歴代で一番虫の「出」がよかった日(石砂山・後編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

前回の続きです。石砂山山頂では例年通り

ギフチョウが複数飛び回っていました。

今年もドンピシャのタイミングだったようです。

 

角度はあまりよろしくありませんが

タチツボスミレで吸蜜していました。

 

 

 

 

 

 

ヒオドシチョウも多数発生しており

カメラマンの脚やら頭やらにとまっておりました。

右写真は、自分の脚にとまったヒオドシチョウを撮影する

カメラマンの肩越しに撮影したヒオドシチョウです。

 

 

 

 

 

 

センチコガネ(右)が歩き回っていたほか、

ミツバチよりも大分小さいハチ(左)が

地面に穴を掘って顔を突っ込んでいました。

 

 

 

 

 

 

待つこと数分、当該ハチがやっと出てきました。

調べてみましたが、ババムカシハナバチという

地面に巣を作るタイプのハチのようです。

(違う可能性もありますのでご了承ください)

 

遭遇率・・・3(珍種ではないし山頂では数が多かった)

インパクト・・・1 (ミツバチよりも一回り小さい)

美しさ・・・2 (胸部が毛むくじゃら)

俊敏性・・・5 (飛ぶ時にはとても俊敏)

知名度・・・1 (知らなくても生活に差し支えはない(爆))

 

地味な存在かもしれませんが、この日山頂では

妙に数が多く、ブンブン飛び回りつつ地面の穴に

何度も頭を突っ込むシーンが妙に面白く

私以外にもギフチョウ目当ての方が

数名一緒に写真を撮られていました。

恐らくは、この界隈に咲くスミレなどの花にとっても

貴重な花粉の運び屋になっているでしょうし

そう考えると無視できない存在かな?と思っております。

 

 

 

 

 

横からアングルのギフチョウ

この日はなかなかご開帳シーンが撮れませんでした。

 

 

 

 

 

スミレで吸蜜するミヤマセセリ

逆側から撮りたかったのはもちろんですが

まあ、できるならやってますよね。(;^_^A

 

 

 

 

 

これも新顔の昆虫になります。

山頂広場近くの木の幹で撮影しました。

ノコギリヒラタカメムシというらしく

まあ、名前通りのフォルムですね。

 

遭遇率・・・2(丘陵域~山域に棲む模様)

インパクト・・・2 (地味ながら腹部のギザギザが秀逸)

美しさ・・・1 (まあ、仕方ない……)

俊敏性・・・2 (他のカメムシに準じる)

知名度・・・2 (後述)

 

 

 

 

 

かなりマニアックな昆虫かと思いきや

手持ちの図鑑ではこの系統の代表種扱いされていました。

他と比べて遭遇率が高いとかいうわけではないようですが

腹部のギザギザがハッキリしているので

大きく扱うとインパクトがある……ということか?

 

そういうわけで、意味があるかは別として

知名度を2にしてみました(汗)

 

 

 

 

 

皆さんギフチョウやヒオドシチョウに夢中だったので

頭上でずっとコゲラがカンカンしていたものの

誰も注目してくれませんでした。

アオゲラとかアカゲラだったらこの限りではないでしょうが

 

 

 

 

 

下山中も、所々でヒトリシズカを見かけました。

フデリンドウやシュンランと比較すると

日陰が濃くてもそれなりに生きられるようです。

 

 

 

 

 

下山口の直前に、運よく足下にギフチョウが。

山頂で見られなかったご開帳シーンを撮影しました。

翅の欠損がほぼない、綺麗な個体です。

 

 

 

 

 

 

下山口にて。

例年通り、ここにもギフチョウ目当ての方が多く

山頂と同じくらいに賑わっていました。

右は、近くで見かけたムラサキシジミです。

 

 

 

 

 

運よく、下山した直後に

ミツバツツジに来た個体が撮れました。

昨年に引き続き、ギフチョウ運は良いみたいです。

 

 

 

 

 

例年同様、山のはちみつ屋さんに立ち寄りました。

残念ながら最近ハチミツの採取量が少ないらしく

ソフトアイスにハチミツをかけて食べることは

できなくなってしまったようです。

(原因は聞いていないので不明)

 

代わりに、ハチミツ入りの梅ドリンクをいただきました。

しっかりとハチミツならではの甘味を感じる一方

梅の酸味と旨味が、疲れた身体を癒してくれます。

 

 

 

 

 

飛び立つ寸前のナナホシテントウ

何気に、初めて撮れたシーンです。

 

 

 

 

 

蕾の隙間に口吻を差し込んで吸蜜するミヤマセセリ

咲いている花は他にあったのですが

何かこだわりでもあったのでしょうか?

(花粉をつけたくなかったとか)

 

 

 

 

 

この界隈ではあちこちで見られる

タチツボスミレの大群落。

平野部だとここまでたくさん見る機会は

なかなかないように感じます。

 

 

 

 

 

 

やや遅れた昼食。今回は芸術の家ではなく

百笑(ひゃくしょう)の台所という

やまなみ温泉寄りのカフェレストランに立ち寄り

石焼ビビンバをいただきました。満足なボリュームで美味。

 

ちなみにやまなみ温泉は現在改修工事のため

臨時休業中となっています。今年の7月末までと

表記されていますので、来年はオープンしている模様。

何気に10年間で一度も寄ったことがないので

来年行ってみようかなと思っているところです。

(食事処もあるでしょうしね)

 

 

 

 

 

畑で見かけたキジ

遠距離ながら結構よく撮れたかも?

(手前の枝が邪魔なのはまあご愛敬)

 

 

 

 

 

最後は、昨年も撮影した

車道沿いのジュウニヒトエです。

厳しい環境でも、アスファルトの隙間から

しっかりと顔を出して花をつけています。

ここ数年、常に同じ場所で多数観察できています。

地味な花かもしれませんが

来年以降も欠かさずチェックしたいところです。

 

 

全体として、4月1日にしては異様に暖かく

おかげで昆虫の遭遇率が高かったのが嬉しいところ。

新顔の昆虫も4種類登録できましたし

何より「トラフシジミ」は本当に有り難かったです。

 

毎年1度とは言え、石砂山に来るようになって10年目。

春のルーティーンとして、来年以降も欠かさず

足を運びたいところです。

 

 

 

 

 

【4/1 石砂山で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、アオジ、イソヒヨドリ、エナガ、カワラヒワ、キジ、キジバト、キセキレイ、コゲラ、シジュウカラ、ツバメ、トビ、ヒヨドリ、ホオジロ、メジロ、ヤマガラ

昆虫類・・・キタキチョウ、キシタトゲシリアゲ、キタテハ、ギフチョウ、クサギカメムシ、ジョウカイボン、スギタニルリシジミ、セイヨウミツバチ、センチコガネ、テングチョウ、トゲアリ、トラフシジミ、ナナホシテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ(?)、ノコギリヒラタカメムシ、ババムカシハナバチ(だと思う)、ヒオドシチョウ、ビロードツリアブ、ミヤマセセリ、ムネアカオオアリ、ムラサキシジミ

その他・・・ニホンカナヘビ

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年5月21日(日)に開催いたします。

 行先は「横浜みなとみらい(神奈川県横浜市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。