「例のビン」が大活躍した日(天神島&池子の森自然公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

GW終盤、ラストの日曜は荒天予報だったので

前日の土曜に天神島へ行ってまいりました。

到着直後、交尾中らしいアオウミウシに遭遇。

さすがにこれを水から出すわけにはいかないので

水上から可能な限りクローズアップして撮影しました。

 

今回、もちろん狙いはウミウシだったわけですが

見つかるのはほぼアオウミウシばかり。

材木座で撮った面々の姿は見当たりません。

 

 

 

 

 

 

過去にキアシシギが来ていた時もありましたが

今回はチュウシャクシギ(右)が飛来していました。

奥に見える小島(左)はウミネコの休憩地になっており

基本的に歩いて近づくことはできません。

 

 

 

 

 

 

ヒライソガニ(左)にイソクズガニ(右)。

いずれも天神島ではありふれた生きものです。

 

 

 

 

 

3日連続で遭遇したニホンクモヒトデ

これもまた手の上でうねうねと躍動しています。

(嫌いな人はとことん嫌がりそうな生物)

 

 

 

 

 

普通に上から水中を見回しているだけでも

ナマコなんかは結構よく見つかりますが

石などを引っ繰り返してみると

さらに多数潜んでいることがわかります。

 

 

 

 

 

ウミウシの新顔目当てで

この日は何度か石を引っ繰り返して

裏側をチェックしました。

ヤツデヒトデばかり出てくるのは

さすがに辟易しましたが……↓

 

 

 

 

 

ん? 何やら平べったい物体が……。

 

 

 

 

 

前日にも活躍(?)した

鎌倉茶々の抹茶プリンのビンに入れてみました。

形状からして、初訪問時に撮影した

カリオヒラムシの仲間であることは確か。

どうやらミノヒラムシという種のようです。

 

遭遇率・・・2(ヒラムシの中では比較的普通種とのこと)

インパクト・・・3 (泳ぐ姿が印象深い)

美しさ・・・3 (人によってはキモいと言うかも)

俊敏性・・・3 (ビンの中では意外と活発に動きました)

知名度・・・2 (ウミウシ系統と比べるとマイナー)

 

色々検索してみたところ

石(岩)の裏によく隠れているとのこと。

これまで天神島ではそんなに細かくチェックしなかったので

実は今までも何度かニアミスしていたのかも?

 

 

 

 

 

引っ繰り返って裏側(?)を上にして泳いでいましたが

これはデフォルトなのか、それとも悶え苦しんでいるのか……。

 

 

 

 

 

さらに、こんな生きものも見つけました。

上のヒラムシと同じく石の下に隠れていたもので

形状からしてウミウシの仲間であることは確か。

正体はアカエラミノウミウシといい、

写真だとわかりにくいですが

この個体はせいぜい全長1cm程度でした。

 

遭遇率・・・2(レア種ではないらしいですが)

インパクト・・・2 (小さいものの、ユニークな形状)

美しさ・・・4 (色・形共に目を惹く)

俊敏性・・・1 (ウミウシなので致し方ない)

知名度・・・2 (美麗種ですがあまり有名ではない模様)

 

 

 

 

 

横から見るとこんな感じ。

名前にある「ミノ」というのは「蓑」のこと。

身体についているこの毛みたいなものが

名前の由来になっていることは間違いないでしょう。

 

ウミウシの仲間はサイズこと小さいものの

やはり綺麗に撮れた時の感動は一入です。

特に、上記のビンのように透明なケースに入れ

色々な角度から撮影するとよりグッド。

 

 

 

 

 

引き潮で水から出てしまったアオウミウシ

石の隙間に首を突っ込んでいますが

これはさすがに死んでるだろう……と思いました。

(ちなみに呼吸に使うエラはお尻についている)

しかし、引っ張り出してビンに入れてみたところ……↓

 

 

 

 

 

すぐに元気に歩きだしました。

隙間に隠れることで酸欠しないよう

必死に凌いでいたのかもしれません。

 

また、初めて口(と思われる部分)も撮影成功。

この口でクロイソカイメンを削り取って

食べていると聞きます。

要するにこれも肉食とううわけですが

前々回のキヌハダウミウシなどのように

他のウミウシを襲うわけではありません。

 

天神島入口付近のビジターセンターには

来園者が捕まえたウミウシの中から

厳選した個体を展示している水槽がありますが

上記の理由からキヌハダウミウシは入れられません。

一番多いのは、やはりメジャー種であるアオウミウシ。

ただ、当方は捕獲は専門外なので

今回撮影した生きものは全てその場でリリースしました。

 

 

 

 

 

 

その後、思いのほか時間が余ってしまったので

バスで逗子まで戻った後、近くにある自然公園へ。

池子の森自然公園といい、米軍基地に隣接しているので

一部立入禁止エリアなどもありますが

結構広さがあり、自然度もなかなか高いので

ここだけで長時間滞在することもできそうです。

 

ただ、草原が広くていかにも犬を走らせたくなる環境ながら

草原へのペットの持ち込みは禁止されているので

訪問する際にはくれぐれもお気を付けください。

 

 

 

 

 

今回は天神島の「ついで」感覚で立ち寄ったので

あまりじっくりと生きものを探せませんでしたが

それでも新顔の昆虫にいくつか出会えました。

写真の虫はキベリクビボソハムシ

黄色い縁取りのある首(というか胸部?)の細いハムシ

ということで、まあわかりやすいネーミングです。

明日には忘れていそうですが

 

遭遇率・・・3(食草は、割とよくあるヤマノイモ)

インパクト・・・1 (全長1cmにも満たない小さな虫)

美しさ・・・3 (デザインはなかなかお洒落)

俊敏性・・・4 (昆虫エクスプローラにも俊敏と書かれています)

知名度・・・1 (あまり知られてはいない)

 

上記の通り飛んで逃げるのが速く

この日も上の1枚しか撮れませんでした。

あと1秒躊躇していたら撮れなかったかも?

 

 

 

 

 

小さく地味ながら、これも新顔の昆虫。

甲虫ではなく、クロヒラタヨコバイといって

ヨコバイ(ひいてはカメムシ)の仲間です。

 

遭遇率・・・3(広葉樹の葉を好むらしく、探せばいる模様)

インパクト・・・1 (小さい上に地味)

美しさ・・・2 (不快感は与えないものの、地味)

俊敏性・・・4 (逃げ足は速い)

知名度・・・1 (まあ、知らなくても死にやしまい(爆))

 

 

 

 

 

 

で、最後に気になったのがコレ。

そこそこ大き目のハムシの仲間のようですが

図鑑で調べてもちょっとわかりませんでした。

 

相変わらず情けないのですが

もしわかる方いらっしゃいましたら

コメ欄などでそっと教えてくださいませ。<(_ _)>

 

 

 

 

 

【5/6 天神島&池子の森自然公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・ウミネコ、カルガモ、カワラヒワ、チュウシャクシギ

昆虫類・・・キタテハ、キベリクビボソハムシ、クロヒラタヨコバイ、サトキマダラヒカゲ、セイヨウミツバチ、ツバメシジミ、トホシテントウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、ムモンホソアシナガバチ、ヤマトシジミ、ヤマトシリアゲ

その他・・・アオウミウシ、アカウニ、アカエリミノウミウシ、アカクラゲ、アゴハゼ、アメフラシイソヨコバサミ、イソガニ、イソカニダマシ、イソクズガニ、イソスジエビ、オオヘビガイ、ケヤリムシ、タテジマイソギンチャク、ニホンクモヒトデ、バフンウニ、ヒライソガニ、ホンヤドカリ、マナマコ、ミノヒラムシ、ムラサキウニ、ヤツデヒトデ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年6月18日(日)に開催いたします。

 行先は「生田緑地(神奈川県川崎市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。