【台湾編】毒蝶、現る(高雄市・佛光山佛陀記念館) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

台湾取材も折り返し日を迎えました。

現在は南部の高雄市に来ていますが、明日夕方からは北上します。

肝心要のプロジェクトに関する取材は今日無事に終わりましたので

少し肩の荷が下りました。

 

てなわけで早速ですが番外編。台湾での記録を少しだけご紹介します。

ここに挙げるのは、仕事の合間に自分のカメラで撮った写真のみです。

(仕事用の精度の良いカメラは、さすがに仕事でしか使えません)

 

今回ご紹介するのは、佛光山佛陀記念館

佛陀(ブッダ)とは仏教の開祖。すなわちここは仏教を知るための施設なのですが

決してお堅い場所ではなく、観光地らしいフランクな雰囲気です。

 

 

 

 

 

ほぼ線対称なメインストリート(?)沿いに、8つの塔が並びます。

奥に大仏が見えますが、土台と像を合わせるとその高さは108メートル

奈良の大仏よりも遥かに大きく、近づくと圧倒されます。

 

 

 

 

 

荘厳な大仏ではありますが、インスタ映えスポットであるのもまた事実。

いかにも聖地という感じの格式張った施設ではないため、

こうした撮影等についても(一部を除いて)禁止されておらず

非常に気軽に仏教の世界に親しめるようになっています。

 

「勉強する」ためではなく(勿論それはそれで立派ですが)

「楽しむ」ためのエンターテインメント型仏教施設。

宗教が絡むと日本の場合は得てして堅苦しくなりがちなだけに

“縛り”の少ないこういう施設はとても新鮮に映ります。

 

 

 

 

 

ちなみにこの大仏、近づき過ぎると博物館の建物に隠れてしまいます。

接近して撮りたいときはやや斜めにズレましょう。

 

 

 

 

 

上記の通り、やや斜めから。

胸部に卍(まんじ)の模様が確認できます。

 

 

 

 

 

施設をうろうろしていると、あちこちでツバメの姿を見かけます。

これだけなら東京・横浜と同じですが、あちらで見かける無印のものとは違い

こちらはリュウキュウツバメという南国に分布するツバメだったりします。

首周りの輪が薄く、喉元から腹部にかけて赤~褐色になっているのが特徴。

また、巣の形も無印とは大分異なります。

 

意識せずとも視界に入ってくるレベルですし、市街地でも見かけましたので

こちらではごくごくスタンダードな種であると思われます。

 

 

 

 

 

梅雨前線がほぼ島に重なっているために悪天候が続いていますが、

雨上がりのこの日は、あちこちでカタツムリの姿を見かけました。

殻の大きさは最大のもので7cmくらいでしたが、種名まではわからず……。

外来種のアフリカマイマイの可能性も懸念されたため、手は出さないでおきました。

(命にかかわる寄生虫が感染する恐れがあるため)

 

 

 

 

 

リュウキュウツバメに続き、この日施設内でコンスタントに見かけた鳥。

シロガシラというヒヨドリの仲間で、イソヒヨドリに近い声で囀ります。

(ただしイソヒヨドリはヒヨドリ科じゃない)

 

日本では、少なくとも首都圏近郊には生息しておらず、

台湾から持ち込まれたと思われる個体が南西諸島に侵入しているのみです。

一方で高雄市ではごく当たり前のように見られるポピュラーな鳥。

サイズや姿形などからして、日本でのヒヨドリに該当するといってよさそうです。

(余談ですが、ヒヨドリは日本以外ではほとんど見られないそうです)

 

ちなみに、高雄市で最もよく見かける鳥は何かというと

結局のところ東京と同じでスズメだったりします。この記念館でも然り。

一方、カラスやムクドリは今のところ1羽も見かけていません

訪れて3日間ではありますが、生態系の大きな差を実感しています。

 

 

 

 

 

もう一種、こちらは1羽だけ見かけたのですが

カタツムリに続き正体がよくわかりません(逆光のせいもありますが……)

日本でもよく名前を聞く何とかムシクイに似ている気もしますし

多分その系統の鳥なんじゃないかとは思いますが、同定には至らず……。

もしわかる方、いらっしゃいましたらそっと教えてくださいませ。m(_ _)m

 

 

 

 

 

 

佛陀記念館には庭園もあり、池もあります。

公園よろしくベンチが多数配置されていて、気軽にその辺でくつろげるのも好ポイント。

 

池を覗くと、黒鳥(コクチョウ)が1羽浮かんでいました。

まあ、さすがにこれは施設内で飼育されている個体でしょう。

野生の黒鳥はオーストラリアでしか見られないそうですしね。

 

ちなみに左写真の黒鳥の奥の方、黒い点みたいに見えるのはご存知カイツブリです。

こういうのと遭遇すると何か無性に嬉しくなりますw

 

 

 

 

 

 

 

施設内の庭園には、季節の花が咲きます。

大船植物園や神代植物公園の温室で見た熱帯性スイレンや

日本でもおなじみのサルビア、熱帯を好むブーゲンビリアなどにより

色とりどりのガーデンが形作られています。

 

一方で、主に寒冷なヨーロッパで育つバラはほとんど(記念館内では全く)見られません。

最近は暑さに強いバラも作られていますが、気温や湿度が東京より遥かに高い台湾では

今のところ(日本で圧倒的シェアを誇る)バラの文化も浸透していないようです。

 

 

 

 

 

そんな熱帯のガーデンを訪れるのは、これまた熱帯の昆虫たち。

写真の蝶はカバマダラ。沖縄でよく見られるタテハチョウの仲間で、

時に大量発生することでも有名ですね。

 

幼虫が草を食べて体内にを蓄積させており、

成虫になってもなおが残留しているという恐怖の(?)蝶です。

しかし何より一番恐ろしいのは、幼虫の々しい外見。

迂闊に画像検索して後悔しましたorz。目のです。

生理的嫌悪感を覚える嫌な模様をしていますが

幸い今のところはほぼ南西諸島にしか生息していないため、

あのグロい幼虫に出くわす機会はほとんどないとおもわれます。

ただ、温暖化に伴い北上しているという噂もある

 

ちなみに蝶と書きましたが、食べた鳥に害をおよぼすというだけで

人が触れたところで何のダメージも受けません。当たり前ですがね。

 

 

 

 

 

横からのアングル。成虫はとてもきれいなフォルムです。

身体の模様はアサギマダラに似ていますが、サイズはこちらの方が遥かに小さく、

大体モンシロチョウくらいの大きさです。

余談ですがアサギマダラの幼虫もかなりグロく、そしてをもっています。

 

 

 

悪天候ながらも色々と楽しませていただいた高雄市ですが、明日でお別れ。

次の移動先では親水公園の視察も予定に入っていますので、楽しみではありますが

相変わらず天候が不安です(汗)。梅雨前線がズレてくれることを切に祈ります。

 

 

なお、当たり前ですが今回ご紹介した生きものたちは新顔登録できません(汗)

ここは首都圏どころか日本ですらないので