かなと思っておりますが
皆様は如何でしょうか?
3位 ハギマシコ
(初撮影:1月・筑波山)
久しぶりに集団で飛来したという情報を入手し
筑波山の山頂に赴いて撮影したアトリの仲間です。
かつて城山湖で毎年飛来していた時期もあったそうですが
それも今は昔。長らく撮影機会に恵まれませんでした……。
ちなみに筑波山に登ったのも生涯初だったりします。
ある意味でこの鳥がその「きっかけ」をくれたと言えますね。
今冬も来てくれるのでしょうか?
2位 ニホンイノシシ
(初撮影:昨年12月末・渡良瀬遊水地)
これも2022年末に撮影したものとなりますが
久々の哺乳類の新顔。しかも、写真だとわかりにくいですが
かなりの大型個体でした。最近聞いたニュースですと
渡良瀬遊水地で個体数が増えているらしく、
今後の動向が気になります。もし「突進」でもされたら
最悪命にも関わる危険生物ですので、
引き続き情報を集めておきたいところです。
しかしまあ、ずっと撮りたかった生きものでもありますし
一瞬、この一枚が最初で最後ではありましたが
こうして撮影できたのは素直に嬉しいところですね。
1位 フクロウ
(初撮影:5月・井の頭恩賜公園)
1位はやはりコレ。あまりにメジャーでありながら
直接目にする機会はなかった鳥です。
井の頭公園での出現情報を入手し
あわてて現地に駆け付けたのは良い思い出。
厳密に言うなら動物園内に出現したのですが
展示される動物そっちのけで来園者がこちらに注目していたのが
非常に興味深かったです。長らく撮りたかった鳥だけに
動物園の入園料もまったく苦になりませんでした(笑)
以上、新顔登録数自体は決して多くはないですが
フクロウ、イノシシ、ハギマシコ、トラフシジミと
今まで撮りたくて撮れなかった生きものを複数撮影できたので
なかなかに充実していたのではないかと思っております。
無論、まだ撮れていない生きものもたくさんいますので
引き続き開拓に努めたいところです。
毎年あまり変わらない気もしますけれど
そうした新規開拓が2024年の目標でしょうかね。
今年1年、お付き合いいただきまして
誠にありがとうございました。
来年も何卒よろしくお願いいたします。
★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は
2024年1月21日(日)に開催いたします。
行先は「横浜市 いたち川の川沿い散策」でございます。
現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。
(講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)
【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】
小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。
ただし、御父兄の同行をお願いいたします。