【台湾編その3・最終回】もし日比谷公園なら大騒ぎ(台北市・大安森林公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

最終日に訪れた台北の大安森林公園

台湾の首都だけに高層ビル群が並ぶ中、車道で区切られた中に

日比谷公園よろしく緑いっぱいの公園が広がっています。

ただし、日比谷よりも遥かに広いので一応念のため。

 

 

 

 

 

カササギ、現る。

九州に出現することで有名なカラスの仲間で、

お尻の青い羽が特徴なのですが、残念ながら正面向きなのでわからず。

関東圏では、首都圏ではまず見られないと思いますが

近年の温暖化に伴う生きものたちの北上を考えるとあるいは……。

 

 

 

 

 

都市公園という立ち位置でありながら、園内にはこんなビオトープが数箇所あります。

元々はホタルを蘇らせる目的で新しく造成した池らしく、

これによってホタル以外にも色々な生きものがやってきているようです。

 

 

 

 

 

 

キク科の植物(左)に、ヒオウギアヤメ(右)。

池の畔に咲いているのを見かけました。

 

 

 

 

 

ヒヨドリバナっぽい花に来ていたのは、リュウキュウアサギマダラ

あのアサギマダラとよく似ていますが、

名前の通り琉球(南西諸島)に留まっており、旅をすることはないようです。

翅の色は確かに似てはいるものの、明確な差もあるのですぐ見分けられますね。

(まあ、首都圏で見ることはないでしょうが)

 

 

 

 

 

ショウジョウトンボによく似ていますが、こちらは翅まで赤く染まっています。

ベニトンボのオスで、やはり南西諸島から九州にも分布しているようです。

近年の温暖化に伴い北上中らしいので、もしかしたらそろそろ関東にも……。

 

 

 

 

 

こちらはメスのベニトンボ。翅の付け根に紋が入っている以外は

シオカラトンボのメスによく似ています。ただしサイズはこちらの方が若干小さいです。

 

 

 

 

 

で、ふとすぐ横の池に目を向けたら……。

(距離僅か2メートル。しかも気づいているのに逃げる気まったくなし)

 

 

 

 

 

ズグロではなく、どうやら本物(?)のミゾゴイのようです。

まさかこんな都心のビルに囲まれた公園で、手が届くほどの間近で見られるなんて

夢にも思っていませんでした。しかも、どうやらここではありふれた存在らしく

Webで検索してもベンチに乗っている写真がヒットしたり

明らかにこちらを見ているのにまるで逃げようとしない(っていうか動こうとしない)

道行く人は誰も注目していなかったりと、まあ色んな意味で驚きでしたw

 

もし仮にこんな奴が日比谷公園の池に常駐していたら、

本ブログでお付き合いのある皆様を始め、都心近郊のバードウォッチャーが

三脚を抱えて日比谷に殺到するでしょう。間違いない。

 

正直、最初は置き物かと疑いました(汗)

 

 

 

 

 

先日の羅東運動公園ほど大きなものではないですが、

ここにもサギの集まるサンクチュアリがあります。

高層ビルの見える公園に、サギの一大コロニー……。

しかもバードウォッチャーがほとんどいない(つまり人にとって鳥は何ら珍しくない)

というところに、人と自然との究極の「共生」が実現しているように感じるのです。

 

 

 

 

 

バンのヒナが1羽。親もすぐ近くにいました。

軽いので、水草を足場にして歩き回れます。

 

 

 

 

 

コロニーではアマサギも子育て中。しかも子だくさんですw

中央で餌をねだっているコの目つきがちょっとヤバい。

 

いずれこんな光景が日比谷公園でも見られることは……ないかな(汗)

 

 

 

 

 

最後に、南西諸島~東南アジアにしか生息していないポケモン サニーゴです。

(立ち位置としては日本本土のカモネギに該当します  使えなさも同様

サンゴがモチーフなので熱帯でしか会えない……ということでしょうかね。

実用性についてはアレですが、コレクターとしてはぜひ捕まえておきたいところです。

(捕獲したのは宿泊したホテルの近くです)

 

 

1週間の視察の中、ほとんどは取材・仕事の撮影で忙殺されていきましたが

合間に撮るだけでも実に多彩な「らしい」生きものに遭遇できました。

処変われば、住んでいる生きものもまるで違うもの……。

東京と大阪ですら大分異なると聞いていましたが、

海で隔てられた異国ともなると実に顕著ですね。強く実感しました。

 

残念ながらルール上、アマサギ、ミゾゴイも含めて全て新顔登録できませんが

実りのある生きものめぐりができたことを心よりありがたく思います。

 

次回からいつも通りに首都圏散策に戻りますので、またよろしくお願いいたします。

 

 

 

【6月13日~19日 台湾出張で撮影した生きもの】 赤字は新顔

鳥類・・・アオサギ、アマサギオウチュウ、カイツブリ、カルガモ、カワセミ、キジバト、クロヒヨドリ、ゴイサギ、コクチョウ、コサギ、シロガシラズグロミゾゴイ、ダイサギ、ツバメ、ハッカチョウ、ミゾゴイリュウキュウツバメ

昆虫類・・・オキナワチョウトンボカバマダラ、カブトムシ、コシアキトンボ、ハラボソトンボヒメトンボベニトンボ、モンシロチョウ、リュウキュウアサギマダラ、ヤマトシジミ

その他・・・アフリカマイマイ(?)、タイワンリス、ナンダ(ヘビ)、ニホンヤモリ