見かけたら、その木はサワルナ・キケン(伊佐沼~南古谷駅) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

SNSでクロハラアジサシが飛来していると

情報が流れてきましたため、この日は伊佐沼へ。

ただ、予定よりも足を運ぶのが大分遅れてしまいました。

加えて少し前にコアジサシが抜けたという話もあり

坊主という可能性も十分に考えられましたが

7月19日時点ではちゃんと複数が確認できました。

 

これでクロハラryがいればパーフェクトでしたが

残念ながら出払っていたらしく、確認できず。

(後日撮影情報が上がっていたので、抜けてはいなかった模様)

ちなみに念のため書かせていただきますが

この記録は1ヶ月弱前のものになりますため

8月も下旬に差し掛かった今の状況は推して知るべしです。

 

 

 

 

 

かなり遠距離かつ夏羽ではなかったので

一見わかりにくかったのですが、これはアマサギ

クローズアップしてよ~く見てみると

ほのかにオレンジ色の部分が残っていたりします。

 

なお、本種を新顔登録したのは同じく伊佐沼ですが

生涯で最初に見たのは台湾だったりします。

 

 

 

 

 

人気の高いヨシゴイが出現。

警戒心が強く、ヨシの中に身を隠していることが多いですが

この日はかなり近い場所に出てきてくれました。

 

過去、ここまで鮮明に撮れたことはありません。

ちなみに本種の新顔登録をしたのはかなり前で

実に意外な場所でのことでした。

まあ、恐らくマグレ中のマグレであって

あれ以降同じ場所で姿を見ることはできてませんが……。

 

 

 

 

 

羽を震わせるヨシゴイ

かなりサービス精神旺盛な個体のようです。

 

 

 

 

 

 

近くの花壇で見かけたベニシジミのカップル(左)と

道中のとある場所で大量発生していたマメハンミョウ(右)。

マメハンミョウの方は実際に十匹近く固まっているシーンを

撮影したのですが、キモかったので自粛します(爆)

 

 

 

 

 

そして、この日最大の収穫はこちら。

例の青いハチに通じるものがある

メタリックカラーの小さなハチです。

ちょこまか動き回って落ち着きがなく

マトモに撮れた写真が「逆さま」ばかりなのは

少々残念でしたが まあ画像を反転すれば済む話ですが

これはイラガセイボウ。その名の通り

イラガの繭に寄生して幼虫のエサにするハチです。

 

遭遇率・・・2(オオセイボウより数は多いという噂)

インパクト・・・1 (ミツバチよりもやや小さいくらい)

美しさ・・・5 (オオセイボウと並ぶ日本最高峰の美麗種)

俊敏性・・・5 (上記の通り忙しなく動き回る)

知名度・・・2 (図鑑には掲載されている)

 

オオセイボウがほぼメタリックブルーなのに対し

こちらはメタリックグリーン。

ある樹木の周辺で複数の個体を確認しています。

 

 

 

 

 

上記の通り、このハチの寄生先は

毒性の強いケ●シとして有名なイラガ

もし、このハチが複数飛んでいることがあれば

その木には間違いなく寄生先も多数隠れています。

 

っていうかこの写真でも右下に……(汗)

 

 

 

 

 

近くの蜘蛛の巣に死体が引っかかっていたので

ちょいと手に乗せて撮影してみました。

(アリの死体までくっついてきてしまったのはご愛敬)

葉っぱにイラガがついていないことを何度も確認しました

ハチなのでまあ当然ながら毒針も持っていますが

死してなお魅了される、この美しさ……。

 

ちなみに、美しいハチとして人気の高い

オオセイボウとルリモンハナバチも

同じく「寄生」をするハチですが

他のハチの巣に寄生するこれら2種と異なり

本種はイラガの繭に直接卵を産み付けるそうです。

 

 

 

 

 

正面から撮るとこんな感じ。

可愛らしい顔つきと言えるかも?

 

上記の2種類の青蜂と同じく

その美しさからファンも多いハチですが

寄生先の昆虫にとっては極めて恐ろしい天敵です。

まあしかし、それも自然の定理というもの。

 

イラガ自体は結構街中にもいますので

よくよく探せば本種に会う機会もあるのでしょうが

もし木の近くで見つかった際には、あまり葉っぱに

近付かない方がいいかもしれません。

というか、私も上記の逆さま写真を撮った直後に

すぐ木から距離を置きました(ぶっちゃけ今でもケ●シは苦手です)

 

 

 

 

 

こんな新顔にも遭遇しました。

白を基調に黒い斑点の付いた、

ちょっと変わった配色の葉巻のような蛾。

モンクロシャチホコというそうです。

 

遭遇率・・・1(探せばいるんだろうか?)

インパクト・・・3 (そこそこのサイズなので目立つ)

美しさ・・・2 (パンダカラーですが形状はややキモい)

俊敏性・・・3 (一応蛾なので飛べると思いますが)

知名度・・・1 (昆虫エクスプローラには非掲載?)

 

類似種はいないので、恐らく間違いないでしょう。

この手の蛾の常と言いますか、葉の上に乗って

ひたすらジーッとしていました。

色からして、鳥の糞に擬態しているのかも?

 

 

 

 

 

 

その後は、田んぼ近くでヌマガエルと……↓

 

 

 

 

 

 

まだ身体の小さなトウキョウダルマガエルを確認。

ダルマガエルについては左写真のように

緑色の部分が確認できないこともありますが

模様の入り方がヌマガエルとは全然違うので

しっかり写真に撮って識別すれば間違えることはないでしょう。

 

数は、恐らくヌマガエルの方が多いですが

ダルマガエルも決して少なくはありません。

 

 

 

 

 

最後に、駅舎で撮ったツバメの巣です。

軒下というか、駅員さんの作った「足場」に

丸ごと乗っかっているように見えますが

これなら安定感は抜群……かと思われます。

 

そろそろツバメともお別れでしょうかね。

 

 

 

 

【7/19 伊佐沼で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、アマサギ、カイツブリ、カワウ、コアジサシ、コサギ、ダイサギ、ツバメ、ムクドリ、ヨシゴイ

昆虫類・・・イラガセイボウ、ウチワヤンマ、キマダラカメムシ、クマバチ、シオカラトンボ、シオヤアブ、ショウリョウバッタ、ツバメシジミ、ニイニイゼミ、ベニシジミ、マメコガネ、マメハンミョウ、モンキチョウ、モンクロシャチホコ

その他・・・アカミミガメ、アメリカザリガニ、タニシ、トウキョウダルマガエル、ニホンアマガエル、ヌマガエル

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年8月20日(日)に開催いたします。

 行先は「小山田緑地(東京都町田市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。