【台湾編その2】あー新顔登録してぇ(宜蘭県・羅東運動公園ほか) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

高雄から新幹線・車等を乗り継ぎ、台湾北東部の宜蘭県へ移動。

羅東運動公園という大きな公園の見えるホテルに宿泊しました。

これは一昨日の朝、ホテルの部屋より撮影した公園の概観。

中央に大きな池がありますが、これは人工的に掘削して作られた池。

田園地帯の一角を公園化したもので、今では所々に盛土をして起伏を生み出しています。

 

あ、ちなみに今日は出張帰りということで休暇をいただいていますw

 

 

 

 

 

 

取材に出発する前に、早起きして公園を巡ってみました。

公園に入る前に小さい川を渡りましたが、ここにゴイサギが1羽。

日本でもおなじみのアレですね。(目が妙にでかかった気もしますが)

 

 

 

 

 

ホテル前の横断歩道に常駐していた、尾羽の長い黒い鳥。

オウチュウというスズメ目に属する鳥で、大きさはオナガと同程度です。

市街地にも現れるらしく、台湾ではごくポピュラーな鳥だとか。

 

今はちょうど繁殖期でナーバスになっているらしく、

近づくと急降下して威嚇してきました。 ただ横断歩道渡ってただけなのに……。

本当に頭上30cmくらいまで迫ってきたので、歩行者はともかく、

バイクや自転車で移動中に威嚇されたら驚いて転倒しかねないんじゃないかと(汗)

 

 

 

 

 

前回もご紹介したシロガシラ

自然度の高い公園だけに、ここにも多数生息しているようです。

 

 

 

 

 

 

朝早かったからでしょうか?

池の一角にハスの花が咲いていました。

 

 

 

 

 

 

ヤマトシジミ(左)にコシアキトンボのメス(右)。

この辺は本ブログでもおなじみの日本にいる昆虫ですね。

ヤマト(大和)の名を冠するヤマトシジミですが、

台湾はもちろん、フィリピンやインドなど東アジアに広く分布するそうです。

 

 

 

 

 

台湾の早朝の公園では、芝生広場でヨガをしたりランニングを楽しむ方をよく見かけます。

これは自然度の高いこの公園に限らず、高雄の街中にある小さな公園等でも同様です。

ちなみに奥のほうに見えるホテルか城のような建物は

公園とは関係ないただのマンションです。

 

上の写真の中央右あたりに、白い点がたくさんある島が見えますね。

ここは人の立ち入れないバードサンクチュアリとなっており

サギの仲間がわんさかと生息しています。

また、周囲の護岸部にある岩の上にもサギがたくさん。

見られるのはゴイサギ、コサギが多いように感じました。そして……↓

 

 

 

 

 

あれ? このオレンジ色の頭は……。

 

 

 

 

 

間違いありません。アマサギです。

絶滅危惧種でもなんでもなく、日本の首都圏近郊でもよく目撃情報が上がりながら

未だかつて一度も撮影することができなかったサギです(汗)

南方系のサギなんでしょうかね。

 

そのアマサギが、この日の運動公園では

「公園全域で」「当たり前のように」「池周囲だけでなくそこらの芝生広場でも」

次から次へと確認できました。

無論、公園利用者の皆さんもまったく意識した様子は見せません。

(というか、バードウォッチャー自体が公園に1人もいませんでした)

 

 

 

 

 

こんなふうに、その辺を普通に歩いています。

上の原っぱの近くにはテニスコートがあります。

ちなみに振り込めサギは近年世界各地にも沸いているそうです。●んでくれ。

 

人と自然が共存する公園は日本にも多く(イメージでは渡良瀬遊水地に近いかも?)

本ブログでも採り上げてきましたが、双方の距離はこの運動公園の方がより近く感じます。

 

アマサギは関東でも確認でき、手元にある神奈川県の生きもの図鑑でも

写真つきで紹介されています。が、本ブログのルール上、新顔登録は不可能……。

何とも無念極まりないです。

 

 

 

 

 

 

色々な角度から池を撮影。

ちなみに、がっつり写真を撮ったりせず池の周囲を一周するだけなら

40分くらいあれば十分ではないかと思われます。

 

 

 

 

 

南国らしく、椰子の木の群落も。

 

 

 

 

 

木の頂にとまるクロヒヨドリ

名前の通りヒヨドリの仲間で、シロガシラと同じ科に属します。

黒を貴重とした体色に対してくちばしと脚が赤く、目立ちます。

確かに微妙にとさかのある頭の形など、無印のヒヨドリと似ていなくもないですね。

 

 

 

 

 

一見コフキトンボのようにも見えるのですが、

サイズは2まわりほど小さく、明らかに別種と思われます。

恐らくは屋久島以南に生息するというヒメトンボではないかと。

 

サイズ感がわかりにくいので捕まえて撮りたかったのですが

あいにく警戒心が強かったようで、それは叶わず……。

 

 

 

 

 

シオカラトンボとヤンマの中間のような、ウエストのやや細いトンボ。

ハラボソトンボというらしく、これまた九州~南西諸島に生息する種です。

関東でもおなじみのデb……もといハラビロトンボと対をなす存在なわけですが

あいにくこの公園ではハラビロは確認できませんでした。

 

 

 

 

 

とまった位置の関係で証拠写真しか撮れなくて残念。

これはオキナワチョウトンボといい、

黄色とこげ茶色のコントラストが美しいチョウトンボの仲間です。

 

チョウトンボと同様に翅の色が派手で美しいのですが

チョウトンボと同様に省エネ飛行でいつまで経ってもとまってくれないのが特徴(汗)

仕事前であまり悠長に待っている時間もなく、

結果こんな風に中途半端な写真となってしまったのが無念です。

 

 

 

 

 

うお? いきなりヘビが出現!

 

 

 

 

 

びびったのはヘビの方も同じだったらしく、

バックでフェードアウトしてしまいました。(下写真の方が後に撮ったもの)

 

このヘビ、目の下の模様などはヤマカガシによく似ていますが

結局何という種なのかは今も不明……。

ヘビに限らず、台湾の生きもの図鑑なんて日本では入手できないので

こういった正体不明の種がどうしても出てきてしまいます。

もしお分かりの方いらっしゃいましたら、後でそっと教えてくださいませ……。

 

 

 

 

 

ここからはちょっと公園の外で。

取材の合間に撮影した生きものたちです。

 

車の行き交う大通りのすぐ傍で

普通にうろうろしているこの鳥は……?

 

 

 

 

 

同種を別の場所で撮影したものです。

頭頂部に青黒い帽子のようなものを被った、ゴイサギのようなずんぐりしたサギ。

正体はズグロミゾゴイ。中国南部から東南アジアにかけて生息するゴイサギの仲間で、

日本では沖縄西部の一部の島でしか観察できない、分布の局所的な鳥です。

 

生息数自体も減少傾向にあるらしく、

日本の環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類となっています。

が、それはあくまで日本の話。この日は視察に出向く先々で出現し、

しかも街中に普通に現れ、誰もそれを不思議に思っていない様子でしたので

台湾では至ってポピュラーな存在なのかもしれません。

 

 

 

 

 

頭部の黒帽子がくっきりとよく見える写真。上の2枚いずれとも別の個体です。

体色は褐色がかっており、ゴイサギとの差は歴然としています。

識別に苦労はしないでしょうが、そもそも首都圏では識別する機会がないでしょうw

 

 

 

 

 

これは別の場所で撮った幼鳥です。

ゴイサギと同様に、全身に斑模様がありますね。

 

ズグロミゾゴイは日本においては確かに希少種の1種ですが、

南西諸島から出ることが基本ないため、首都圏では馴染みがない鳥です。

一方、無印の「ミゾゴイ」という鳥がおり、こちらは主に日本で繁殖する鳥で

関東地方でもごくごく少数が観察され、バードウォッチャーを歓喜させます。

台湾にもこのミゾゴイはいるらしいのですが、

ズグロryと違いこの日は一度も目にすることがありませんでした。

 

……ところが……(詳細は次回)

 

 

 

 

 

 

最後に、真昼間から樹液をなめているカブトムシ軍団です。

日本にいるあのカブトムシの亜種(あるいは同種?)と思われます。

 

カブトムシといえば、幹に傷をつけ樹液を出して呼び寄せるケースが多いですが

実はコイツら、自分で木(トネリコ)の幹に傷をつけて樹液を吸い出しています。

木に刻まれている縦線状の傷は、このカブトムシが自らつけたものなのだとか。

今まで「舐める」だけなのかとナメていただけに、ちと意外でした。

 

 

 

後日、あと1回だけ台湾編をお送りします。