秋の状態をチェックしてみた(代々木公園 東京パークガーデンアワード会場) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

春、初夏真夏とコンスタントに訪れてきた

代々木公園東京パークガーデンアワードの会場。

宿根草花壇で、植え替えはせずとも咲く花が変わり

夏とは雰囲気が全く異なっています。

 

前回の向島百花園の記事でもわかる通り

秋の花が咲き始め、それに伴って

ウラナミシジミなどの秋の昆虫が増えてきたので

こちらも見られる昆虫が変化しているのではないかと思い

9月最終日に足を運んでまいりました。

 

 

 

 

 

ちなみにこれも代々木公園内ですが

オリンピック広場近くのメイン通りです。

トップの写真と違って人が溢れています。

 

ガーデンを見てほしい身としては少々残念ですが

見方によってはこれだけの人数がドドッと押し寄せると

吸蜜中の昆虫たちが逃げる可能性もあるので

まあ、いいかな……などと思っています(汗)

 

 

 

 

 

シソ科の宿根草

アガスターシェ・ブルーフォーチュン

夏場は主にクマバチの餌場になっていましたが

今回はイチモンジセセリがわんさかと集っていました。

あと、チャバネセセリも結構出ていました。

(今年は全体的にチャバネの比率が高い?)

 

俯瞰で撮影しているこの写真でも

複数個体が飛来しているのがわかりますね。

 

 

 

 

 

 

他にも、アガスターシェに飛来した昆虫を紹介。

まずはオオスカシバ(左)とホシホウジャク(右)。

今年の夏は都心部でオオスカシバの出現率が高かったですが

ようやくホシホウジャクが逆転するようになってきました。

 

 

 

 

 

 

クマバチ(左)とキンケハラナガツチバチ(右)。

いずれも大人しいので、近くで観察できます。

それなりにハチの飛来数も多いので

刺されることを恐れて来園者が花壇を避けているのか?

いや、あまりそういう感じはしませんでしたが……。

(単にメイン通りからやや離れているので見落としているのかも)

 

 

 

 

 

そしてウラナミシジミ

真夏は全く見られませんでしたが

やはり予想通り、一気に数が増えていました。

恐らくこの日最もよく見かけたチョウです。

 

 

 

 

 

 

オミナエシやヒヨドリバナなどが開花し

花壇も秋らしい雰囲気になってきました。

一方、咲き終えたアリウムなども

摘まずにそのまま残しているため

独特の侘び寂びのある落ち着いた佇まいでした。

 

 

 

 

 

最近、こういうアングルで撮るのが好きです。

左奥にさりげなくもう一頭ウラナミryが。

 

 

 

 

 

 

たまに大量発生することで有名なウスバキトンボ

時期が重なるため、間近で観察しないと

アキアカネと勘違いする人は多いかも?

 

 

 

 

 

これを共存共栄と

呼んでいいのか?

 

まあ、ライオンとシマウマのアレみたいに

単に腹いっぱいで食べたくなかっただけだと

思いますけれどね。でなければセセリチョウは不味いのか

 

 

 

 

 

また、指先にとまってくれました。

アキアカネはこういうことが多い気がしますが

何か理由でもあるんでしょうかね?

 

 

 

 

 

本日最もお気に入りの一枚

バーベナを訪れたヒメクロホウジャクです。

 

結構離れて吸蜜することがわかりますが

今回は目が特にくっきり撮れたのが嬉しいポイント。

ペンタスや各種キク科の植物と同じく

バーベナも小さい花が多数集まっていますので

この手のホバリングする蛾の撮影に適しています。

 

 

 

 

 

ヤマトシジミのいる風景

(風景の方がボケているのはまあご愛敬)

 

 

 

 

 

まだ健在だった

カメムシの仲間の中では

恐らく本ブログで最も登場率が高いですね。

セリ科の植物をチェックすると大抵いるので

毎度つい探してしまいます。

 

 

 

 

 

細い葉にとまっている

これまた細いハチの仲間。

この角度ではわかりにくいので

撮影位置をずらしてみます。↓

 

 

 

 

 

斜め前方から撮影してみました。

ちょうど翅を開いてくれて、全身が見える形に。

その場ではまったくわかりませんでしたが

帰宅後に検索し、キオビコシブトヒメバチという

ヨトウガ等に寄生するハチであることがわかりました。

 

遭遇率・・・2 例のと比べたら遭遇しやすい寄生バチ)

インパクト・・・1 (小型で華奢なので見落としやすい)

美しさ・・・3 (鮮やかな黄色と黒の縞模様)

俊敏性・・・4 (ハチなのでまあ当然)

知名度・・・1 (明日には忘れている(爆))

 

 

蛾の幼虫に寄生し、蛹になったら

中身を食い尽くして外に出てくるという

まあ典型的な寄生バチの一種みたいです。

上記のヨトウガの仲間は農業害虫でもあるため

人にとっては益虫とされる傾向が強い模様。

ただ、寄生という行為そのものが

人には敬遠されがちなので、

本種の知名度もあまり高くはありません。

その割にブルービーは人気なのはやはりビジュアル故か

 

漢字で書くと黄帯腰太姫蜂でしょう。

どう考えても。

 

 

 

 

 

こちらはツマジロエダシャク

翅の先端部(つま)に白い斑があるのが

名前の由来となっている、シャクガの仲間です。

 

遭遇率・・・3(食草がクスノキなので多分普通種)

インパクト・・・2 (モンシロチョウよりやや小さいくらい)

美しさ・・・2 (まあ、地味……)

俊敏性・・・3 (他の蛾(ホシホウジャクなどは除く)に準ずる)

知名度・・・1 (少なくとも上のハチよりは覚えやすい名前)

 

とまり方がチョウのそれによく似ていますが

翅が妙に角ばっていて、ちょっと不思議な形。

名前で覚えるのは少々苦労しそうですが

この翅の形は印象に残りやすいので

次に見た時にも忘れない……かもしんない(弱気)

 

 

 

 

 

最後に、モデルガーデン「クラウド」を撮影。

奥に見える明治神宮内苑の森のお膝元、

来年もきっと多くの昆虫の拠り所と

なってくれるはずです。

 

ちなみに東京パークガーデンアワードの件ですが

コンテストの結果発表がもう間もなくだと聞いております。

さて、グランプリはどこになるのでしょうか?

 

 

 

 

 

【9/30 代々木公園パークガーデンアワード会場で撮影した生きもの】

アオクサカメムシ、アカスジカメムシ、アキアカネ、イチモンジカメノコハムシ、イチモンジセセリ、イボバッタ、ウスバキトンボ、ウラナミシジミ、ウリハムシ、オオカマキリ、オオスカシバ、キオビコシブトヒメバチ、キタキチョウ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、コガタスズメバチ、コバネイナゴ、シオカラトンボ、スズバチ、セイヨウミツバチ、チャバネセセリ、ツマグロヒョウモン、ツマジロエダシャク、ナミアゲハ、ニホンミツバチ、ヒメクロホウジャク、ホシホウジャク、ヤマトシジミ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年11月19日(日)に開催いたします。

 行先は「神代植物公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。